* Caramel Tea *

Reading Diary

2005. 05. 16

『ワイルダー一家の失踪』 ハーバート・ブリーン

Wilders Walk Away (1948)
ハーバート・ブリーン / 西田政治 訳 / ハヤカワ・ポケットミステリ 104

「他の人たちは病気で死んでいく、おたふく風邪か老衰か熱病か瘧りかで、でもワイルダー家の人たちは消えていく」――アメリカ独立戦争時代の街並みが残るワイルダース・レーン。町の名門ワイルダー家では、先祖代々五人の当主が謎の失踪を遂げていた。雑誌記者のレイノルド・フレームが町を取材するためにやってきた日にも、一年前に失踪したきりのフレッド・ワイルダーの下の娘エレンが行方不明になり…。

江戸川乱歩は解説で「ブーリンの作風はカーを継承するものである」と書いているけど、うーん、そうかなあ? カーの作品に比べると、おどろおどろしさはあまり感じられなかった。
過去の失踪事件の人間消失トリックのいくつかはユニークであっても、物語全体としてはインパクトが弱い。犯人もこの人以外には考えられないだろうという人物で、意外性はまったくないし。
それに、シャーロック・ホームズ気取りのレイノルドや、彼が助けようとするワイルダー家の上の娘コンスタンスが、家族が三人も死体で見つかっても葬儀の翌日にはそのことをコロリと忘れているような様子が好きになれなかった。

2005.05.16 23:41 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

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