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2009. 09. 05

『従僕ウィリアム・テイラーの日記』

Diary of William Tayler, Footman, 1837 (1962)
ドロシー・ワイズ 編 / 子安 雅博 訳 / 栄宝社
2009-07
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家事使用人のスケジュール、食事、賃金、役得など、いわゆる階下の世界の記録に留まらず、若きヴィクトリア女王の即位に歓喜する民衆、クリスマスの賑わい、鉄道の敷設工事、選挙、インフルエンザの蔓延、霧と煤煙など、人口集中の進むロンドンの社会事情を独特のユーモアを交えて描き出した、無名人ウィリアム・テイラーの日記。 (「BOOK」データベースより)

1837年の1月1日から12月31日までの、「紳士に仕える奉公人の日記」。ただし、このときウィリアムが仕えていたのは「紳士」ではなく、東インド会社で財を成した人物の未亡人(プリンセップ夫人)と、40代の未婚の娘。彼は屋敷で唯一の男性奉公人で、他に女性奉公人が3人いると書かれている。

ウィリアムは「紳士に仕える奉公人の生活は、籠の中に閉じ込められた小鳥の生活のようだ。小鳥は立派な家に住み、しっかりと餌を与えられてはいるが、自由を奪われている。」と嘆いている。しかし、空き時間に趣味の絵描きやスクラップブック作りや読書を楽しんだり、台所で客をもてなしたり、毎日のように頻繁に外出したり、女主人とともにブライトンへ夏の滞在に出かけたときには毎日海水浴を楽しんだりと、割りと自由時間が多い印象を受ける。

この日記は誰かに読ませることを想定して書かれたらしく(「さて、この日記を読まれた方々には奉公とはどんなものか少しは分かっていただけるだろう」)、日々の記録の他に、自分が上流階級の生活をどう見ているか、実例を挙げて説明したりしている。ウィリアムが紳士階級に向けるまなざしはかなり辛辣で、自分の女主人一家に対しても遠慮なしだ。

1837年(ヴィクトリア女王が即位した年)の記録であるところといい、男性奉公人の生活について人々が知りたいと思うであろうことをカバーしているところといい、もしかしてこれはフィクションなのではないかと、一瞬思ってしまった。

2009.09.05 23:17 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

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