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2009. 01. 05

『ルルージュ事件』 エミール・ガボリオ

L'Affaire Lerouge (1866)
エミール・ガボリオ / 太田浩一 訳 / 国書刊行会
2008-11
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1862年3月6日、パリ近郊のラ・ジョンシェール村で、寡婦クローディーヌ・ルルージュが殺害死体で発見された。夫人は素性を周囲に明かしておらず事件は謎につつまれる。隠された夫人の過去にはいったい何があったのか。思わぬ展開を見せる事件の前に、素人探偵タバレの親父がたどりついた驚愕の結末とは――。 (帯より)

世界最初の長編ミステリ。(『月長石』よりもこちらのほうが2年早いらしい)
とは言っても、探偵役の警察の密偵タバレ(別名チクロレール)が推理するのは冒頭部分くらいで(この部分は、殺害現場に残された足跡や葉巻の吸殻などのわずかな痕跡から、犯人の年恰好や犯行時の行動を詳細に説明してみせるという名探偵ぶり。その後、たいした偶然から被害者の過去を知ることになるという展開には面食らったけれど。確かに「思わぬ展開」だよ)、大部分は、名門の伯爵家の秘密をめぐる話という、大衆小説(フランスにおいては「新聞連載小説」と言ったほうがふさわしいのかな)の趣が強い。謎解きの要素が少ないのは別にいいんだけれども、問題なのはその大衆小説としてあまりおもしろくないことだ。ひとつひとつの話が長くてなかなか先に進まず、19世紀の悠長な長編小説をいつも好んで読んでいる私から見ても、「おじいちゃん、その話はさっき聞いたよ」「おじいちゃん、話が長いよ!」と言いたくなる。ストーリーだけ取り出してみれば(探偵小説の流れ的にも)そんなに悪くないと思うんだけど、でも、読んでいるとちょっと退屈。登場人物たちも、コマラン伯爵とかダルランジュ公爵夫人とかちょっと特徴的だけれども、強く印象に残る人物にまではなりきれていなくて、なんか一味足りない感じだし。

タバレとコマラン伯爵に対しては、自分のことを棚にあげて他人を批判する場面のたびに、「元はと言えば、テメーのせいだろ!」と言いたくなった。
結構好きだったのはジュリエットだな。結末部分の予想外の言動が。逆にクレール嬢は、ダビュロン判事のところに「友情」を求めてやってくる場面がなんて無神経なんだろうと思った。恋人のことしか見えていないってことなんだろうけど、本人の意図しないその残酷さがキツすぎる……。

2009.01.05 23:50 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

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