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2008. 10. 21

『ルース』 第8~23章

ベリンガムの病気は快方へ向かうが、母親の説得もあって、ルースの存在がわずらわしくなり、ベリンガム母子は置き手紙と手切れ金を残して突然宿を立ち去ってしまう。置き去りにされたルースは、愛する人に捨てられた悲しみのあまり自殺しようとするが、同じ村に滞在していた非国教会の牧師サースタン・ベンスンに止められる。ルースはそのまま臥せってしまい、ミスター・ベンスンはその世話をしてもらうために自宅から姉のフェイス(ミス・ベンスン)を呼び寄せる。
ルースが妊娠していることがわかる。ベンスン姉弟は相談の末、ルースを夫をなくしたばかりの遠縁の親戚ミセス・デンビーだということにして、エクルストンにある自分たちの家に連れて帰って面倒を見ることにする。エクルストンでルースは悲しみに浸り続ける日々を送る。
ルースが男の子を産み、レナードと名づけられた。やがてルースは、ミスター・ベンスンの友人かつ信徒である裕福な新興実業家ミスター・ブラドショーの屋敷で、幼い娘たちの家庭教師として働き始める。
それから五年後。ルースを慕うブラドショー家の長女ジェマイマは、父親の商会の共同経営者ウォルター・ファーカーとひそかに想いを寄せ合っていた。しかし、反抗心とわがままからジェマイマは冷たく無礼な態度を取り、失望したファーカーは淑やかなルースに想いを移し始める。ジェマイマはルースに激しく嫉妬する。一方、ミスター・ブラドショーがエクルストン地区選出の下院議員の選挙に関わることになり、彼が支援する候補者ミスター・ダンが屋敷にやってくる。ミスター・ダンと顔をあわせたルースは、その正体に驚愕する……。

***********************************************

以上、全体の三分の二ほどのあらすじ。
「ブラドショー家の家庭教師」と書かれていますが、教育を受けていない農家の娘のルースが勉強を教えられるはずもないので(他にラテン語・作文・算術の先生がそれぞれいる)、「世話係」ってところでしょうか。

若い女性が罪の意識に苦しみ悩み続けるという、『悪夢の一夜』(→感想)系統の話で、なんか辛気くさい。
ヴィクトリア朝当時の社会的道徳観から言ってもキリスト教的道徳観から言っても、未婚の娘が愛人状態で暮らしていたというのは「罪」で、さらにその結果の私生児を産むというのは恐ろしい出来事だったわけです。なので、当時の読者に主人公ルースに同情を持ってもらうには、その罪を帳消しにできるような人物像にする必要があります(自堕落な女とか性悪な女、ついでに言えば十人並み以下の器量の女とかだったら「自業自得だ」ってことになるだろう)。そのせいで、著者ギャスケルは無意識にルースを飾り立てすぎたのか、少女時代のルースは純粋で無邪気、幼いゆえに何も知らなかったいわば「被害者」、出産後は、威厳と気品を兼ね備えて貴婦人然とし、周囲から愛され敬意を寄せられる非常に美しい女性として描かれ、なんとも嘘っぽい存在になってしまっている。(出産後の姿は、ルースの自己鍛錬の努力の結果という建前ではあるのだけれど、どこで身につけたんだと思ってしまう唐突な変身ぶりです)

ミス・ベンスンとサリー(ベンスン姉弟が幼い頃から仕えている召使い)が登場すると、場面がちょっと明るくなるし、親切だけれどもルースに対してズケズケ言うので小気味良い。

* Tag : エリザベス・ギャスケル  『ルース』  

2008.10.21 23:30 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

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