* Caramel Tea *

Reading Diary

2008. 04. 30

『教会の悪魔』 P・ドハティ

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ポール・ドハティ / 和爾桃子 訳 / ハヤカワ・ポケットミステリ
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13世紀のロンドン。殺人を犯して司直の手が及ばぬ聖メアリ・ル・ボウ教会へと逃げこんだ男ダケットが、密室状態の教会内で首を吊って死んでいるのが発見された。罪の意識に苛まれての自殺かと思われたが、国王エドワード1世は自分に対して叛逆を企む者たちの仕業だと考え、事件の調査を命じる。その密偵役として白羽の矢が立ったのは、王座裁判所書記のヒュー・コーベット。すぐにダケットの死が殺人だと突き止めたのだが……。

ドハティの代表作とも言われる密偵ヒュー・コーベットシリーズ第1作。
コーベットはウェールズ征服時にエドワード1世を庇って戦ったことがあり、国王の覚えもめでたく頭の切れる人物です。しかし、暗い。数年前にペストの流行で妻子を失ってからずっと失望状態で、暗い。そんな主人公の性格と話の展開が相まって、いささかシリアスな印象。もっとも、中盤で元窃盗犯の少年レイナルフが従者となって加わるとちょっと活気が出てくるし、訳者あとがきによるとコーベットは以後の作品では「公私ともに右肩上がりの人生」になるそうですが。
自殺に見せかけた密室状態での殺人という不可能犯罪を扱ってはいるけれど、その真相は正直言ってしょぼい。殺人の謎解きよりも、刺客に狙われつつ国王に対する陰謀を追いかけるというほうが主体になっています。
エドワード1世の時代の史実を物語の背景としているのはもちろんとして、「著者あとがき」によれば、聖メアリ・ル・ボウ教会での殺人も、その経緯や被害者加害者などの関係者の名前にいたるまで実際にあった事件に基づいているんだそうで、それにはビックリ。

ポケミスは、ロジャー・シャロットシリーズが1作目 『白薔薇と鎖』 が2年前に出たきりになってるけれど、こちらのヒュー・コーベットシリーズは訳者あとがきを見ると、2作目以降も翻訳が予定されてるっぽい? 無事に続いてほしいなあ。

* Tag : ポール・ドハティ(ドハティー)  

2008.04.30 22:40 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

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