2008. 04. 15
『風の妖精たち』 メアリ・ド・モーガン
The Windfairies (1900) メアリ・ド・モーガン / 矢川澄子 訳 / 岩波少年文庫
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風の妖精たちに踊りの秘術をならった娘の話、悪い妖精に声をぬすまれた少年の話、土の精と知恵くらべをする農夫の話など、民話風な7つの短編。ゆたかな想像力と人生への深い愛情にあふれた、フェアリー・テイルの傑作です。 (裏表紙より)
童話や民話のようなフェアリー・テイル7編が収録された短篇集。
作者メアリ・ド・モーガンは、友人だったウィリアム・モリスやバーン・ジョーンズの子供らに自分の創作した物語を話して聞かせるのが得意だったそうで、この本に収められているような物語の数々だったら、私も作者本人からもっといろいろ話して聞かせてほしいと思っちゃうなあ。
舞台となる国も時代も定められていない話ばかりですが、19世紀イギリスの風潮がちらりと窺える(ように思われる)話もあります。「池と木」がそれで、荒れはてた広野の真ん中に一本の木と、その根元に小さな池があり、木と池はお互いを愛しく思いあっていました。しかし、珍しい花や植物を探しにやってきた旅人たちが、たいへん珍しい木だというので、その木を根ごと掘りおこして、遠くの庭園に植えるために持っていってしまいます。木と離れ離れになってしまった池は嘆き悲しみ……というお話なのですが、17〜18世紀頃からヨーロッパには世界のあちこちへ出かけていって珍しい植物を探して持って帰ってくるプラントハンターという人たちがいて、特にヴィクトリア朝の大英帝国で盛んだったようなんですよね。「池と木」にはそんな背景があるのかなー、なんて、ちょっと穿ちすぎか。
* Tag : 短編集
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