* Caramel Tea *

Reading Diary

2007. 09. 16

『新アラビア夜話』 スティーヴンスン

Amazon.co.jp で詳細を見るNew Arabian Nights (1882)
ロバート・ルイス・スティーヴンスン / 南條竹則・坂本あおい 訳 / 光文社古典新訳文庫
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理由なき自殺願望者が集うロンドンの夜。クリームタルトを持った若者に導かれ、「自殺クラブ」に乗り込んだボヘミアの王子フロリゼルが見たのは、奇怪な死のゲームだった。美しい「ラージャのダイヤモンド」をめぐる冒険譚を含む、世にも不思議な七つの物語集。 (裏表紙より)

「自殺クラブ」についての短編3作と「ラージャのダイヤモンド」についての短編4作が収録された、連作短篇集。両方とも犯罪がらみの冒険譚で、さほど捻ってあったり手が込んでいたりするわけではないのですが、ところどころブラックユーモアも効いており、ワクワクしながら読めて楽しかったです。
「新アラビアンナイト」という題名がついているのは、「英国の首都をアラビアの都バグダットに見立て、お忍びで夜の冒険を求めるフロリゼル王子とジェラルディーン大佐を教主(カリフ)ハルン・アル・ラシッドと腹心の大宰相になぞらえる趣向」(解説より)だからだそうで、実際にアラビアが出てくるわけではありません。19世紀後半のロンドンとパリが舞台です。また、フロリゼル王子が主人公格なのも最初と最後の話だけで、あとは短篇ごとに主人公が変わり、その主人公たちが冒険に巻き込まれ、そこにフロリゼル王子が顔を見せる……という形式になっています。
で、この神出鬼没で、気品高く温和、美形で才芸並びなきボヘミアのフロリゼル王子。皇太子なのにずーっと他国で秘密の冒険ばかりしていて大丈夫なのかな、と思っていたら、エピローグで「(ちょっと結末バレ→)のちに、長らく国を留守にして公務を怠っていたので、国民に革命を起こされ王座を追われてしまった」ということになっていて、うん、まあ、納得……(笑)
そして、王子の献身的で忠実な側近のジェラルディーン大佐。後半は出番がないのが残念なのと、2〜3話であまりといえばあまりに悲惨なことになるのが気の毒すぎた……。


この本、以前福武文庫から出ていた 『自殺クラブ』 と収録作はまったく同じなのかな?
スティーヴンスンと言うとやはり 『ジキル博士とハイド氏』 や 『宝島』 が有名ですが、岩波文庫の 『バラントレーの若殿』 もおもしろかったです。化け物じみた兄と苦労人な弟の凄まじい確執の物語。『箱ちがい』 というのもおもしろそうだから、読んでみようかなー。

2007.09.16 00:21 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

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