2007. 06. 05
『停まった足音』 A・フィールディング
The Footsteps That Stopped (1926)A・フィールディング / 岩佐薫子 訳 / 論創社
論創海外ミステリ52
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タンジ夫人という三十五歳の女性が、自宅の一室で心臓を銃弾で撃ち抜かれて死んでいるのが発見された。傍らには彼女の指紋のついたリボルバーが落ちており、争った形跡はない。自殺か事故か、それとも殺人か。屋敷のメイドは、事件直前に庭を歩いていたタンジ夫人の背後で不審な足音がしたと言う。金に困っている夫のタンジ、コンパニオンのミス・ソーンダーズ、前夫の従兄弟ヴァードンなど、怪しげな行動を取る周囲の人々。スコットランド・ヤードのポインター主任警部、地元の警察署長のハヴィランド警視、保険会社から依頼を受けた有名新聞記者ウィルモットの三人が事件の調査に当たるが…。
イギリスの女性作家の作品。
あまり期待せずに読んだのだけど、これはびっくりした。犯人の意外性がすごい。実は「この人が犯人だったらおもしろいのになあ」と思いつつ読んでいたものの、まさかその通りだったとはね。(犯人の動機に関しては、もっと早い時点で提示することができたし、また、そうしたほうがよかったんじゃないかと思う)
しかし、物語処理があまりうまくないように思えます。話を作りすぎているせいでごちゃごちゃしているし、事件関係者たちがなぜ不審な行動を取ったのかという理由の数々も無理にこじつけたように感じられる。あと、「偶然」の要素も多用しすぎ。
探偵役のポインター警部は、基本的には地道な捜査をこなす地味な存在ですが、事件解決のためには不法侵入や詐欺まがいの行為などどんな手でも使ったり(登場人物のひとりに「やつが証拠をつかむためにとる手段ときたら、どんな犯罪者よりも悪辣だ」とまで言われている)、北アフリカの長老から大変高価な「グル・ナッツ」を彼の助力のささやかな礼としてもらったという妙な過去があったりと、一風変わった人物でもあります。で、「グル・ナッツ」って何?
* Tag : 論創海外ミステリ
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