* Caramel Tea *

Reading Diary

2007. 05. 07

『ぼく、デイヴィッド』 エリナー・ポーター

Amazon.co.jp で詳細を見るJust David (1916)
エリナー・ポーター / 中村妙子 訳 / 岩波少年文庫
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大切な父親をうしなったデイヴィッドは、名字すらわからないまま農家のホリー夫妻に引き取られます。あらゆる感動をヴァイオリンで奏でる、無邪気な謎の少年は、やがて周りの人たちにとって、かけがえのない存在となっていきます。 (裏表紙より)

著者名に見覚えがあって手にとってみた本。はい、その通り、『少女パレアナ(ポリアンナ)』 のエレナ・ポーターの作品でした。
純真で無邪気な孤児が周囲の大人たちの頑なな心をときほぐしていく……というあらすじは、パレアナと一緒(怪我/病気になって町中の人たちに大いに心配されるところも同じ)。パレアナの場合は「よかった探し」が癒しアイテムでしたが、デイヴィッドの場合は即興で奏でるヴァイオリン。しかしパレアナの上を行くのが、変わり者の父親によって山の上の一軒家で美しいもの以外には触れさせずに育てられてきた「純粋培養」なところで、そのため無垢さ・無邪気さは半端じゃありません。パレアナにはなんとかついていけた私も、デイヴィッドは無理だった…。私のついていける限度を軽々と超えてました。何度「ケッ」と思ったことか…。(もっとも、この物語の主旨はデイヴィッド本人ではなくて、彼に癒され、これまでとは違う世界の見方を教えてもらう登場人物の大人たち(=読者)にあるのではないかと思えてしまうほど、デイヴィッドは作り物めいていてわざとらしく、苛立たしさなどの読者のネガティヴな感情を喚起するほどのキャラクターの力はありません)
あと、若い男女のロマンス話が登場し、例にもれずデイヴィッドがその仲を取り持つんですが、男のほうがへタレすぎる…。

2007.05.07 23:35 | Comments(0) | Trackback(0) | YA&児童書

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