* Caramel Tea *

Reading Diary

2007. 02. 28

『鼻のある男―イギリス女流作家怪奇小説選』

Amazon.co.jp で詳細を見る梅田正彦 訳 / 鳥影社 2006-12
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ローダ・ブロートン 「鼻のある男」
イーディス・ネズビット 「すみれ色の車」
ルイザ・ボールドウィン 「このホテルには居られない」
D・K・ブロスター 「超能力」
ヘンリエッタ・D・エヴェレット 「赤いブラインド」
アミーリア・エドワーズ 「第三の窯」
キャサリン・ウェルズ 「幽霊」
メイ・シンクレア 「仲介者」

19世紀後半から20世紀前半のイギリス女性作家8人の怪奇小説アンソロジー。
強く印象に残ったのは、なんといっても、メイ・シンクレアの中篇「仲介者」。ネグレクトの話と幽霊譚が巧みに組み合わされた秀作。激しい気性の持ち主であることから、それを疎んだ夫の精神的暴力に苦しめられることとなり、その鬱積した感情を幼い我が子に向けるようになる女性の歪んだ心理を、著者は見事に描き出しています。そんな母親の哀れさ(もちろん幼児虐待はどんな場合でも許されないことですが)、一途に母の愛情を求める子供の哀れさに強く胸を打たれました。これこそ現代にも通じる作品だと思いますが、1932年にこんな話が書かれていたんですねえ…。
他の作品は、怪異現象や幽霊の正体や由来をあまりはっきりと書かない、どちらかといえば曖昧な話が多いかな。

あと、イギリス怪奇小説史における女性作家たち、そして「ゴシック・ロマンス」から19世紀半ばの「怪奇小説」への移り変わり、両者の違いについて述べられている巻末の訳者解説は、参考になります。

* Tag : 短編集  

2007.02.28 23:32 | Comments(0) | Trackback(0) | 怪奇小説&ホラー

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