2005. 08. 29
『黒い蘭の追憶』
Black for Remembrance (1991)カーリーン・トンプスン / 田邊亜木 訳 / ハヤカワ・ポケットミステリ
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キャロラインの5歳の娘ヘイリーが誘拐され、惨殺体で発見された。犯人が捕まることなく19年の歳月が過ぎ、キャロラインはつらい記憶を抱え込んだまま、新しく幸せな家庭を築いていた。しかし、ヘイリーが生きていれば24歳になる誕生日、どこからともなくヘイリーの声が聞こえてきたのをきっかけに、キャロラインの周囲に死んだはずのヘイリーの影が見え隠れするようになる。さらに、19年前の事件の関係者たちが次々と惨殺され、そのあとには「ヘイリーへ 思い出の色は黒」というメッセージの添えられた黒い蘭の花束が…。
これはおもしろかった!
ここ数年で読んだ海外の現代女性作家によるサスペンス小説のなかでは、いちばんと言っていいほどの出来です。他のサスペンス小説は「物語の雰囲気は素晴らしい、でもミステリの部分があっけない」という作品が多い中、これは途中の雰囲気・サスペンス度ともに文句なしなうえに、事件の真相の意外性・衝撃度もバッチリ。これでデビュー作だって言うんだから、すごいな〜。
それに、注意深い読者なら真相に気付く程度の伏線が張ってあって(私は怪しいと思いつつ、見抜けなかった…)、「本格推理」の要素も入っています。ちょっとずるいな、と思う箇所もあるけど。(ついでに、キャロライン一家の絵に描いたようなアメリカの幸せな家庭ぶりや、前夫クリスのセクシー中年ぶりの描写がずい分とわざとらしくてぎこちないのだけど、まあこれは、デビュー作のご愛嬌ってところでしょうか…)
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