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Reading Diary

2010年03月の記事一覧

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2010. 03. 28

『消えた王子』


The Lost Prince (1915)
フランシス・ホジソン・バーネット / 中村妙子 訳 / 岩波少年文庫 2010-02
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ヨーロッパの小国サマヴィアでは、500年前に跡継ぎのイヴォール王子が行方不明になって以来、国内での権力争いや侵略を狙う周囲の大国とのいざこざといった流血沙汰が絶えず、国民たちは“消えた王子”が戻ってきて国を救ってくれることを待ち焦がれていた。サマヴィアの自由と平和を勝ち取るための秘密組織の活動を続ける父親ステファン・ロリスタンとともに、ヨーロッパ各地を転々としてきた少年マルコは、まだ見ぬ祖国サマヴィアのため、父親から日々訓練を受けていた。ある日、マルコはロンドンの下町で足の不自由な少年ラットと出会う。やがてマルコとラットは、ステファンから秘密組織の重要任務を任されることになる……。

『小公女』 や 『秘密の花園』 でおなじみ、バーネットの作品です。
バーネットはこんな少年の冒険小説も書いていたんですね。これも、ルリタニアもののひとつと言えるのかしらん?

立派な王子さまが立派な王様になれた…とは限らないよな、とか。
第一次世界大戦が起きるか起きないかって時代に、一人の指導者によって国が救われると期待するなんて楽観的すぎないか? とか。
そもそも、王子の父親が愚君だったことを考えると、王子の血をひいていればいいってもんじゃないよな(しかも500年も経っている)、とか。

たぶん、そういったことはあまり考えないほうがいいのだと思う。物語の趣旨を読み逃すから。
マルコとラットの、ヨーロッパ各地をめぐる任務の旅の冒険を楽しみ、
ステファンとの父子の強い絆や、祖国の自由と平和への強い願いに胸をジーンとさせる。
実際、よく出来た少年の冒険・成長物語なのです、この作品は。

……しかし、ひねくれた大人である私は、やっぱり上のようなことを考えずにはいられず、素直に読めないんだよなあ。
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2010.03.28 23:08 | Comments(1) | Trackback(0) | 海外文学-20世紀前半

2010. 03. 17

『死の匂い』

Tu vas mourir! (1953)
カトリーヌ・アルレー / 望月芳郎 訳 / 創元推理文庫
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大富豪の一人娘ステラは美貌にも恵まれ、奔放な生活を送っていた。だがある日、病に倒れた父を奇跡的に救った青年医師に心ひかれ、結婚することになる。まじめな医学者と虚飾に満ちたステラ。二人の夫婦生活には、初めから不吉な死の匂いがただよっていた……! 名作『わらの女』の作者が、戦慄すべき境遇に陥った悪女をサディスティックな筆致で描く、記念すべき死処女長編。 (裏表紙より)

これが、アルレーの最初の作品なんですね。
アルレー、読むのは3冊目だけど、とってもおもしろい。
フランス産のミステリ/サスペンスって独特の雰囲気があって、ちょっと読みにくかったりするんだけれども、アルレーの作品は読みやすい。比較的短く、緊張感があってスピーディーに話が展開されていくので、最後まで一気に読んでしまう。

この作品の主人公ステラは、「悪女」というよりも「悪妻」、度を越して自己中心的なわがまま妻。
ちょっと乱暴なくくり方をしてしまうと、通常のカップルだったら「私と仕事、どっちが大事なの?!」となる話。しかし、この主人公は、正面切って夫に返事を迫ったりしない。夫を仕事から遠ざけて、自分の傍に置いておくために、どんなことでもやってのける。仕事に没頭していた男から仕事を取り上げて、生きがいがなくなってしまったような男に結婚前のような魅力を感じられるのだろうか(しかも「仕事をさせてくれ」と四六時中責められ続ける状態ですよ)、と私なんぞは思ってしまうのだけど、この主人公の異常な支配欲の前ではそんなことは問題ではないようだ。
結局、夫のスペンサーもやることが普通ではないのだけれど、すべてステラが招いたことなので、まったく同情する気になれないのだった。

ところで、中風って、「冬至にカボチャを食べると中風にならない」とは聞くけれども、実際にどういった病気かというとピンとこないな。

2010.03.17 19:01 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2010. 03. 06

2月に読んだ本

今月も、2月に読んだ本のまとめでお茶を濁すことにしておきましょう……。
ひとこと感想は、Twitterから引っ張ってきて補足したものです。


黒いチューリップ (創元推理文庫)
La Tulipe noire (1850)
アレクサンドル・デュマ / 東京創元社

17世紀のオランダで、黒いチューリップの栽培に心血をそそぐ青年が政治のゴタゴタに巻き込まれ、投獄されてしまう話。語り口はさすがにうまいが、ストーリーはあまりおもしろくなかった。何より主人公がチューリップ馬鹿すぎて、処刑でもなんでもされて、熱愛するチューリップの肥やしにでもなってしまえ!と思ってしまう。
そういえば、かなーり前にアラン・ドロン主演の「黒いチューリップ」という映画を観たことがあるが、こちらはフランス革命直前の覆面の怪盗(義賊)の話で、デュマの小説とはまったく関係ない。今となってはうろ覚えだけど、終盤あたりの展開に「それでいいのか?」と唖然とした覚えがあります。


抱擁
辻原登 / 新潮社 2009-12

二・二六事件の直後、前田侯爵家の豪奢な洋館に、幼いお嬢様の小間使いとして奉公に上がった18歳の「わたし」が、幽霊にまつわる不思議な体験を語る。初めて読む作家さんだけど、ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』を意識して書かれた作品だと聞いて、興味を持って読んでみた。話の進め方はほぼ同じなのだけど、終盤あたりになると、ガラリと温度が違ってくる。個人的には『ねじの回転』の結末の冷たさが印象的だったので、そういう方向へ行ってしまったのはちょっと残念だった。


鉛を呑まされた男 ニコラ警視の事件2 (ランダムハウス講談社文庫)
L'homme au ventre de plomb (2000)
ジャン=フランソワ・パロ著 / ランダムハウス講談社 2009-08

ミステリー部分は正直言ってあまりおもしろいと思えないのだが、ルイ15世の時代のパリの風俗描写が楽しくて読んでいるシリーズの2作目。


目は嘘をつく (ミステリアス・プレス文庫)
Trick of the Eye (1992)
ジェイン・スタントン・ヒッチコック / 早川書房 1994-06

騙し絵装飾家の女主人公は、美術品収集家として名高い大富豪の老婦人から、豪邸の舞踏室の改装を頼まれる。その舞踏室で社交界デビューしたという老婦人の一人娘は、15年前の夜、屋敷内で何者かによって殺されていた……。ゴシック・サスペンスのキモはしっかりと押さえながらも、どこかズレたまま話が進んでいき、終盤あたりは思わず笑ってしまった。何気なく手にとってみた本だけど、いい拾い物したって感じで、おもしろかった。


ブレイスブリッジ邸 (岩波文庫)
Bracebridge Hall (1822, 1877)
ワシントン・アーヴィング / 岩波文庫 2009-11

19世紀初期あたりのイギリスの田園地方。地主の屋敷・ブレイスブリッジ邸での結婚式に招かれた語り手が、地主の家族や周囲の人々、招待客、屋敷での暮らしや出来事、それに近隣の村の人々の様子を描く。挿絵が随所にあるので、情景がわかりやすかった。


グランド・ブルテーシュ奇譚 (光文社古典新訳文庫)
オノレ・ド・バルザック / 光文社 2009-09

短篇集。人妻と年下の男の恋愛が軸となっている話ばかりで、そういうのが苦手だから、19世紀フランス文学は読まなくなっちゃったんだよな……。そんな私には表題作がいちばん理解しやすい、というのは、(話の内容を考えると)なんだかちょっと妙なことではある。


ソードハンド―闇の血族 (YA Dark)
My Sword Hand is Singing (2006)
マーカス・セジウィック / あかね書房 2009-3

17世紀初頭のルーマニアが舞台。吸血鬼もの(と言ってもゾンビ系統だけど)のホラー小説。

* Tag : 歴史/時代もの  

2010.03.06 18:41 | Comments(2) | Trackback(0) | その他の話題・雑記

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
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