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Reading Diary

2009年06月の記事一覧

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2009. 06. 28

『二つの薔薇』 スティーヴンソン

The Black Arrow: A Tale of the Two Roses (1888)
スティヴンソン / 中村徳三郎 訳 / 岩波文庫
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ヘンリー6世の治世。両親を早くに亡くしたディック(リチャード・シェルトン)は、「濠の館」の騎士サー・ダニエル・ブラックリィの後見のもとで成長したが、サー・ダニエルはディックの父を殺したのだと噂されていた。やがて、その噂が本当だと知ったディックは、濠の館から抜け出し、サー・ダニエルと敵対して森に潜む一味(黒い矢がトレードマークで、原題はここから来ている)と行動をともにすることになる。

薔薇戦争を背景とした冒険小説。とはいえ、やがてディックはグロスター公リチャード(のちのリチャード3世)とともに戦い、武勲を立てることになるのだけれど、戦いに嫌気がさしてそれまでの名声を投げ出し、愛する女性と森のなかで静かに暮らすことを選ぶというのは、通常の騎士の成長物語とはいささか趣きが異なるように思えます。(ただまあ、著者スティーヴンソンとしても、その後のリチャードの暗い運命に、主人公を伴わせるわけにもいかなかったんだろうなあ……という気もする)

また、ロマンス面もちょっと風変わりな展開。
サー・ダニエルは、多額の財産を相続する令嬢ジョアナ・セドリィを、財産狙いでディックの婚約者に決める。しかし、彼女の後見人が他の男に嫁がせようとしたため、サー・ダニエルはジョアナを誘拐してきて、男の子の格好をさせる。サー・ダニエルのもとから逃げ出した男装のジョアナを、気のいいディックは成り行きから安全な場所まで連れて行ってあげることになる……相手を少年ジョンだと思い込み、実は女の子だとはまったく気づかないまま。一方、ディックが自分の婚約者であることを知っているジョアナは、「女に興味はない」と言うディックに、「でも、あなた結婚するそうじゃありませんか」などとかまを掛けてみたりする。この辺り、鈍い主人公と男装少女のラブコメ的展開で、読んでてニヤニヤしっぱなしでした(笑)
ジョアナは思ったことをディックにずけずけと言うし、ディックはそんなジョアナを生意気だと思って殴ろうとしたりする。しかし、森の中での逃避行を続け、いくつかの危機を一緒に乗り越えるうちに、お互いの強いところも弱いところも知ると同時に、ディックはジョアナを守ってやりたいと思うし、ジョアナはディックの優しさを知る。結局二人はサー・ダニエルのもとに連れ戻されてしまい、そこでディックはやっとジョアナが女性であることに気づき、二人はお互いへの愛を打ち明けあうのですが(ここでの二人の会話がこれまたニヤニヤもの(笑))、これまでの過程があるからこそ、人間同士としての絆の上に築かれたこの二人の男女の愛がごくごく自然で強固なものに感じられる。ここまでロマンスへの導入がなめらかで納得のいく小説ってなかなかなくって、スティーヴンソンさん巧いなあ~、と思いました。

1950年の翻訳で、古い漢字が多用されていて読みづらく、最初のうちは、どんな話なのかいまいちよく把握できないほどでした。
とにかく、ディックとジョアナの微笑ましい恋愛にニヤニヤしまくりだったので、古い訳なのも「品切重版未定」状態なのももったいない。新訳で出してくれないかなあー。
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2009.06.28 23:42 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2009. 06. 04

空更新

うわわわ、一ヶ月更新をさぼっていたせいで、ブログの先頭に広告が表示されるようになってしまいました。
それを消すために、とりあえず更新してみる。

10日ほど前からTwitterを始めました。サイドバーに表示してあります。
ブログよりも、ちょこちょこと更新しやすいかなあ、と思って。
でも、すでに滞りがちになってるかも(笑)。

2009.06.04 22:31 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
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