* Caramel Tea *

Reading Diary

2008年11月の記事一覧

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2008. 11. 30

7周年

読んだ本の感想を書き始めてから、この11月でちょうど7年になります(そのうち約4年はブログ主体)。
元々は、全く別のジャンルのサイトの片隅でコソコソと始めたものだったんですが、今ではこちらがサイトのメインになってしまいました。
かなりいい加減な更新ぶりとはいえ、7年も続けられたことに我ながらビックリです。

で、その記念というほどでもありませんが、サイトをリニューアルしてみました。前のデザインにも飽きたので(笑)。
http://www012.upp.so-net.ne.jp/carameltea/book/
夏になったらちょっと暑苦しそうなデザインだけど、また飽きるまでこれで行きます(笑)。
本当はもっと早く変えたかったのですが(だって11月ももう最終日だよ…)、IE以外のブラウザでも崩れないように調節したりしていたら、遅くなってしまいました……。
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2008.11.30 19:00 | Comments(2) | Trackback(0) | 未分類

2008. 11. 29

『ざくろの実―アメリカ女流作家怪奇小説選』

イーデス・ウォートン 他 / 梅田正彦 訳 / 鳥影社
2008-06
[ Amazon ]

19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したアメリカの女性作家8人による怪奇小説アンソロジー。表題作「ざくろの実」は、イーディス・ウォートンの短篇集 『幽霊』→感想) で読んだ「柘榴の種」と同じ作品です。

いちばん印象的だったのは、シャーロット・パーキンズ・ギルマン「揺り椅子」。そう、あの「黄色い壁紙」の著者です。
窓辺の揺り椅子に座る金髪の少女に魅せられた青年二人は、その家の貸間を借りる。しかし、家の中では、少女の気配はすれども姿は見えず……。この世のものならぬ女性の虜となった男性の話なんだけど、それだけではなく、その少女の存在によって、固い絆で結ばれていたはずの親友の仲にあっけなく亀裂が入る……というところがなんとも言えない。結末にも背筋が凍る思いでした。
(しかし、最初、読み始めたときには、この親友ふたりの関係に「???」でした。だって、「赤ん坊の時から、おれたち二人は結ばれていた」とか「愛を自然に保持できた」とか書いてあるんだもの。え、そういう仲なの?って(部屋は別々だとはいえ一緒に住んでるし)。いや、でも、その後の展開を読むと、同性愛ではなくて純粋な友情なんだよね……? しかし、もし同性愛だったと考えると、その二人の仲を壊した少女の存在が余計怖くて……)
この話は、アマゾンの「なか見!検索」で前半部分だけ読めます。

あと、ゾナ・ゲイル「新婚の池」。妻を殺したと言う男の話。超自然的な恐怖ではなくて、長すぎた結婚生活に疲れきった夫の心情に、ぞぞーっとさせられました。


いつもイギリスの女性作家ばかり読んでいますが、この本と同じくらいの年代のアメリカの作家も読んでみたいなあと最近思っています。ウォートン以外はあまり日本に紹介されていないような気がするけど、ウィラ・キャザーとかエレン・グラスゴーとか、長編が翻訳されているみたいなので。

2008.11.29 07:36 | Comments(0) | Trackback(0) | 怪奇小説&ホラー

2008. 11. 25

My salad days

デパ地下の野菜売場では、ちょっと珍しい野菜がお値打ち価格(100円くらい)で買えます。
ちょっと前に買ってきたのは、「わさび菜」。サラダ用の生野菜ですが、さほど辛くはなかった。
そして先週末に買ってきたのは、「グリーン・マスタード」。同じく生で食べられる葉ものですが、これはかなり辛かったです。ピリッとする。
一緒に買ってきたローストビーフの切り落としとサラダにしたら、味がちょうどよく合いました。

サラダと言えば、英語に "salad days"(サラダ・デイズ:青春時代のこと) という言い回しがありますが、これはシェイクスピアの戯曲から来ているそうです。
で、私が今読んでいるのがこちら。(話のつなげ方が強引すぎますか、そうですか)

リア王 (新潮文庫)
シェイクスピア / 福田恒存 訳 / 新潮社
あまりの罵詈雑言の羅列にビックリです。
罵り言葉って、こんなにバリエーションがあるんだぁ(笑)。

ついでに、雑誌「サライ」の最新号の特集は、「シェイクスピア入門」なんですねー。

サライ 2008年 12/4号 [雑誌]

2008.11.25 23:53 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

2008. 11. 20

『目には目を』 カトリーヌ・アルレー

Le Talion (1960)
カトリーヌ・アルレー / 安堂信也 訳 / 創元推理文庫
[ Amazon ]

破産寸前の青年実業家、若く美しいその妻、彼女に恋する中年の資産家とオールドミスの姉。四人の男女の頭の中にはそれぞれの思惑があり、それが運命の糸のようにからみあって破局へ突き進んで行く。目には目を、歯には歯を――復讐を許すタリオンの掟は、この死のカルテットにいかなる結末を与えるのか? 名作『わらの女』の作者が悪女物の頂点をきわめた、第一級のサスペンス! (裏表紙より)

男女四人の独白という形で、話が進んでいきます。
途中でおおよそ先の見当はついてしまうのだけれど、それでも緊張感たっぷりに、スピーディーに展開される話から目が離せず、短いこともあって(230ページ)、一気に読んでしまいました。そして、「命には命を」が二重の意味になってたち現れてくる、あざやかな結末。
アガット(青年実業家の若く美しい妻)とマルト(資産家の姉である女医)、この全く違うタイプの二人の女性の、対照的な書き方がとてもいい。独白の口調できっちり訳し分けられているのだけど、原文ではどのように書き分けられているのかなあ。

ところで、題名となっているハンムラビ法典の「目には目を、歯には歯を」。もともとは、過剰な報復を防ぐためのものなんですよね。「目をやられたら、目をやりかえすだけでやめておけ。全身打撲まで負わせるのはやりすぎだ」という。現代では「やられたらやり返してやる」という好戦的な意味で使われることがほとんどで、見るたびに複雑な気持ちになります。そういう誤解は、対象物の背景となっている文化(この場合は古代パビロニア)への誤解にも繋がりかねないから。(もっとも、私も意味を誤解して使っている言葉がありそうで、ヒヤヒヤものですが)

2008.11.20 23:29 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2008. 11. 17

マキリップ近刊

東京創元社のメルマガの「近刊案内(2009年1月以降の刊行予定分)」より

【創元推理文庫】(ファンタジー)
『茨文字の魔法』 パトリシア・A・マキリップ著/原島文世訳
謎の茨文字で綴られた魔法の本はレイン十二邦に何をもたらすのか。

原書は、"Alphabet Of Thorn" でしょうか。
創元からちゃくちゃくと出ますねー、マキリップ。このペースで翻訳が続いてくれると、すっごく嬉しいのですが。
(あー、でも、夏に出たマキリップの短篇集、まだ読んでなかったんだった……。この前出たD・W・ジョーンズの文庫本も買っただけで、積読本行きになりそうな気配……)

他には、『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』 も楽しみ。以前角川ホラー文庫から出ていたのを読もうと思いつつ、読みそびれていたので。

* Tag : パトリシア・A・マキリップ  

2008.11.17 18:20 | Comments(0) | Trackback(0) | 気になる新刊・近刊

2008. 11. 16

『黒十字サナトリウム』 中里友香

中里友香 / 徳間書店 (2008-09)
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黒十字サナトリウムは患者様の性別、年齢、人種、また資産や社会的地位など一切を問いません。けれども一つだけ共通点がございます。此処にいる方は、どなたも御自分を吸血鬼のたぐい、異形の存在だと思い込んでいらっしゃるのでした……。
ある朝、目が覚めて自分が狂っていることに気づいた梶原章吾教授は、知人の医師を殺害し、北へ向かった。結核患者である凪雲龍司は美貌の伯爵夫人に魅せられ、眠りとは違う圧倒的な底へと沈みこんだ。ミシィカとレイナ、双子の兄妹は易出血症と虐待に悩み、母と主治医を殺害。その家はいつしか『吸血鬼屋敷』と呼ばれるようになった。そんな彼らが集う、黒十字サナトリウム。復活祭の日、何かが起こる――。第9回日本SF新人賞を受賞した、流麗かつ壮大な幻想譚。 (カバー折込より)

いくつかの話が連なってひとつの物語になっており、前半で20世紀初頭の日本が登場する他は、19世紀半ばから20世紀にかけてのロシア・東欧が舞台。吸血鬼にキリスト教、民間伝承などが絡めて語られ、おもしろかった(ただ、結構長い話で、途中で少々気が逸れかけたけど……)。オチも、ちゃんと理解できているかちょっと怪しいけれど、印象に強く残り、効果的で良かったです。(冒頭の引用文を見た時点で、アレが出てくるのは予想できたので、どのように絡んでくるんだろうと思いつつ読んでました。あの話って、日本ではどれくらい知名度があるんだろう? 結構有名な話?)
私は、美形の双子兄妹ミシィカとレイナのパートのノリ(耽美というか、どことなく背徳的というか、昔の少女マンガ風というか)がちょっと苦手で、梶原教授と凪雲青年、それにナースドリーの話のほうが好みでした。でも、この3人はそれぞれの過去話が終わると影が薄くなっちゃって……メインはミシィカとレイナで、著者もこの双子は特に思い入れたっぷりで書いたんだろうなー、って感じがします。
ひとつの命題について登場人物たちが何ページにもわたって対話している場面が何箇所かあって、そのあたりはドイツやロシアの昔の小説を意識しているのかなあ、なんて思いました。

2008.11.16 22:39 | Comments(0) | Trackback(0) | 国内作品

2008. 11. 13

『みずうみ』 シュトルム

Immensee (1849)
テオドール・シュトルム / 高橋義孝 訳 / 新潮文庫
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故郷を離れている間に友人と結婚した恋人に、美しい湖のほとりで再会したラインハルトは、過ぎ去った青春が戻らないことを知って去ってゆく――若き日の恋人に寄せるはかない老人の思いを綴る『みずうみ』。併録の『ヴェローニカ』は、死の予感のはしる美しい人妻の痛ましい恋を、『大学時代』は、貧しい美貌の少女の可憐な反逆を描く。いずれも詩情あふれる美しい恋物語である。 (裏表紙より)

19世紀の北ドイツの作家シュトルムの短い小説3篇。

表題作の 『みずうみ』 は、風景画のような、静かで美しい作品。他の作品もそうだけど、場面場面の選び方がとても印象的で、読んでいてその情景が頭の中に浮かんでくるようだ。3篇のなかでは、唯一これが好き。

『ヴェローニカ』 は、町の名士の美しい若妻ヴェローニカが夫の従弟である青年とのはかない恋に悩み、旧教(カトリック)である彼女は復活祭前の教会でそれを懺悔しようとするが、そうすることが出来ずに飛び出してしまう。
次に読みはじめた本(『黒十字~』)に復活祭について説明する文章があって(キリストの復活はキリスト教の根本となるものであり、それを祝う復活祭には聖体拝領を受けるが、その前に魂を清めるために告解(懺悔)をしなければならない)、懺悔をしなかったヴェローニカの置かれた立場の深刻さがちょっとだけ深く理解できたように思えました。

『大学時代』 は、裏表紙の内容紹介文には「可憐な反逆」とありますが、それから連想するような話とはかなり違っていました。どちらかと言えば、「悲劇」のような……。もっとも、現代の感覚から見れば、なぜ「悲劇」で終わらなくてはいけなかったのか、ちょっとよくわからない気もしますが。

2008.11.13 23:51 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2008. 11. 10

海外ミステリ2冊

先週読んだミステリ2つ。
作品の出来不出来は別にして、あまり私の好みじゃありませんでした。なんだか最近ちょっとへそ曲がり気分に突入しているので、そのせいで点が辛くなってしまっているかも。
両方ともちょっと腑に落ちない点があったので、反転して書いておきます。

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ライノクス殺人事件 (創元推理文庫)
Rynox (1930)
フィリップ・マクドナルド / 霜島義明 訳 / 東京創元社
2008-03

F・X・ベネディックとS・H・リックワース、F・Xの息子アンソニーの三人が社主を務めるライノクス無限責任会社。経営はピンチだがこの急場を凌げば楽になる、という大事なときにとんでもないことが起こった。F・Xに積年の恨みを抱くマーシュという男が、ついに決着を迫ったのだ……ゲーム性に富み稚気あふれる作風で名を馳せる著者ならでは、結末で始まり発端に終わる、実験的手法の得がたい収穫。

刊行時(1930年)の読者にとってどうだったかは置いておいて、現代の読者の目から見て、の話。
【以下、ネタバレにつき反転】
結末(エピローグ)が冒頭に置いてあるという一風変わった仕掛けなんですが、そこで保険会社の存在を出しているせいで、保険金詐欺というネタがかなりわかりやすくなってしまっています。なんでまたこんな構成にしたのか。
それと、最後の手紙。あれはどう見ても作中人物に向けられたものではなく、読者に向けられて書かれたもので、不自然に思えてしまいます。それに読者に対しても、説明しすぎなのでは。もちろん説明しておいてもらわないと困る部分もありますが、真相を知ったうえで読み返してみれば読者自身で理解できる部分も多いし。一から十まで説明してしまうのではなく、そういう余地を残しておいてもらいたいなあ。


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野獣死すべし (ハヤカワ・ミステリ文庫)
The Beast Must Die (1938)
ニコラス・ブレイク / 永井淳 訳 / 早川書房
1976-04

探偵作家フィリクス・レインは、最愛の一人息子を暴走する自動車に引き逃げされた。再三の調査にもかかわらず自動車の行方は知れず、六カ月がむなしく過ぎた。怒りを抑えきれない彼は、ひとり見えざる犯人に復讐を誓った! 英国の桂冠詩人セシル・D・ルイスがブレイクの筆名で綴った、香気あふれる本格傑作。

先日、詩人と探偵小説作家の二足のわらじとしてニコラス・ブレイクの名を挙げましたが、実は未読だったので、いまさらながら読んでみた。
【以下、ネタばれにつき反転】
ひき逃げをした車に同乗しており、さらにそのことをずっと黙っていたリーナを、誰も問題視しないまま終わってしまうのが納得いかない。法的・社会的責任を問うことはできないとしても、息子をひき殺された父親からしてみれば、リーナは共犯者同然に見えそうなものだと思うんだけど。しかし、主人公はリーナを咎めるどころか、ひき逃げ犯に近づくための駒に使ったり、騙したりして申し訳なかったと思っている有様だ(ついでに、ひき逃げ犯候補の正体がわかる過程もあまりに偶然が過ぎると思う)。当のリーナも、露見を恐れる気持ちはあっても、罪の意識はなく「私は悪くない」と開き直っている始末で、なーんか気持ちが悪いなあ……。

2008.11.10 21:57 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2008. 11. 08

『とどめの一撃』 ユルスナール

Le Coup De Grace (1939)
マルグリット・ユルスナール / 岩崎力 訳 / 岩波文庫
[ Amazon ]

「エリック! なんて変ったんでしょう!」ともに少年期を過ごした館に帰り着いたエリック、コンラートのふたりを迎えたのはコンラートの姉ソフィーだった。第一次世界大戦とロシア革命の動乱期、バルト海沿岸地方の混乱を背景に3人の男女の愛と死のドラマが展開する。フランスの女流作家ユルスナール(1903-87)の傑作。 (表紙より)

第一次大戦直後、バルト海沿岸諸国での反ボルシェヴィキ闘争に身を投じたプロシャ人の青年エリックは、少年時代のひと夏を過ごしたラトヴィアの片田舎クラトヴィツェにやってきて、そのときの友人コンラートに再会する。戦闘地帯にある彼の屋敷は志願兵たちの兵舎として接収されていたが、そこではコンラートの姉ソフィーも暮らしていた。ソフィーはエリックを情熱的に愛し、狂おしく追い求めるのだが、エリックはそれに応えることができず……。

話はさほど好きではないけれど、人間ドラマ・心理劇を無駄なく的確に浮き彫りにする著者の技巧に感嘆させられる小説というのがときどきあります。この 『とどめの一撃』 もそのひとつ。
ストーリーだけ取り出せば劇的な愛憎ドラマになりそうだけど、なんか違うんだよね。もっと寒々と、ヒリリとしている。

非常にくわしい序文(という名の、「こう読め」という細かい指定)もついているので、わかりにくい話ではないと思う。
この小説で特におもしろいな、と思ったのは、「三人」のうちの一人であるコンラートの描写がソフィーに比べて圧倒的に少ないこと。そのためにかなり影が薄く感じられるのだけど、著者が序文で指摘しているように、コンラートが重要な人物ではないからではない。しかし、エリックのコンラートへの数少ない言及には彼の性格に対する苛立ちが目立つので、エリックはそんなコンラートの一体どこを愛しているんだろうとも思ってしまう。
エリックの愛を得られない絶望とあてつけに次々と別の男たちに身をまかせるソフィーの情熱も、私にはちょっと理解しがたいなあ……。

2008.11.08 10:48 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-20世紀前半

2008. 11. 03

『ジーヴスと封建精神 ウッドハウス・コレクション(9)』

Jeeves and the Feudal Spirit (1954)
P・G・ウッドハウス / 森村たまき 訳 / 国書刊行会
2008-09
[ Amazon ]

ダリア叔母さんからブリンクレイ・コートに呼ばれたバーティー。叔母さんは、資金難に陥った「ミレディス・ブドワール」をリヴァプールの新聞王L・G・トロッターに売りつけるべく、接待の真っ最中。バーティーの役目は、フローレンス・クレイに恋煩い中のトロッターの継子パーシー・ゴリンジの気を晴らすこと。一方、フローレンスと婚約中のスティルトン・チーズライトは、彼女とバーティーの仲を激しく疑っており……。

このシリーズのカップルたちは婚約したらさっさと結婚してしまったほうが世のため(って言うかバーティーのため)だ、と常々思っていたのですが、本作を読むと、そうとも限らなかったようだ。
この作品では、バーティーがレックス・ウェストなる架空の推理小説作家の『ピンクのザリガニの謎』に、ダリア叔母さんがアガサ・クリスティーに夢中になっているなど、探偵小説作家への言及がところどころに見られます。訳者あとがきによると、ウッドハウスは「人生後半の半世紀、年間150冊ペースでミステリーを読んでいた」そうで(!)、「この分野でのトップ5はクリスティー、スタウト、ナイオ・マーシュ、パトリシア・ウェントワース、シリル・ヘアーであるとの確固たる見解を持つに至ったという」。マーシュが入っているのが嬉しいな。しかし、レックス・ウェストの件では、私は詩人と探偵小説作家の二足のわらじということでニコラス・ブレイクを連想したのですが……(桂冠詩人とヘナヘナ詩人という大きな違いはあるけど)。

国書のジーヴスものはこれでいったん打ち止めなのかな、と思ったら、巻末の刊行リストに 『ジーヴスの帰還』 が追加されていますねー。
[追記] 文藝春秋のほうの4冊目は12月上旬に出るみたいです。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-16-327740-0&Sza_id=MM


「ジーヴス・シリーズ登場人物リスト」に本書の分を追加してあります。

* Tag : P・G・ウッドハウス  

2008.11.03 22:46 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-20世紀前半

2008. 11. 01

雑記

更新したいネタとか、感想書いておきたい読了本とか、たくさん溜まっているんですが、慢性のサボリ癖のせいでなかなか新しい記事が書けません。
この三連休、ちょっと頑張ってみようかな、と思っているんですが……さて、どうなることやら。

* * * * * * * * * *

イギリスの出版社Viragoのサイトに、サラ・ウォーターズの次回作の情報が載っています。
http://www.virago.co.uk/
題名は "The Little Stranger" で、2009年春に刊行予定。1940年代、地方にあるマナーハウスが舞台で、「a chilling ghost story」だそうです。

Amazon.co.uk ではもう予約できるようになっているんですが、そちらのページではもう少し詳しいあらすじが読めます。
http://www.amazon.co.uk/Little-Stranger-Sarah-Waters/dp/1844086011
ここでは、発売日が2009年6月4日になってますね。邦訳はいつになれば読めるんだろう。

The Little Stranger
Sarah Waters

(日本のアマゾンでも買えるようになりました)


サラ・ウォーターズと言えば、"Affinity(半身)" のドラマ版。イギリスでのテレビでの放送も、DVDの発売も延びまくっているみたいです。
アメリカ版のDVDだと、もう売ってるんですけどねえ。
http://www.amazon.com/Affinity-Domini-Blythe/dp/B0018O5WVO
ここで、その映像をちょこっとだけ観ることができます↓
http://jp.youtube.com/watch?v=uT1uWHOExgM
(投稿者はDVDの発売元みたい)

[ 追記 ]
やっとITVでの放送日が、12月28日に決まったみたいです。
ドラマの写真が表紙のペーパーバックも登場 →
ITVサイトでの番組ページはこちら
http://www.itv.com/Drama/perioddrama/Affinity/default.html

2008.11.01 23:26 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

2008. 11. 01

『ハウス・オブ・マジシャン』 メアリー・フーパー

At the House of the Magician (2007)
メアリー・フーパー / 中村浩美 訳 / 小学館ルルル文庫
2008-10
[ Amazon ]

明るく健気なルーシーは、酔っぱらいの父親から逃れるため田舎の村を出た。ロンドンを目指す途中、ひょんなことからエリザベス女王に仕える魔術師・ディー博士の館で子守りをすることに。不気味で不思議なものだらけの館も、好奇心旺盛なルーシーには刺激的! ある日、館にやってきた敬愛する女王をひと目見たくて秘密の部屋に隠れていると……。次第にルーシーは、女王を巡る陰謀に巻き込まれていく。 (裏表紙より)

ディー博士の屋敷でメイド兼子守りとして雇われた主人公ルーシーが「私ってば好奇心が強すぎて困りものよね」などといちいち言い訳しながらあちこち覗いてまわり、それを友人に全部話して聞かせ、また女王に対する関心もかなりミーハーなので、「エリザベス朝版 少女メイドは見た!」とかしょうもないことが頭に浮かんできちゃう……。
全体的にあっさりしていて、なーんか物足りない話でした。あくまでローティーン向けの範疇を出ていないというか。エリザベス女王をめぐる陰謀も単純なものだし、それに対するルーシーの関わり方もさほど深くないし(陰謀が表面に出てくるのは物語も終わり近くになってからだ)、ルーシーを始めとする登場人物たちもキャラがあまり立っていないし、何よりジョン・ディー博士の出番がロクにないうえにボンクラな人物として書かれているのがガッカリだ。あと、魔術師の屋敷が舞台の割には、ファンタジー要素がかなり薄い。
「エリザベス女王を巡る陰謀」とか「宮廷魔術師の屋敷」というフレーズに期待しすぎると肩透かしを喰らうけれど、でもまあ、ルーシーがラヴェンダースティックを作って市場で売るのとか、女王の謁見に行く場面とか、日常描写の部分は結構楽しめました。あと、万聖節の前夜(つまりハロウィン)の話が出てきてタイムリーだった。

いかにも続きがありそうな終わり方だなあ……と思って調べてみると、やはり続編(↓)が出ていました。(作者のサイトを見てみたら、シリーズ最後の3作目が来年出る予定らしい)

By Royal Command
Mary Hooper

* Tag : 歴史/時代もの  

2008.11.01 15:40 | Comments(0) | Trackback(0) | YA&児童書

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
[ 管理人 : Rie ]

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