* Caramel Tea *

Reading Diary

2008年10月の記事一覧

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2008. 10. 26

待ってました~ 「ジョナサン・ストレンジ」

Susanna Clarke "Jonathan Strange & Mr. Norrell" の翻訳本が来月出るみたいです。全3冊。



ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルI
ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルII
ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルIII
スザンナ・クラーク / 中村浩美 訳 / ヴィレッジブックス / 発売予定日 2008年11月14日
「ナポレオン戦争に揺れる19世紀初頭のヨーロッパを舞台に、英国魔術を三百年の眠りからよびさまそうとするふたりの魔術師の奮闘を描く。大人のための歴史ファンタジー」

これ、原書が出たとき(2004年)にすごく話題になっていて、ヒューゴー賞と世界幻想文学大賞(両方とも長編部門)・ローカス賞(新人賞)を受賞、ブッカー賞のロングリスト候補にもなったんですよね。
その頃に、翻訳が出る予定だというのをどこかで目にした記憶があるのですが、その後ちっとも出る気配がなく、もう出ないのかと思っていました……。やっと読めるんだ、嬉しー!(お値段のほうはまったく嬉しくないですが……)


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感想が書けていない本が溜まりつつあります。
「9月に読んだ本・その他」とかやろうと思っていたのに、もう10月も終わりじゃん……。
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2008.10.26 00:36 | Comments(0) | Trackback(0) | 気になる新刊・近刊

2008. 10. 25

「女王フアナ」

先日借りたDVDを返しにいったら、また旧作100円キャンペーン中だったので、またまた借りてきてしまいました……。そのうちの一本がこれ。

女王フアナ
(2001年 スペイン)

スペインを統一したイサベル女王の娘として生まれ、ハプスブルク家に嫁いでのちの神聖ローマ皇帝カール5世を産み、母の死後にはカスティーリャ女王に即位しながら、「狂女」と呼ばれて半世紀近くも幽閉されていたフアナの話。
気が狂っていたと言われていますが、近年では、大国の政治権力を掌握したい者たちが邪魔なフアナを閉じ込めておくための口実だったという説も強いようです。(ただし、「狂っている」とまではいかないまでも、かなり気性の激しい女性だったというのは史実のようだ)
その「狂女伝説」のひとつとなったのが、若くして亡くなった最愛の夫・フェリペ(フィリップ美公)の棺を馬車に乗せ、カスティーリャの荒野を放浪し続けたというエピソード。プラド美術館にある「Doña Juana 'la Loca'(狂女王フアナ)」という絵が有名です。

 (画像出典:ウィキペディア)

映画では、フアナと夫フェリペの愛憎(フアナの狂気のほとんどは、美青年で浮気性だったフェリペへの激しい愛情と嫉妬に起因している)をメインにしたのか、夫の死後のことは大雑把にしか触れられていませんでした。

フアナについて書かれた本は何冊かありますが、私が読んだことがあるのはこの2冊。

女王フアナ
ホセ・ルイス・オライソラ / 角川文庫

映画公開にあわせて翻訳された伝記(巻末にのっている桐生操の解説がメチャクチャひどかった…)

狂女王フアナ―スペイン王家の伝説を訪ねて
西川和子 / 彩流社

ちなみに、イギリス王家とのつながりで言うと、ヘンリー8世の最初の妃キャサリン・オブ・アラゴン(スペイン名はカタリーナ。メアリー1世の母)は、フアナの妹にあたります。姉妹そろって、夫には苦悩させられたのねえ……。

* Tag : 歴史/時代もの  

2008.10.25 22:29 | Comments(0) | Trackback(0) | 映画&ミュージカル

2008. 10. 23

『ルース』 エリザベス・ギャスケル

Ruth (1853)
エリザベス・ギャスケル / 巽豊彦 訳 / 大阪教育図書 (ギャスケル全集3)
[ Amazon ]

※関連記事
読書中の本 『ルース』 (2008.10.18)
『ルース』 第8~23章 (2008.10.21)

正直言って、後半はかったるかったです……。もともと、主人公が耐え忍ぶ話って好きじゃないからなあ。ストーリーの起伏もあまりないしね(ルースの話に、ブラドショー家の家庭内のゴタゴタが絡んでくる程度)。
身分の高い男に誘惑されて囲われ者になるも捨てられ、未婚の母となる少女ルースの話ですが、このような行為を「罪」「道を踏み外した」と見なす当時のヴィクトリア朝的道徳観を批判する小説ではありません。ギャスケルも、ルースが相手の男ベリンガムの誘惑に身をゆだねたことを(宗教的観念から)はっきり「罪」だとしています。そのうえで、転落した女性たちに自己救済の機会を与えるべきだ、見捨てるのではなく援助するべきだと訴えているのです。しかし、前回も書いたように、その自己救済後のルースがまるで聖女のようで立派すぎて、どうにも現実離れしているように思えてしまいます。もう少し地に足の着いた更生ぶりでもいいだろうに……と思うのよね。
(ところで、ミスター・ベンスンに長年仕えている女中のサリーの給料が年6ポンド、一方、ブラドショー家の家庭教師をしていたルースの給料が年40ポンド、という記述が出てきます。サリーとルースの身分はもともとあまり違わなかったはずなのに、その差にびっくりです。さらに、サリーがその給料をこつこつと貯金し続け、ベンスン家の経済危機(ルースがブラドショー家から解雇されてベンスン家に生活費を入れられなくなったため)のときに使ってほしいと差し出すという場面があって、何と言うか……)

【以下、結末に触れるので反転します】
ベリンガムとの過去のことが町の人たちにバレ、つまはじき者状態になってしまったルースですが、やがて看護婦の仕事を始め、チフスが猛威を振るったときに病院の隔離病棟の婦長を引き受けて献身的な看護を行ない、町の人々から大変感謝され尊敬されて、社会に再び受け入れられることになります。しかし、ミスター・ダンことベリンガムもチフスに罹患していることを知ると、彼の看護に駆けつけ、逆に自分が感染して、命を落としてしまいます。
男に誘惑されて捨てられた少女が未婚の母となって苦労を重ね、最後には死んでしまう話というと、1791年に出版されたスザンナ・ローソンの 『シャーロット・テンプル』(→感想) を思い出します。ローソンの作品は、若い女性に向けて「シャーロットのような悲惨な目にあわずに済むよう十分に気をつけましょう」と警告する意図で書かれたものなので、シャーロットが失望のなかで死ぬという不幸な結末を迎えるのは必然のことと言えます。しかし、ギャスケルは「転落した女性たちの救済」をテーマとして 『ルース』 を書いているので、道をあやまった見せしめとしてルースを死なせたわけではないはずです。ではなぜ、社会復帰も果たしたルースをギャスケルは死なせたのか。ルースは最期まで他の人のために尽くした(自分を捨てた男のために命を投げ出すという最大の自己犠牲)という形で終わらせたかった……などと考えられますが、訳者あとがきでは、贖罪とか自己犠牲の精神とかは関係なく、ルースの死は若き日の「ただ一回の恋の思い出」に殉じたものであった、という解釈が試みられています。
(あまり関係ないけれど、『赤毛のアン』のアンたちが物語クラブを作ってそれぞれ物語を書くという場面で、疫病患者の集落に看護に行った美しい少女が最後にはその病気にかかって死んでしまうというのが、傍から見ると滑稽だけれど少女たちは素晴らしくロマンチックな悲劇だと大真面目で感動している話の例として出てきたのを、ふと思い出しました……)

* Tag : エリザベス・ギャスケル  『ルース』  

2008.10.23 19:21 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2008. 10. 21

『ルース』 第8~23章

ベリンガムの病気は快方へ向かうが、母親の説得もあって、ルースの存在がわずらわしくなり、ベリンガム母子は置き手紙と手切れ金を残して突然宿を立ち去ってしまう。置き去りにされたルースは、愛する人に捨てられた悲しみのあまり自殺しようとするが、同じ村に滞在していた非国教会の牧師サースタン・ベンスンに止められる。ルースはそのまま臥せってしまい、ミスター・ベンスンはその世話をしてもらうために自宅から姉のフェイス(ミス・ベンスン)を呼び寄せる。
ルースが妊娠していることがわかる。ベンスン姉弟は相談の末、ルースを夫をなくしたばかりの遠縁の親戚ミセス・デンビーだということにして、エクルストンにある自分たちの家に連れて帰って面倒を見ることにする。エクルストンでルースは悲しみに浸り続ける日々を送る。
ルースが男の子を産み、レナードと名づけられた。やがてルースは、ミスター・ベンスンの友人かつ信徒である裕福な新興実業家ミスター・ブラドショーの屋敷で、幼い娘たちの家庭教師として働き始める。
それから五年後。ルースを慕うブラドショー家の長女ジェマイマは、父親の商会の共同経営者ウォルター・ファーカーとひそかに想いを寄せ合っていた。しかし、反抗心とわがままからジェマイマは冷たく無礼な態度を取り、失望したファーカーは淑やかなルースに想いを移し始める。ジェマイマはルースに激しく嫉妬する。一方、ミスター・ブラドショーがエクルストン地区選出の下院議員の選挙に関わることになり、彼が支援する候補者ミスター・ダンが屋敷にやってくる。ミスター・ダンと顔をあわせたルースは、その正体に驚愕する……。

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以上、全体の三分の二ほどのあらすじ。
「ブラドショー家の家庭教師」と書かれていますが、教育を受けていない農家の娘のルースが勉強を教えられるはずもないので(他にラテン語・作文・算術の先生がそれぞれいる)、「世話係」ってところでしょうか。

若い女性が罪の意識に苦しみ悩み続けるという、『悪夢の一夜』(→感想)系統の話で、なんか辛気くさい。
ヴィクトリア朝当時の社会的道徳観から言ってもキリスト教的道徳観から言っても、未婚の娘が愛人状態で暮らしていたというのは「罪」で、さらにその結果の私生児を産むというのは恐ろしい出来事だったわけです。なので、当時の読者に主人公ルースに同情を持ってもらうには、その罪を帳消しにできるような人物像にする必要があります(自堕落な女とか性悪な女、ついでに言えば十人並み以下の器量の女とかだったら「自業自得だ」ってことになるだろう)。そのせいで、著者ギャスケルは無意識にルースを飾り立てすぎたのか、少女時代のルースは純粋で無邪気、幼いゆえに何も知らなかったいわば「被害者」、出産後は、威厳と気品を兼ね備えて貴婦人然とし、周囲から愛され敬意を寄せられる非常に美しい女性として描かれ、なんとも嘘っぽい存在になってしまっている。(出産後の姿は、ルースの自己鍛錬の努力の結果という建前ではあるのだけれど、どこで身につけたんだと思ってしまう唐突な変身ぶりです)

ミス・ベンスンとサリー(ベンスン姉弟が幼い頃から仕えている召使い)が登場すると、場面がちょっと明るくなるし、親切だけれどもルースに対してズケズケ言うので小気味良い。

* Tag : エリザベス・ギャスケル  『ルース』  

2008.10.21 23:30 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2008. 10. 19

読書中の本 『ルース』

エリザベス・ギャスケル / 大阪教育図書 (ギャスケル全集3)
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ギャスケルの二つ目の長編 『ルース』(1853年) を読み始めました。
未婚の母となる少女の話らしい。
いつものように途中まであらすじを書きながら読んでいこうと思います。

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主人公は、農家の生まれの美しい娘ルース・ヒルトン。
12歳のときに母を、15歳のときに父を亡くし、フォーダムの町一番の婦人服屋であるミセス・メイスンの店で年季奉公のお針子として働き始める。
ある日、ルースは令嬢たちのドレスの補修係として出かけていった公会堂での舞踏会で、ハンサムな名家の青年ヘンリ・ベリンガムと出会い、憧れの気持ちを抱く。次の日、お使いに出かけたルースは、子供が川でおぼれるのに遭遇。それを助けたのがミスター・ベリンガムだった。ルースの清らかな美しさに惹かれていたミスター・ベリンガムは、その子供の世話をするように頼み、その報告をしてほしいというのを口実にして、ルースと待ち合わせをして会うようになる。
ある日曜日の午後、ふたりはルースの生家まで遠出する。そこには、両親の使用人だったトマスとメアリの老夫婦が今でも住み続けており、ルースは再会を喜ぶが、ベリンガムは身分の低い者と親しくするのを快く思わなかった。その帰り道、たまたま通りがかったミセス・メイスンが、ベリンガムと腕を組んでいるルースを目撃。自分の店のお針子の貞操に厳しいミセス・メイスンは激怒し、その場でルースに解雇を言い渡して立ち去る。行き場をなくして嘆き悲しむルースに、ベリンガムは優しい言葉をかけて彼女を愛していると言い、仕事でロンドンへ行くので一緒に来るように誘う。ベリンガムを愛しているルースは、さんざんためらった末に「イエス」と答える。
それからしばらくして、ベリンガムはルースを連れて、北ウェールズの小さな山村にある宿へやってきた。ベリンガムと結婚せずに一緒に暮らしているルースは、他の泊り客たちから白い目で見られ、ショックを受ける。ベリンガムが脳炎で倒れて重病となり、看護のために母親のミセス・ベリンガムが呼ばれる。高慢な貴婦人であるミセス・ベリンガムはルースのことを息子に道を誤らせた身持ちの悪い女だと考えており、同じ宿にいることを不愉快に感じていた。

以上が第7章までの話。
『メアリ・バートン』 で、もしメアリがハリー・カースンと付き合い続けていたら、こんなふうになっていただろう……って感じですかね。

* Tag : エリザベス・ギャスケル  『ルース』  

2008.10.19 23:07 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2008. 10. 18

フィギュア

バトルの突然の引退は大衝撃でしたが、ランビエールまでGPシリーズ直前に引退してしまうなんて……。
バトルはやりきったという気持ちでやめたっぽいけど、ランビエールの場合は怪我が原因というのが残念です。
ともあれ、二人ともお疲れさまでした……。

これでトリノ表彰台の銀&銅は引退しちゃったわけですが、金のあの方はどうするんでしょう。
今年のロシア国内選手権に出るつもりだってどこかで読んだけど、本当に復帰するのかな?

来週末はいよいよスケアメだー。


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先日、市内にツタヤができたという話をしましたが、オンラインクーポンで新作以外レンタル半額になるというので、またDVDを借りに行ってきました。
そしたら、もともと「旧作160円」キャンペーンをやっている最中で、クーポン併用でさらに半額の80円で借りられました。安っ。
こんなことならもっと借りてくるんだった。でも、選んでる時間あまりなかったし、そんなにたくさん観る時間もないし。
で、借りてきたのは次の二つです。(ちなみに「プレステージ」はまだ準新作だった)



両方とも原作アリものですね。ヴァージニア・ウルフの 『オーランドー』 と、クリストファー・プリーストの 『奇術師』
しかし、あのツタヤはさすが品揃えがいいなー。この前出た 「ジェイン・オースティン・コレクション」 も新作棚に並んでいたので、またそのうち借りに行こう。(近所にいつも安いレンタル店があるんだけど、そこにはこの手の類のものは置いていないんです)

2008.10.18 23:54 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

2008. 10. 16

『13番目の物語』 ダイアン・セッターフィールド

 

The Thirteenth Tale (2006)
ダイアン・セッターフィールド / 鈴木彩織 訳 / NHK出版 2008-08
[ Amazon:上巻 ] [ Amazon:下巻 ]

古書店で本に埋もれて働く目立たない「わたし」に、一通の手紙が届いた。差出人は、プライベートのすべてが謎に包まれた有名女流作家。手紙は、「わたし」を磁石のようにひきつけて離さなかった。なぜなら、自分についてのすべてを「わたし」に語るというのだ。手紙に導かれた先は、作家が孤独に住まうヨークシャーの屋敷。そこで語られはじめたのは、驚くべき未完の物語だった……。 (上巻のカバー折込より)

『13番目の物語 (上)』 のエントリー の続き

メタっぽいひっくり返し方をするんだろうなーと勝手に思い込んでいたんですが、最後まで正統派な展開で、真っ当なひっくり返し方でした。何気なく読み流していた部分に、裏の意味があったとわかって、なるほどなーと感心したり。おもしろかったー。
主人公マーガレット・リーや作家ヴァイダ・ウィンターが 『ジェイン・エア』 『嵐が丘』 『白衣の女』 などの古い物語をむさぼり読む少女たちだったというところが、ポイントが高い(19世紀英文学好きの私には、作中にさまざまな19世紀英文学の題名が出てくるだけで楽しかった)。また、この小説自体、それらの古い物語への郷愁に満ち満ちた作品になっています。(ちなみに、ヴァイダが語る少女時代は、19世紀末から20世紀初頭が舞台。はっきりとは書かれていないけれど、ある出来事が「世紀の変わり目」に起こったと示唆されているので。ということは、それから約60年ほど経っているこの物語の「現在」は、1960年くらいなのかな)

ただ、エピローグがちょっと長すぎるように感じられた。これは結局、主人公のはずのマーガレット(存在感が薄い)の物語ではなく、ヴァイダの物語になってしまっていた、ってことなんだろうけど。


【原書】
The Thirteenth Tale
by Diane Setterfield

この表紙、並んでる本がヴァイダ・ウィンターの小説仕様になってる!
大きい画像はこちらから

2008.10.16 23:39 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2008. 10. 12

『マーブル・アーチの風』 コニー・ウィリス

コニー・ウィリス / 大森望 編訳 / 早川書房 (プラチナ・ファンタジイ)
2008-09
[ Amazon ]

毎年恒例の大会に出場するため、妻とともに20年ぶりにロンドンを訪れた男。地下鉄に乗ろうとした男が、駅の構内で突然感じた爆風とは……(ヒューゴー賞受賞のシリアス中篇「マーブル・アーチの風」)。いんちきチャネリングで荒稼ぎしていた女ニセ霊媒師に憑依したのは、オカルト詐欺を糾弾し続けた実在のジャーナリスト、H・L・メンケンの霊だった……というヒューゴー賞受賞のユーモア中篇「インサイダー疑惑」など、ここ十年ほどの間に発表された5編を収録した、日本オリジナル編集の中短篇集。

楽しかったー。堪能しました。
コニー・ウィリスの短篇は、長編のおもしろさとはまた違う魅力があって好きです。いわゆる普通の人々の日常生活的なコメディが、いつの間にかSFに繋がっているようなところが。それと、クリスマスのニュースレター作りに悩まされているヒロインのコメディが侵略SFになっていく「ニュースレター」や、女霊媒師とオカルトを嫌悪する懐疑主義者の霊の「インサイダー疑惑」みたいに、「どうしたらコレとアレをくっつけてみようなんて考え付くんだ」と思ってしまうような、組み合わせの妙。
収録作のなかでいちばん気に入ったのは、「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」。近未来を舞台に、顧客の家庭のクリスマスの飾り付けや準備を請け負うクリスマス・プランナーの女性が主人公のドタバタラブコメ。シェイクスピアやE・M・フォースターなど、いろんなネタが詰め込まれているのが楽しい。「他人がやったことのないようなクリスマスを!」と独創性を追及するあまり、クリスマスとまったく関係ないテーマの数々を持ち出してくる客たちの姿には笑ってしまうけれど、でも、どのテーマも結構おもしろそうだったり(笑)。ノーウォールの仕返しディスプレーの凄まじさにもウケた。あそこまでいくと、かえって楽しそう(笑)。

* Tag : コニー・ウィリス  

2008.10.12 21:39 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 10. 05

『雷鳴の夜』

夕食作ったり食べたり片付けたりしながら、BShiでやっていた「あなたが選ぶイタリア絶景50」を観てました。
「どうせ1位は青の洞窟でしょ」と思っていたら、7位に「カプリ島」が出てきて外れた。
しかしイタリアは美しい絶景だらけですね!
大きな都市(ローマ・フィレンツェ・ミラノ・ヴェネチア)は行ったことがあるんだけど、それ以外の都市や地方にも素晴らしい場所がたくさんたくさーんあるのねえ。あちこち「行ってみたい!」と思うところだらけでした。

イタリアとはまったく違う方面ですが、読み終わった本の感想。


雷鳴の夜
The Haunted Monastery (1961)
ロバート・ファン・ヒューリック / 和爾桃子 訳 / ハヤカワ・ポケミス
[ Amazon ]

旅の帰途、嵐にあったディー判事一行はやむなく山中の寺院に一夜の宿を求める。そこは、相次いで三人の若い女が変死するという事件が勃発した場所だった。到着早々、判事は窓越しに異様な光景を目撃する。昔の兜を被った大男と裸で抱き合う片腕の娘――しかし、そこは無人の物置のはずで、しかも窓すら無い部屋だったのだ。怪奇現象か? 幽霊か? 何者かの悪戯なのか? ディー判事の悩みをよそに、夜が更けるにつれ次々と怪事件が襲いかかってきた! 古代中国に実在した名判事を主人公に、巧妙なトリックと大胆な推理を展開する人気シリーズ。 (裏表紙より)

ディー判事シリーズ、本当は時系列順に読みたかったのですが、『東方の黄金』 のあとの 『四季屏風殺人事件』 『中国湖水殺人事件』 のポケミス版新訳がまだ出ていないので、飛ばしてこれ。ディー判事が漢陽県知事のときの話。
『東方の黄金』(→感想) に比べると本格推理小説としては小粒だけれど(場所と人物が限られているのでどんでん返しの予想もつきやすいし)、登場人物の旅芸人一座のキャラクターがよかったりして、話はおもしろかった。しかし猫の件は、猫飼ってる人間としては「なるほど~」と言うか、「ウカツだった~」って感じ。まさかアレが伏線だったとはにゃあ……。

朝雲観という大きくて古い道観(道教の寺院)が舞台なんだけど、道教の書かれかたがあまり印象の良くないもので、そのあたりが読んでいるあいだ気になっていた。そしたら著者あとがきに「中国人の信仰する三宗は儒教、道教、仏教であり、(中略)公案ものと呼ばれる中国の探偵小説は主として書生、つまり儒教の学者の手になるものであるから、はっきりと儒教寄りの立場をとっており、そういった特色もこの狄判事ものに取り入れた」とあって、合点がいった。細かいところまでこだわって書かれてるんだなー。

* Tag : 歴史/時代もの  

2008.10.05 23:37 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2008. 10. 01

『13番目の物語 (上)』

ダイアン・セッターフィールド 『13番目の物語』 の上巻を読みました。
図書館の新刊本棚に並んでいて、内容紹介文を見たらおもしろそうだったので借りてきた本。
上巻だけなのは、下巻は貸し出し中だったから。

父の経営する古書店を手伝っている主人公の「わたし」、マーガレット・リー。19世紀の文学を読み耽り、愛読するのは 『ジェイン・エア』 『嵐が丘』 『白衣の女』。
そんな「わたし」のもとに一通の手紙が届く。差出人は、有名作家ヴァイダ・ウィンター。私生活が謎に包まれた彼女は、これまでに自分の素性や経歴について何十もの話を作り出し、記者や伝記作家たちを煙に巻いてきた。しかし、本当のことを語るときが来た、その相手として「わたし」に来てほしいと言うのだ。古書店の仕事のかたわら、伝記ふうの短い論文を書いて本に掲載されたのが彼女の目にとまったらしい。
ヴァイダ・ウィンターのデビュー作 『十三の物語』 を読んでみてたちまち魅せられた「わたし」は、手紙に応じて、彼女がひっそりと暮らすヨークシャーのムーアに建つ屋敷へやって来る。そこで、ヴァイダ・ウィンターが語り始めた話とは……。

幽霊が出るという屋敷。奇矯な住人たち。双子の姉妹。そこへやってきた女家庭教師――
これらの要素から連想されるようなゴシック・ロマンテイストとかサスペンスぽさはちょっと薄めですが、作家が語る過去話というのにはワクワクします。今度図書館に行ったときには下巻が借りられると思うので(前の人が延滞してなければ)、楽しみ。
まあ、上巻が終わった時点では正統派的な展開をしているとはいえ、下巻ですべてひっくり返されるんだろうな……という気もしますが……、肩透かしなひっくり返し方でないことを祈る。


13番目の物語 (上)
ダイアン・セッターフィールド / NHK出版

2008.10.01 19:38 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
[ 管理人 : Rie ]

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