* Caramel Tea *

Reading Diary

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2008. 04. 30

『教会の悪魔』 P・ドハティ

Amazon.co.jp で詳細を見るSatan in St Mary's (1986)
ポール・ドハティ / 和爾桃子 訳 / ハヤカワ・ポケットミステリ
[ Amazon ]

13世紀のロンドン。殺人を犯して司直の手が及ばぬ聖メアリ・ル・ボウ教会へと逃げこんだ男ダケットが、密室状態の教会内で首を吊って死んでいるのが発見された。罪の意識に苛まれての自殺かと思われたが、国王エドワード1世は自分に対して叛逆を企む者たちの仕業だと考え、事件の調査を命じる。その密偵役として白羽の矢が立ったのは、王座裁判所書記のヒュー・コーベット。すぐにダケットの死が殺人だと突き止めたのだが……。

ドハティの代表作とも言われる密偵ヒュー・コーベットシリーズ第1作。
コーベットはウェールズ征服時にエドワード1世を庇って戦ったことがあり、国王の覚えもめでたく頭の切れる人物です。しかし、暗い。数年前にペストの流行で妻子を失ってからずっと失望状態で、暗い。そんな主人公の性格と話の展開が相まって、いささかシリアスな印象。もっとも、中盤で元窃盗犯の少年レイナルフが従者となって加わるとちょっと活気が出てくるし、訳者あとがきによるとコーベットは以後の作品では「公私ともに右肩上がりの人生」になるそうですが。
自殺に見せかけた密室状態での殺人という不可能犯罪を扱ってはいるけれど、その真相は正直言ってしょぼい。殺人の謎解きよりも、刺客に狙われつつ国王に対する陰謀を追いかけるというほうが主体になっています。
エドワード1世の時代の史実を物語の背景としているのはもちろんとして、「著者あとがき」によれば、聖メアリ・ル・ボウ教会での殺人も、その経緯や被害者加害者などの関係者の名前にいたるまで実際にあった事件に基づいているんだそうで、それにはビックリ。

ポケミスは、ロジャー・シャロットシリーズが1作目 『白薔薇と鎖』 が2年前に出たきりになってるけれど、こちらのヒュー・コーベットシリーズは訳者あとがきを見ると、2作目以降も翻訳が予定されてるっぽい? 無事に続いてほしいなあ。
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* Tag : ポール・ドハティ(ドハティー)  歴史/時代もの  

2008.04.30 22:40 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2008. 04. 27

『エヴァ・トラウト―移りゆく風景』 エリザベス・ボウエン

Amazon.co.jp で詳細を見るEva Trout, or Changing Scenes (1969)
エリザベス・ボウエン / 太田良子 訳 / 国書刊行会
[ Amazon ]

無口で大柄、ジャガーを乗り回す女ヒロイン、エヴァ・トラウト。母親はエヴァを産むとすぐに恋人と駆け落ちして飛行機事故で亡くなり、男の愛人を連れていた父親はのちに自殺し、莫大な遺産をエヴァに残す。巨万の富を手にしたエヴァは、イギリスを飛び出して渡米し、降誕節の夜、不正に子どもを手に入れる。しかしそうして手にした男児は耳が聞こえなかった――両親に見捨てられ、ことばを信じず、一度として泣いたことがないエヴァの愛をめぐるクロニクル。 (出版社の内容紹介より)

国書のボウエン・コレクション第一弾。
これは翻訳があまりよくないんじゃないだろうか……ただでさえわかりにくい話なのに、翻訳でさらにわかりづらくなっている気がする。
エヴァが何故、滞在先のイズー(寄宿女学校在学時の英語教師)の家を飛び出したのか。何故、自分で男の赤ん坊を育てようと思ったのか。他の登場人物が自分の考えを述べているし、読者はある程度推測することができるけれど、エヴァを始めとする登場人物たちの行動の理由が明確に説明されることはない。だけど、確実なことが掴めないその分、エヴァを利用しようとすると同時にエヴァの言動に振り回される食えない人々の、本心を隠したやり取りがスリリングだったりする。
ここがおもしろい!とか言うことはできないけれど、じわじわと滋味深さが染み出してくるような作品でした。ボウエンは短篇集 『あの薔薇を見てよ』 がとても良かったけど、長篇もいいな。『パリの家』 も読んでみたくなった。


【原書】
Eva Trout
Elizabeth Bowen

2008.04.27 12:09 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学

2008. 04. 22

気になる近刊

ちょっと前から、右サイドバーのAmazonウィジェットの表示が変わってしまいました。
以前は表紙画像の横に「本の題名、著者名」が表示されていたはずなんだけど、今は「題名、出版社」になってる。ポップアップだと題名が表示されないときもあるし。
私は出版社よりも著者名のほうが情報の重要度が高いと思うんですが、どうなんでしょう?
とりあえず自分で著者名足しておいたけど、元に戻らないかなあ。

以下、気になる近刊チェック。

Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.co.jp で詳細を見る
『ゾロ:伝説の始まり [上]』 『ゾロ:伝説の始まり [下]』
イサベル・アジェンデ / 扶桑社文庫 / 4月25日

アジェンデによるゾロの前日譚らしいです。
「ゾロ」って言うと、アントニオ・バンデラス主演の映画版がすぐに浮かびますが、あの映画はジョンストン・マッカレーの原作小説 『怪傑ゾロ』 とは違うストーリーになってるんですよね。
原作版の軟弱御曹司ドン・ディエゴののらくらっぷりが結構楽しかったので、この前日譚にも期待。

『木曜日だった男』
G・K・チェスタトン / 南條竹則訳 / 光文社古典新訳文庫 / 5月13日

チェスタトンの小説って、ブラウン神父以外はなんだか小難しそうだと勝手に思い込んで敬遠していたんですが、あらすじ読むと陰謀・冒険活劇もので、おもしろそうだなあと思って。
創元版の旧訳だと、ジャンルが「怪奇スリラー」になってますね。

『スカーレット・ピンパーネル』
バロネス・オルツィ / 小川隆訳 / 集英社文庫 / 5月20日

『紅はこべ』 の新訳。(……だと思う。ミュージカル版のノベライズじゃないよね?)
創元版も河出版も持っているけど、『紅はこべ』 と来たら押さえておかなきゃ。
宝塚でミュージカル版が上演されるのに合わせての出版でしょうか。
ちなみに上記の 『怪傑ゾロ』 は 『紅はこべ』 の影響を受けて書かれたものらしいですね。
[追記] 抄訳でした……。

『冬そして夜』
S・J・ローザン / 創元推理文庫 / 6月24日

NYの私立探偵リディア&ビルシリーズの最新作。といっても2002年の作品で、本国でもこれ以降、このシリーズの新刊は出ていないみたいなんですよねえ……。


それと、国書刊行会のサイトを見ると、ジェフリー・フォードの三部作完結編 『ビヨンド(仮)』 が6月発売予定と出ていますね。
まあ、国書のことだから、いつの間にかこっそり「7月」「8月」……に変わってるかもしれないけど(笑)。
[追記] 疑ったりしてすみません(笑)、ちゃんと6月に発売になりました。題名は 『緑のヴェール』 に。

2008.04.22 21:58 | Comments(2) | Trackback(0) | 気になる新刊・近刊

2008. 04. 17

『灰色の女』 A・M・ウィリアムスン

Amazon.co.jp で詳細を見るA Woman in Grey (1898)
アリス・ミュリエル・ウィリアムスン / 中島賢二 訳 / 論創社
論創海外ミステリ73
[ Amazon ]

アモリー家に伝わる由緒ある屋敷、ローン・アベイ館。二十年前に元女中頭によって買い取られたが、七年前にその老女は時計塔の中にある自分の部屋で殺され、それ以後、館は荒れるがままで、老女殺しの犯人として逮捕され獄中死した若い娘の幽霊が出るという噂が囁かれていた。館を買い取ることになった叔父アモリー卿のために下見にやって来た青年テレンス・ダークモアは、誰もいないはずの時計塔で、灰色の服を着た謎めいた美女・コンスエロと出会う……。

黒岩涙香が翻案し、さらに江戸川乱歩がリライトした 『幽霊塔』 の原作――だそうなんだけど、両方とも読んでいない私にとってはそれにはあまり関心がなくて、この本を手に取ったのも、単にヴィクトリア朝に書かれたゴシック・スリラーに飢えていたからなのよ。
題名からしてウィルキー・コリンズの 『白衣の女(The Woman in White)』 を意識しているらしいことが見て取れますが、コリンズやレ・ファニュのスリラーの亜流と言うべきか、さらに通俗的にして、おどろおどろしさを強調し、けばけばしくしたような感じ。けばけばしいと言うのは、謎めいた美女・老婆殺し・幽霊・暗号・首なし死体・密室からの人間消失・監禁・毒薬・目の光る肖像画・壁を這いずりまわる手・仕掛けのあるベッド・偽の電報etc.……と、よくもまあここまで次から次へと詰め込んだもんだと感心してしまうくらい、ゴシック・スリラーの定番アイテムの大バーゲン状態だから。この手の小説は当時「センセーション・ノベル(扇情小説)」と呼ばれていたようだけど、納得のいく呼び名ですね。
あと、この物語を素直に楽しめなかったのは、主人公テレンス(とコンスエロにも)に好感を持てなかったのも大きいと思います。美しい女性に惚れ込んで周囲や物事を冷静に見ることができなくなり、彼女の言うことを盲目的に信じ込むことを騎士道精神だと勘違いする若い男ほど、物語の語り手として鬱陶しく、始末に負えないものはない。しかも、こいつ、婚約者のポーラをコンスエロと比較して、眉に個性が感じられないだとか、耳たぶが厚すぎるだとか、延々と一ページにも渡ってポーラの容姿に細か~くケチをつけ続けるんですよ、もうドン引きですよ。自己中で腕力に物を言わせるようなところもあるし、なんでこんな男をポーラもコンスエロも好きになるのか理解できんわ。顔かよ。
ただ、○○○○ネタには結構ビックリだったなあ。謎解き的な驚きではなく、この時代にもうこれがあったのか、という驚きで。
[追記: その後、セイヤーズの「探偵小説論」を読み返していたら書いてあったんだけど、○○○○ネタは、レ・ファニュが "Checkmate (1871)" という未訳の作品で使っているそうだ]

* Tag : 論創海外ミステリ  

2008.04.17 23:38 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2008. 04. 15

『風の妖精たち』 メアリ・ド・モーガン

Amazon.co.jp で詳細を見るThe Windfairies (1900)
メアリ・ド・モーガン / 矢川澄子 訳 / 岩波少年文庫
[ Amazon ]

風の妖精たちに踊りの秘術をならった娘の話、悪い妖精に声をぬすまれた少年の話、土の精と知恵くらべをする農夫の話など、民話風な7つの短編。ゆたかな想像力と人生への深い愛情にあふれた、フェアリー・テイルの傑作です。 (裏表紙より)

童話や民話のようなフェアリー・テイル7編が収録された短篇集。
作者メアリ・ド・モーガンは、友人だったウィリアム・モリスやバーン・ジョーンズの子供らに自分の創作した物語を話して聞かせるのが得意だったそうで、この本に収められているような物語の数々だったら、私も作者本人からもっといろいろ話して聞かせてほしいと思っちゃうなあ。
舞台となる国も時代も定められていない話ばかりですが、19世紀イギリスの風潮がちらりと窺える(ように思われる)話もあります。「池と木」がそれで、荒れはてた広野の真ん中に一本の木と、その根元に小さな池があり、木と池はお互いを愛しく思いあっていました。しかし、珍しい花や植物を探しにやってきた旅人たちが、たいへん珍しい木だというので、その木を根ごと掘りおこして、遠くの庭園に植えるために持っていってしまいます。木と離れ離れになってしまった池は嘆き悲しみ……というお話なのですが、17~18世紀頃からヨーロッパには世界のあちこちへ出かけていって珍しい植物を探して持って帰ってくるプラントハンターという人たちがいて、特にヴィクトリア朝の大英帝国で盛んだったようなんですよね。「池と木」にはそんな背景があるのかなー、なんて、ちょっと穿ちすぎか。

2008.04.15 23:35 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 04. 10

『愛の妖精(プチット・ファデット)』 ジョルジュ・サンド

Amazon.co.jp で詳細を見るLa Petite Fadette (1849)
ジョルジュ・サンド / 宮崎嶺雄 訳 / 岩波文庫
[ Amazon ]

フランス中部の農村地帯ベリー州を背景に、野性の少女ファデットが恋にみちびかれて真の女へと変貌をとげてゆく。ふたごの兄弟との愛の葛藤を配した心憎いばかりにこまやかな恋愛描写は、清新な自然描写とあいまって、これをサンド(1804-76)の田園小説のうちで屈指の秀作としている。主人公は少女時代の作者自身をモデルにしたものだという。 (表紙より)

うわあー、なんなの、この胸キュン(死語?)ストーリーは! 少女マンガのような純情で微笑ましい恋物語にゴロゴロ萌え転がりました。これまでこの本を読まずにいた自分を恨んでやりたい。
野育ちの少女ファデットは、好きな男の子ランドリーの気をひくためにわざと意地悪をしちゃうような女の子。魔法使いと言われている祖母に育てられ、悪態をつくのが得意なお転婆で、身なりにまったく構わずちっぽけでみっともないので「こおろぎ」というあだ名で呼ばれ、本人も自分は醜いと思い込んでいる。そんなファデットが、ランドリーに気に入られたいと身なりや言動に気をつけ、努力するうちにどんどん美しくなっていく。「恋は女の子をキレイにする」と言うけれど、その通りの展開です。ファデットはもともととても頭が良くて気立てのいい子なんだけど、初めのほうでランドリーに素直な気持ちを伝えられない不器用なところとか、ランドリーから好きになったと告白されて嬉しさのあまり気を失ってしまうところとか、もう、いじらしくって、かわいくって(デレデレ~)。
そんなファデットとランドリーの牧歌的な恋の障害となるのが、ランドリーの双子の兄シルヴィネ。普通、「一人の少女と美形の双子兄弟」と来たら、ほほう~双子が同じ少女を好きになるんだな(ありきたりだけど)、と思うでしょ? ところがこの物語は、双子の弟のほうを少女と「弟☆激LOVE」なブラコン病弱兄が奪い合うという話なんですねー。発想の転換がすごすぎるぞ、ジョルジュ・サンド。このシルヴィネ、弟が自分以外の誰かと親しくなれば嫉妬して「おれのことなんてもうどうでもいいんだな」と拗ねてしまい、弟と離れ離れで暮らさなくてはいけなくなると熱を出して寝込んでしまう。なんという乙女気質。ランドリーとファデットが強く想いあっていると知ったときなどのシルヴィネの反応が、読者の期待を裏切らないどころか、その上を行くのがまた素晴らしい。(正直18歳にもなってそれはどうなんだと思わないでもないが、病弱美形ということで仕方ない、目をつぶろう)
以上の強力キャラふたりに愛されるランドリーも、お祭りで一緒に踊ったファデットがからかわれているのをかばってやる場面はオットコマエだし、ファデットのいいところを知ってメロメロになったり、彼女に初めてキスしてもらって「もう少しで死にそうになった」りするところとか、純情でかわいいなー。ファデットにあそこまで尽くされておいて彼女の本心に気づかないのは鈍すぎだろ、とも思うけど。

はぁ、この古典作品でここまで乙女成分を補給できるとは思いませんでしたよ……。ありがとう、ジョルジュ・サンド。

2008.04.10 21:48 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2008. 04. 07

児童文学ファンタジー2冊

またまた、最近読んだのを2冊まとめて。
両方とも石井桃子さんの訳だなあ、なんて思っていたら訃報が…。ご冥福をお祈りします。

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Amazon.co.jp で詳細を見るまぼろしの白馬 (岩波少年文庫 142)
The Little White Horse (1946)
エリザベス・グージ / 石井桃子 訳 / 岩波書店

古い領主館にひきとられた孤児の少女マリアは、館にまつわる伝説に興味をいだき、その謎を解こうと大はりきり……。活発で明るいマリアは、暗い館の生活を一変させ、周囲のおとなたちを事件にまきこみます。ロマンチックな物語。 (裏表紙より)

ヴィクトリア朝が舞台。この時代の孤児の物語と言うとつらい目に遭わされたり、さびしい思いをしたりするのが定番ですが、この作品の主人公マリアはみんなに大事にされ、お姫さま扱いです。このマリアの「人徳」みたいなもので話が進んでいくところが、個人的にはあまり好きではなく……。


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Amazon.co.jp で詳細を見る砂の妖精 (福音館文庫)
Five Children and It (1902)
イーディス・ネズビット / 石井桃子 訳 / 福音館書店

ロンドンから遠く離れた、田舎の一軒家に移り住んだ四人の兄弟姉妹は、ある日、サミアドという、砂の中に住む不思議な妖精に出会います。目はカタツムリ、耳はコウモリ、体はクモのようにずんぐりした妖精は、一日に一回ならば、なんなりと子どもたちの望みを適えてくれるというではありませんか……。 (裏表紙より)

打って変わって、こちらは主人公きょうだいたちのあまりの悪ガキっぷりに、思わず噴き出した(笑)。
そこそこ良い家柄の子供たちみたいなんですが、他人の家から食べ物をとるわ、配達途中のパン屋の小僧さんに喧嘩をふっかけるわ。そして、サミアドにお願いして大量の金貨を出してもらうのは、まあ子供なら誰でも考えそうなことだからいいとしても(店で買い物をしたときに金貨のおつりを出してくれないので子供たちは怒るんだけど、金貨はいくらでもあるんだから、おつりなんてもらえなくても構わないだろうと私は思うんだ……)、間違ったお願いの仕方のせいで巨人になってしまった兄弟のひとりを、お祭りに連れて行って見世物にしてお金を稼ごうとするのには唖然。どんだけ、がめついんだよ(笑)。おまけに、四六時中、食事のことを考えている。一食抜いたぐらいで餓死なんてしないってば!
サミアド(子供たちにうんざりしつつあるのが笑える)は一日にひとつだけ何でも願い事をかなえてくれるんですが、子供たちのお願いは考えなし(もしくは考えすぎ)なせいで、いつも裏目に出て困ったハメにおちいってしまうのがおもしろかったです。なんか「ドラえもん」みたいだ。

2008.04.07 18:55 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 04. 05

『東方の黄金』 ロバート・ファン・ヒューリック

Amazon.co.jp で詳細を見るThe Chinese Gold Murders (1959)
ロバート・ファン・ヒューリック / 和爾桃子 訳 / ハヤカワ・ポケットミステリ
[ Amazon ]

西暦663年、若い官吏・狄仁傑(ディーレンチェ)が海沿いの僻地の町・平来に向かって唐の都を旅立った。何者かに毒殺された知事の後任として赴くのだ。旅の途中で新たに二人の信頼できる部下を得て任地へと乗りこんだディー判事だったが、そこで彼らを待ち受けていたのは、跋扈する人食い虎、密輸事件や新妻失踪、さらに役所に現れる前知事の幽霊という怪事件の数々だった……。

唐の時代の中国を舞台にしたディー判事シリーズ。刊行順と作中の時系列順が違うようなんですが、これは時系列順で最初の作品です。
このシリーズは初めて読んだんだけど、おもしろかったー。関係があるかと思えば無関係、まったく別の事件かと思えば意外な繋がりがある……といった具合にもつれあった数々の事件の糸を、ディー判事があざやかにときほぐしていく。中国の昔の怪談を思わせる怪奇趣味めいた部分があるところも好み。
読んでいて連想したのが、去年読んだ古龍の「陸小鳳シリーズ」です。意外な真犯人、どんでん返しが連続するスピーディーな展開、人が次々にあっけなく殺されていくところ、料理屋で飲み食いしながら情報交換をするところ、艶事にあっけらかんとしているところ……など、いくつか共通点が。古龍作品は武侠小説だという違いはあるけれど、ファン・ヒューリックは中国の古典の研究をしていたそうだし(本業は日本にも赴任したことがある外交官)、中国の小説の型のひとつと言えばいいのか、源流が同じなのかなあ。


ところで、ファン・ヒューリックとはまったく関係ないけれど。陸小鳳シリーズの4巻以降ってまだ出ていないよなあと思ってAmazonで検索してみたら、こんなの見つけた。
マーベラス・ツインズ(1) 謎の宝の地図 [GAMECITY文庫] : 古龍
アニメ調の表紙にもビックリだけど、ドラマCDまで出てるらしいぞ……。

* Tag : 歴史/時代もの  

2008.04.05 16:14 | Comments(0) | Trackback(1) | ミステリ&サスペンス

2008. 04. 01

国内ミステリー2冊

またまた2冊まとめて。

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Amazon.co.jp で詳細を見る大東京三十五区 冥都七事件 (祥伝社文庫)
物集高音 / 祥伝社 2004-6

(表紙画像はハードカバー版のもの)

血を吐く松、石雨れる家、夜泣きする石、迷路の人間消失、予言なす小さ子、消える幽霊電車、天に浮かぶ文字――。昭和の初めの帝都。早稲田の学生・阿閉万(あとじ・よろず)は、明治時代の古新聞・古雑誌から奇怪な事件を探し出して記事にするというアルバイトに励んでいる。そして迷宮入りとなった明治の事件や今の東京を騒がせている事件の数々を下宿先の大家「玄翁先生」こと間直瀬玄蕃に話して聞かせるのだが、大家は縁側に座ったままでその謎をあざやかに解き明かしていくのだった。
講談調とでも言うのか、調子のいい語り口で書かれた伝奇ミステリ短篇集。全篇通してちょっとした仕掛けがあるのがおもしろいし(某海外古典作家の有名な某短篇集を意識しているのかな?)、昭和初期の東京のちょっといかがわしい風俗が窺えるところや、すべてを論理的に解き明かしてしまうのではなく怪奇の存在する余地を残してあるところがよかったです。
シリーズになっているようなので、他のも読んでみよう。


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Amazon.co.jp で詳細を見る少女漫画家が猫を飼う理由―警視庁幽霊係 (ノン・ノベル 834)
天野頌子 / 祥伝社 2007-09

幽霊と話ができる柏木警部補が主人公の警視庁幽霊係シリーズ3作目、三篇収録の短篇集。
楽しく読めたんですけど、第二話の「お盆注意報」はちょっとひどい話だなあ。殺人によって不当に父親を奪われた幼い子供という存在が出来てしまったわけだし、幽霊集団が被害者の奥さんを犯人と対決するようにけしかけたのだって、柏木が迅速に行動していなければ奥さん殺されてしまっていたぞ。無謀すぎる。
ところで、ストーリーとは直接関係ないけれど、第三話の「少女漫画家が猫を飼う理由」のなかで編集者を困らせる漫画家の一例として「ネットでトラブルをおこす人」が挙げられていたのに噴いた。そういうことする漫画家って時々見かけるけど、確かに編集者は「お願いだからやめてくれ…!」と思うだろうなあ……(笑)。

* Tag : 天野頌子  

2008.04.01 23:54 | Comments(0) | Trackback(0) | 国内作品

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
[ 管理人 : Rie ]

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