* Caramel Tea *

Reading Diary

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2007. 12. 30

今年の読了本

結局、12月は一冊しか読了できなかった(読みかけの本が2冊)……ダメダメです。
年が明けたら心機一転、頑張ります……。
ついでに(?)、下書き状態のまま放置してあった感想文を、大掃除のつもりで、まとめてアップしました。
下書き状態にちょっと手を加えただけのいい加減な内容なので、後でまた付け加えたりするかも。



今年の総括。
読了本は全105冊でした。読了本リストはこちら
120冊(10冊/一ヶ月)超えが目標だったんだけど、100冊はクリアしたのでまあいいや。

今年の目標は、「海外古典文学を重点的に読んでいきたいと思っています。18世紀から20世紀前半あたりの、イギリスはもちろん、フランスとかドイツとか他の国のも」というものだったのですが、年の前半はボチボチだったものの、後半はまったくダメでした。というわけで、この目標は来年も続行。
そんななかで印象に残っているのは、

Amazon.co.jp で詳細を見るギャスケル全集〈2〉メアリ・バートン―マンチェスター物語
エリザベス・ギャスケル
→感想

Amazon.co.jp で詳細を見る情事の終り
グレアム・グリーン

グレアム・グリーンは 『情事の終り』 で「スゲー!」と思って 『ブライトン・ロック』 も読んでみましたが、『情事の終り』 のほうが良かったです。

ファンタジー分野では(あまり読めませんでしたが)、なんといってもスーザン・クーパーの「闇の戦いシリーズ」が良かったです。(→感想
今、映画が公開中ですねー。でも、うちの地元ではやってないんだ……。

コーンウォールの聖杯 闇の戦い〈1〉光の六つのしるし 闇の戦い〈2〉みどりの妖婆 闇の戦い〈3〉灰色の王 闇の戦い〈4〉樹上の銀


海外ミステリもあまり読めませんでした。そのなかで印象に残っているのは、クリスチアナ・ブランドの 『緑は危険』 (→感想) かなあ。

あ、あと、一冊目の 『金鵬王朝』 しか感想書いていないけど(こちら)、古龍の陸小鳳伝奇シリーズ1~3もおもしろかったです。


以上。
それでは、皆様、良いお年をお迎えください~。
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2007.12.30 18:22 | Comments(0) | Trackback(0) | その他の話題・雑記

2007. 12. 30

『女王館の秘密』 ビクトリア・ホルト

The Secret Woman (1970)
ビクトリア・ホルト / 小尾芙佐 訳 / 角川文庫

その昔、女王も泊まられたという古い館に、アンナは伯母と二人暮らしだった。他に頼る身寄りもなく、彼女の青春は伯母の看病でむなしく過ぎた。伯母が死んだ時、世間に恐ろしい噂がたった――アンナが薬を盛って殺したのだと。検死廷で無罪は証明された。だが、夢遊状態のうちに自分が毒を飲ませたのかもしれない。殺人の恐怖は彼女にとり憑いて離れなかった…。やがてアンナはクレディットン家の城に家庭教師として住みこんだ。初恋の男性レッドとの再会に、彼女の胸は高鳴った。所詮ゆるされぬ恋とは知りつつも。そして舞台は南海の島コラールへと移り、そこにはさらに大きな運命の変転が彼女を待っていた――ゴシック・ロマンの女王ホルトの最新傑作。 (カバー折込より)

『流砂』と並んで、古書では高値がついている本。幸い地元の図書館の書庫にあったので、借りてきて読んでみました。
約550ページという長さを一気に読ませてくれるし、終盤で意外な展開があったりして、なかなかおもしろかったです。でも、途中でシャンテル(伯母の看護をした若い看護婦でアンナの友人)の溌剌として小気味好い日記文が挿入されずに、主人公の辛気臭い一人称語りがずっと続いていたらちょっと辛かったかもなあ……。(ホルト作品の主人公って、見た目は落ち着いているけれど、内心は意志強固で自尊心が高いというタイプがほとんどのような気がします)
個人的には、アンナとレッド・ストレットン船長の恋愛部分が嫌いなパターンだったのがマイナスポイントでした。『ジェイン・エア』 そのままですね、相手の奥さんが南国出身のエキゾチック美人で、若気のあやまちで結婚してしまい今はそれを後悔している、この作品のモニクは狂人ではないけれど精神的に不安定(ノイローゼ状態)だし。二人とも常識人ぶっているから口には出さないものの、内心では「あの妻が早く死んでくれれば、自分たちは一緒になれるのに」と思っている。そんなカップルの恋愛なんて応援できんわ。第一、精神を病んだ妻の死を願うようなヒーローなんてちっとも魅力的じゃないよなあ……。(登場人物を道徳的に裁くつもりはないけれど、こういう恋愛は読んでいて楽しくないというのは動かしようのない事実なので。これと同じ理由で、『続あしながおじさん』 の恋愛部分も好きじゃありません。著者が同じ状況だったと知ってからはなおさら。本家 『ジェイン・エア』 については、ジェインはさっさとロチェスターのもとから離れているし、ロチェスターも非常に大きな代償を払うことになるので、例外。「本家」なのに「例外」というのもおかしな話だけど)

ちなみに、邦題は 『女王館の秘密』 ですが、女王館にはあまり秘密はなく、地元の富豪でアンナが家庭教師として住み込んだクレディットン家にまつわる秘密が話の中心となっています。
時代背景はヴィクトリア朝あたりのようですが、登場人物たちのメンタリティーは、この作品が書かれた1970年前後の人間のものですね。

(2007年9月読了分)

2007.12.30 18:21 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2007. 12. 30

『レベッカ [新訳]』 ダフネ・デュ・モーリア

Amazon.co.jp で詳細を見るRebecca (1938)
ダフネ・デュ・モーリア / 茅野美ど里 訳 / 新潮社
[ Amazon ]

マンダレーに嫁いだわたしは、大邸宅に死後も君臨する先妻レベッカの影におののき、家政婦頭の強烈な敵意に打ちのめされる――。満を持しての新訳は、貴族社会に紛れ込んだ若い女性がパニックに陥りながらも成長していく姿を活き活きと伝え、ヒッチコックの名画にはない真のクライマックスを鮮やかに描く。21世紀の『レベッカ』決定版。 (出版社の内容紹介より)

5月に出た 『レベッカ』 の新訳です。
上記の出版社の内容紹介文や、「ひたむきなわたしの成長物語」「もしあなたが21歳で、いきなり貴族社会に紛れ込んだら…」「夫は“愛している”とひとことも言ってくれなかったら…」「ひたむきな愛の物語」という帯の文句からして、ロマンチックな側面を強調しているようなのですが……。
この作品は、主人公の“わたし”に共感し、感情移入して読むことも可能です。私も以前はそうでした。でも最近、デュ・モーリアの他の作品(特に短編)を読んで、この作品も本当に「ロマンチックな物語」と言えるのだろうかと思うようになってきました。デュ・モーリア本人はもっと醒めた視線で書いているのではないかと……。そう思って読むと、いろいろ「歪み」が見えてくるような気がします。例えば、“わたし”が完璧だったレベッカと比べられることに苦しむところ。実際に周囲の人々は“わたし”とレベッカを比べるのですが(「レベッカ>>>“わたし”」という意図はなく)、それ以上に“わたし”は自分の空想の中で、周囲の人々に自分とレベッカを比べさせ、自分を劣った存在と評価させているのです。根拠のない妄想によって、自分をマイナスの方向へと追い込んでしまっているわけですが、その空想というのが暴走気味というか、これまた妙に活き活きとしたものなんですよね……。あと他には、「ヒッチコックが映画で描けなかった真のクライマックス」というのも、それに当てはまるかな。


ところで、訳でちょっと気になったところが。仮装舞踏会の終盤の場面です。

 楽団が『蛍の光』を演奏しはじめた。(中略)「蛍の光 窓の雪」とわたしたちはうたった。 (P344)

旧訳(大久保康雄訳・新潮文庫)では下のようになっています。

 楽隊は、「オールド・ラング・サイン」を演奏しはじめた。(中略)「などか古き友を忘るべき」と、わたしたちはうたった。 (下巻P117)

調べてみたところ、「オールド・ラング・サイン(Auld Lang Syne)」はスコットランドの民謡で、親しい仲間と宴会をしたときに最後に再会を誓って歌う曲。「蛍の光」は、そのメロディに日本語の歌詞をつけたもので、別れの曲として知られている。
この場合、パーティーの締めの定番として歌っているので、「蛍の光」としてしまうと訳しすぎなのではないでしょうか。「蛍の光 窓の雪」という歌詞もチグハグだし、イギリス人のパーティーが日本の学校の卒業式に早変わりしてしまう……。


※ クンツェ&リーヴァイによるウィーン・ミュージカル「Rebecca」の日本版公演(2008年4~6月 シアタークリエにて)のサイト ↓
http://www.tohostage.com/rebecca/index.html


[追記] 2008年2月に文庫版(上下巻)が出るようです。単行本の刊行から一年足らずで文庫化とはこれまた早い。ミュージカルの公演に合わせたのかな? 個人的には大久保訳のほうが好きなので、「新訳→ハードカバー、旧訳→文庫」と住み分ければいいのに……と思ってしまいますが。

Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.co.jp で詳細を見る

(2007年8月読了分)

* Tag : ダフネ・デュ・モーリア  

2007.12.30 18:20 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-20世紀前半

2007. 12. 30

『ずっとお城で暮らしてる』 シャーリイ・ジャクスン

Amazon.co.jp で詳細を見るWe Have Always Lived in the Castle (1962)
シャーリイ・ジャクスン / 市田泉 訳 / 創元推理文庫
[ Amazon ]

あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。ほかの家族が殺されたこの屋敷で、姉のコニーと暮らしている……。悪意に満ちた外界に背を向け、空想が彩る閉じた世界で過ごす幸せな日々。しかし従兄チャールズの来訪が、美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていた。“魔女”と呼ばれた女流作家が、超自然的要素を排し、少女の視線から人間心理に潜む邪悪を描いた傑作。 (裏表紙より)

とても幸福な物語だなあ、と読み終わって最初にそう思いました。「怖さ」よりも何よりも先にそれを感じた。
傍から見て歪んでいようと、メリキャット(メアリ・キャサリン)は誰にも干渉されない自分の楽園で暮らしていて、さらにそこから出てくる必要はないのだもの。

上記の裏表紙のあらすじ紹介文の「超自然的要素を排し」というのは、超自然的要素の出てくる 『たたり』『山荘綺談』) との対比を意識しているのだと思いますが、両作品はどちらも「お城(=自分だけの居場所)を手に入れようとする女性」というゴシック・ロマン的要素がある点では共通しています。もっとも、メリキャットがそれを手に入れたのに対し、『たたり』 のエレーナは「丘の屋敷」から拒絶されてしまうわけですが……。

(2007年8月読了分)

2007.12.30 17:40 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学

2007. 12. 30

『情事の終り』 グレアム・グリーン

Amazon.co.jp で詳細を見るThe End of the Affair (1951)
グレアム・グリーン / 田中西二郎 訳 / 新潮文庫
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私たちの愛が尽きたとき、残ったのはあなただけでした。彼にも私にも、そうでした―。中年の作家ベンドリクスと高級官吏の妻サラァの激しい恋が、始めと終りのある“情事”へと変貌したとき、“あなた”は出現した。“あなた”はいったい何者なのか。そして、二人の運命は……。絶妙の手法と構成を駆使して、不可思議な愛のパラドクスを描き、カトリック信仰の本質に迫る著者の代表作。 (裏表紙より)

第二次大戦下のロンドンで始まったべンドリクスとサラの関係。しかし、ある日突然、理由も告げずに、サラはべンドリクスから離れていった。それから一年半、戦争が終わってしばらくした頃、べンドリクスはサラの夫ヘンリーから相談事を持ちかけられる。サラに男が出来たのではないかというのだ。嫉妬にかられたべンドリクスは探偵会社に頼んで、サラの行動を調べさせるのだが……。

グレアム・グリーン初読み。ということで、あらすじにはあまり惹かれないながらも(恋愛ドロドロ話は嫌いなので)、代表作のひとつだし、とこの作品を選んでみた。読み始めは案の定、斜に構えた中年男の自意識過剰気味な不倫話語りにうんざり気味だったんですが、それでもいつの間にか引き込まれて、その後は一気に読んでしまっていました。軽妙な文章ながら物語を的確に描き出していき、登場人物たちの心の襞に読者の目を捕らえて離さない、この巧さは一体何なんだろう。私の貧弱な語彙じゃ表現しきれないけれど、とにかく唸らされた。
「わがために魂を失う人は魂を保たん」というキリスト教信仰の葛藤について書かれた作品ですが、物語の前半は探偵小説っぽい感じもあって、いまいち頼りなさげな探偵会社の調査員パーキスとその息子ランスの存在がいいアクセントになっています。(ベンドリクスとパーキスの、ランスの命名についてのやりとりには笑った。そのランスはあとである重要な役割を担うことにもなりますが)
(サラの夫ヘンリーがベントリクスに妙に懐いているところも、哀れであると同時におかしかったり。あんた、それ、奥さんを寝取った男なのに……!)

信仰を持たずにいた男が、カトリックから一旦は離れたもののまた戻っていった女を通して、神と対峙することになる、ということで、イーヴリン・ウォーの 『ブライヅヘッドふたたび』 を連想しました。

(2007年5月読了分)

2007.12.30 17:35 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学

2007. 12. 30

『令嬢クリスティナ』 ミルチャ・エリアーデ

Amazon.co.jp で詳細を見るDomnisoara Christina (1936)
ミルチャ・エリアーデ / 住谷春也 訳 / 作品社
「エリアーデ幻想小説全集1」収録
[ Amazon ]

青年画家エゴールはブカレストで知り合った令嬢サンダに誘われ、彼女の実家であるZ村の貴族屋敷を訪れる。いつも心ここにあらずのサンダの母親モスク未亡人、妖しい魅力を持つ幼い妹シミナ。二人はモスク夫人の亡き姉であるクリスティナの肖像画を生前の寝室に飾り、崇拝していた。絶世の美女でありながら、三十年前の大農民一揆に巻き込まれ、若くして無残に殺されて遺体も見つからなかった令嬢クリスティナ……。エゴールは屋敷に滞在するうち、サンダとの愛を深める一方で、得体の知れぬ恐怖に怯えるようになる。さらにもう一人の滞在客の考古学者ナザリエは、クリスティナについて村では身の毛もよだつような噂がささやかれていることを知る……。

ルーマニアの宗教学者&作家エリアーデの最初の小説。
クリスティナはいちおう吸血鬼のようで、直接の描写はないものの女性の生き血を吸っているのが暗示されているのですが、それ以外の点では吸血鬼よりも亡霊に近い感じかな。
若くして殺された美しい令嬢の亡霊が生きている青年に恋をする……と言えば聞こえはいいけれど、クリスティナは、その殺された経緯も相まって、非常におぞましい存在に思えてしまいます。
シミナの存在感や火事の場面など、異様な迫力と緊張に満ちた作品でした。

今回は全集の最初に収録されている 『令嬢クリスティナ』 を読んだだけでしたが、他の作品もそのうち読んでみようかと。

(2007年3月読了分)

2007.12.30 17:34 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学-20世紀前半

2007. 12. 22

漫画化って……!?

ウッドハウスの新刊、発売になったみたいですね。

Amazon.co.jp で詳細を見る『ジーヴスと恋の季節』

本屋へ行っていないので、まだ入手はしていないのですが。
国書サイトの、この新刊の紹介のところを見ていたら、気になる言葉が……!

「ついに漫画化も決定!」

ええーっ、ジーヴス、漫画化すんの!?

ほんの数年前に「ウッドハウス読んでみたいけど、邦訳少ない上に、あまり出回っていないんだよなあ……」と思っていた頃とは、時代が変わったよねえ…(^^ゞ

* Tag : P・G・ウッドハウス  

2007.12.22 18:52 | Comments(4) | Trackback(0) | 未分類

2007. 12. 17

気になる近刊ほか

東京創元社のメルマガ「近刊案内(2008年2月刊行予定分)」より

【創元推理文庫】(海外ミステリ)
◇『検死審問-インクエスト-』 パーシヴァル・ワイルド著/越前敏弥訳
乱歩やチャンドラーも認めた幻の傑作ミステリ、新訳で登場。

【創元推理文庫】(ファンタジー)
◇『オドの魔法学校』 パトリシア・A・マキリップ著/原島文世訳
幻想の紡ぎ手マキリップの、謎と魔法に満ちた珠玉のファンタジー。

おー、マキリップが嬉しい! 原書は 『Od Magic』 って作品かな?
P・ワイルドは、「このミス」の隠し玉によれば、創元から来年さらにもう一冊出るようですね。



最近、気になった検索ワード。

「19世紀 イタリア オペラ 女性推理作家」
これを検索した人が何を求めていたのかは知るべくもありませんが、私がこのワードで連想したのはこの本でした ↓

Amazon.co.jp で詳細を見るAmazon.co.jp で詳細を見るマルヴェッツィ館の殺人 (上)
マルヴェッツィ館の殺人 (下)
ケイト・ロス / 講談社文庫

アメリカの「女性推理作家」が書いたミステリーで、「19世紀」の「イタリア」が舞台の「オペラ」絡みの話なんです。
もっとも、これはシリーズ作品の4作目で、シリーズのもともとの舞台は19世紀初頭(1820年代)のイギリスです。1作目と3作目の翻訳が出てます。

Amazon.co.jp で詳細を見るベルガード館の殺人 (講談社文庫)
Amazon.co.jp で詳細を見るフォークランド館の殺人 (講談社文庫)

主人公の探偵役は「社交界の伊達男」ジュリアン・ケストレル。元スリの従僕ディッパーが助手役です。
「どっかで見たような設定のつぎはぎだな……」と思わずにはいられませんが(笑)、話は結構おもしろいので、まあいちおうオススメ作品ってことで……。
(ちなみに、『マルヴェッツィ館』 は前作までのネタバレみたいなところがあるので、出来れば刊行順に読んだほうがよいです)

2007.12.17 23:06 | Comments(0) | Trackback(0) | その他の話題・雑記

2007. 12. 09

『エンジェル』 エリザベス・テイラー

Amazon.co.jp で詳細を見るAngel (1957)
エリザベス・テイラー / 小谷野敦 訳 / 白水社
[ Amazon ]

田舎町ノーリイの食料品屋の一人娘エンジェルは、退屈な毎日をやり過ごすために、「パラダイス・ハウス」という屋敷の物語を拵えている。そこは、叔母のロティが侍女として仕えている屋敷で、「エンジェル」という名前も令嬢アンジェリカにあやかったものだった。エンジェルは、想像力と自負を頼りに処女作を書き上げ、若くしてベストセラー作家として成功する。憧れのパラダイス・ハウスを買い取り、思い描いた人生を手にしたかに思えたが、運命の落とし穴は思わぬところにひそんでいた…。二つの大戦を生き、大衆に人気を博したある奇妙な女性作家の栄光と転落。鋭い批評眼とユーモアをこめて描かれる、20世紀英国小説の隠れた名作、初の翻訳。 (出版社の内容紹介より)

1900年から始まってその後約半世紀のイギリスを舞台に、変人とも言える女性大衆小説作家の一生を描いた作品。
貴族の世界に憧れて周囲の平凡な人々を軽蔑し、虚栄心が強くて嘘で身を飾り立て、傲慢で他人の話に耳を貸さず、いつも自分が正しくて間違っているのは世の中のほうだと言わんばかりの主人公エンジェル。しかし、それもこれもすべて根深いコンプレックスや満たされることを知らない心の裏返し。こんな強烈な自意識過剰女、実生活では決して近づきたくはありませんが、著者テイラーのユーモアと皮肉まじりの描写はエンジェルの姿をいささか滑稽にすら見せるので、エンジェルに対しては反感を抱くよりも、むしろ興味を持って生温く見守るような感じ。とは言え、前半の少女時代から結婚するまではエンジェルもたいそう威勢がよくて、とてもおもしろく読めたのですが、彼女の人気が下り坂になり結婚生活の破綻も見えてくる後半部分は、哀れさというか痛々しさが前面に出てきてしまって、ちょっと辛かったです……。


エンジェル (ランダムハウス講談社 テ 2-1)この作品はフランソワ・オゾン監督によって映画化され、その日本公開に合わせたのか(映画の日本版公式サイト)、ランダムハウス講談社からも別訳が文庫本で出ています。

2007.12.09 22:40 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学

2007. 12. 06

いろいろ

Amazon.co.jp で詳細を見る12月1日に放送が始まったばかりのBSデジタルの新しいチャンネル、トゥエルビ。
8日の夜(9日に再放送)に、このブログでも何度か話題にしたイングリット・バーグマン主演の映画「ガス燈」を放送するそうです。
http://www.twellv.co.jp/program/movie/mo1.html
ヴィクトリア朝ロンドンの霧深い夜が舞台のサスペンスで、1944年製作のモノクロ映画です。
音楽会へ行く美しいドレス姿のバーグマン、ジョゼフ・コットン演じる名門出身のスコットランドヤードの刑事、小生意気なメイド役のアンジェラ・ランズベリー(これがデビュー作)など、いろいろ素敵なので、こういうのが好きな方はおすすめします~。

そういえばこの映画、ジョー・ライト監督でリメイクするという話があったけど、どうなっちゃったんでしょう? 立ち消えか?
(ついでにジョー・ライト監督といえば、イアン・マキューアンの 『贖罪』 を映画化した「Atonement」は日本ではいつ公開&どんな邦題なんだろう……)



12月の新刊メモ

『甘美なる危険』 マージェリー・アリンガム / 新樹社ミステリ (10日)
『ダイアナ・ウィン・ジョーンズ短編集 魔法!魔法!魔法!』 徳間書店 (18日頃)
『ジーヴスと恋の季節』 P・G・ウッドハウス / 国書刊行会
『ビーコン街の殺人』 ロジャー・スカーレット / 論創海外ミステリ
『テメレア戦記I 気高き王家の翼』 ナオミ・ノヴィク (ヴィレッジブックスの特集ページ/原書

ロジャー・スカーレットは、以前 『猫の手』 の感想文(こちら)に「長編全5作のうち残り2作 『ビーコン街の殺人(密室二重殺人事件)』 『白魔』 は古い雑誌に載った抄訳しかないので、読む機会はないかなあ。論創社あたりが新訳で出してくれるといいんだけど」って書いたんですが、まさかその通りになるとは! 『白魔』 もどうぞお願いします、論創社さま(笑)



[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)今はスタージョンの新刊をぼちぼち読んでいます。

そういえば、そろそろ「このミス」など、ミステリーのランキング本が出揃う頃ですね。ランキングにはそれほど興味ないけれど、各出版社の「わが社の隠し玉」はしっかりチェックしておかなくちゃね~。

2007.12.06 22:58 | Comments(0) | Trackback(0) | その他の話題・雑記

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
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