* Caramel Tea *

Reading Diary

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2006. 08. 31

3冊まとめて

8月の読了数は16作品全18冊でした。
いつもは一ヶ月に8~10冊ペースなので、約2倍ですね。
暑くて他のことやる気になれないから、寝転んで本ばかり読んでいたもんなあ。
気になっていた本をたくさん読めたのはいいんですが、感想書きが追いつかず…。
ここに個別に感想書くほどでもないかなという本の読了メモを載せておきます。
(あ、カテゴリーが「ミステリ&サスペンス」「怪奇小説&ホラー」「YA&児童書」とバラバラだ…)


Amazon.co.jp で詳細を見るAmazon.co.jp で詳細を見る『ボーン・コレクター(上)』 『ボーン・コレクター(下)』
The Bone Collector (1997)
ジェフリー・ディーヴァー / 池田真紀子 訳 / 文春文庫

首から下が麻痺した元刑事で科学捜査のプロと彼の目、鼻、手足となる女巡査が稀代の殺人鬼を追う。傑作ジェットコースターミステリ

前々から読んでみたいと思っていたリンカーン・ライムシリーズの一作目、やっと読みました。
終盤の意外な展開の連続はおもしろかったものの、これ一冊でお腹いっぱいって感じなので、続編を読むかどうかはわからない。



Amazon.co.jp で詳細を見るAmazon.co.jp で詳細を見る『ザ・キープ(上)』 『ザ・キープ(下)』
The Keep (1981)
F・ポール・ウィルソン / 広瀬順弘 / 扶桑社ミステリー

1941年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方。ドイツ軍に占領された中世の城塞に、ある夜、ただならぬ絶叫が響きわたった。地下室に駆けつけた兵士たちが見たものは、首を引きちぎられた仲間の無残な死体だった。さらに第2、第3の殺人が起き、恐慌をきたしたドイツ軍は、ユダヤ人の歴史学者クーザに調査を命じる。現場に残された古代文字を手がかりに殺戮者の正体を追うクーザの前にある夜、おぞましい異形の存在が姿を現わした。吸血鬼伝説とナチスの侵略という時代背景を巧みに融合させた伝奇ホラーの金字塔。

後半、吸血鬼伝説を飛び越して、太古から続く光と闇の対決になったあたりから興味が失せてきちゃった。
それと、父親クーザの付き添いとして一緒に城塞に来た娘マグダのキャラ造形が個人的に受け付けない。20そこそこの娘ならともかく、30過ぎてあの青臭さ・周りの見えてなさ・初心っぷりというのは……ゲゲーッ。



Amazon.co.jp で詳細を見る『最後の宝』
The Last Treasure (2003)
ジャネット・S・アンダーソン / 光野多惠子訳 / 早川書房
[ハリネズミの本棚]

先祖がのこした宝のありかと一族の秘密をさぐりだせ! 百年以上も昔、先祖が空き家にかくした3つの秘宝。ねむったままの最後の宝に、子孫の運命がかかっていた。お金に困った一族を救えるのは、はかりしれない価値をもつその宝だけなのだ。13歳の少年エルズワースはみなの期待を背負い、宝さがしに挑む。やがてあきらかになる、過去に秘められた真実とは。

2003年度エドガー賞ヤングアダルト部門の候補作。
エルズワースと親戚の少女ジェスの二人の宝探しの部分はおもしろいのだけど、一族の秘密が結局「子供を望みどおりにしたがる父親とそれに反発する息子」というありきたりなものなのがつまらない。
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2006.08.31 23:10 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

2006. 08. 31

『華氏451度』 レイ・ブラッドベリ

Amazon.co.jp で詳細を見るFahrenheit 451 (1953)
レイ・ブラッドベリ / 宇野利泰 訳 / ハヤカワ文庫
[ Amazon ]

華氏四五一度とは紙が自然発火する温度――その世界の法律が禁じた本を見つけしだい焼きすてる自分の任務に少しも疑問を抱かなかったモンターグが、初めてもった恐るべき秘密とは? 未来を詩の心でうたうSFの抒情詩人が、その持つ感受性と才能のすべてをうちこんで結晶させた不朽の名作!

未来の話として書かれていますが、この作品が書かれた1953年にはすでにその危機は存在しており、そして今も変わらず存在し続けているのだなあ。
……これ以上の感想を書くのは、著者の威を借りて説教する読者となってしまうのでやめとこ。

2006.08.31 23:08 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2006. 08. 30

『シャルビューク夫人の肖像』 ジェフリー・フォード

Amazon.co.jp で詳細を見るThe Portrait of Mrs.Charbuque (2002)
ジェフリー・フォード / 田中一江 訳 / ランダムハウス講談社
[ Amazon ]

好況に沸く19世紀末のニューヨーク。肖像画家のピアンボに突然声をかけてきたのは、両目が白濁した盲目の男。シャルビューク夫人の使いと称し、法外な報酬を口にして、肖像画の制作を依頼してきた。ただし、屏風の向こうで夫人が語る過去の話とその声だけで、姿かたちを推測しなければならない、という奇妙な条件付きで。謎の霊薬、人糞占い師、血の涙を流しては死に至る奇病の流行――夫人の荒唐無稽な語りを聞くようになってからというもの、ピアンボの周辺でも不可思議な事が次々と起こるようになり……。

途中から想像していたのとは違う方向に行ったけれども、おもしろかった。
シャルビューク夫人の語る奇妙な話や度重なる「偶然」がもたらす浮遊感、現実と幻想の境目の曖昧さ、「肖像画」という魅力的な題材、あちらこちらにちりばめられたギリシャ神話のモチーフの数々……。『白い果実』→感想) と同じく、少々グロテスクながらも幻想的な作品世界の雰囲気がなんだか心地よくて好み。それに、主人公の画家ピアンボ、恋人の女優サマンサ、友人シェンツ、そしてシャルビューク夫人と盲目の従者ワトキンなど、強烈というほどではないまでも穏やかな存在感を湛えた登場人物たち(いや、シャルビューク夫人は流石に「強烈」といえるか……)。
邦訳版の表紙絵に使われているのはジョン・シンガー・サージェントの「マダムXの肖像」。作中でもピアンボが憧れる存在としてサージェントの名前が登場するのだけど、ジェフリー・フォードはこの絵を見てこの話を思いついた……ということも在り得るのかな。私も初めて見たときから強い興味を持っている絵で(メトロポリタン美術館で実際に見ることができたときは嬉しかった)、「Madame X」という題名といい(誰がモデルかははっきりしているらしいけど)、想像力や好奇心をかきたてられる絵だよね。(そもそも「肖像画」という時点で興味をそそられる。肖像に描かれた人物について、どういう人だったか想像してみるのが好きなので。ロンドンのナショナル・ギャラリーの隣りに肖像画や肖像写真を集めたナショナル・ポートレート・ギャラリーという美術館があって、「教科書で見たことある」というような歴史的人物の有名な肖像画もたくさん展示されているんだけど、名前も知らないような人たちの肖像画を見てまわりながらあれこれ空想するのは非常に楽しかった)


▼ 文庫本化 (2008/03)
シャルビューク夫人の肖像 (ランダムハウス講談社文庫 フ 8-1)

* Tag : ジェフリー・フォード  歴史/時代もの  

2006.08.30 21:14 | Comments(0) | Trackback(0) | 海外文学

2006. 08. 28

『ペンギンは知っていた』 スチュアート・パーマー

Amazon.co.jp で詳細を見るThe Penguin Pool Murder (1931)
スチュアート・パーマー / 野中千恵子 訳 / 新樹社
エラリー・クイーンのライヴァルたち 1
[ Amazon ]

黒い傘に風変わりな帽子――生徒たちを引率して水族館へ見学に来たミス・ヒルデガード・ウィザーズ。ペンギン水槽で不思議な事件が起きる。凶器、目撃者、動機など、容疑者や被害者にまつわる謎はますますもつれていき、やがて事件は思わぬ方向へ…。パイパー警部の捜査に一役買って出た女教師の動きと推理が冴える……愉快でなつかしいミステリ。

ニューヨークの小学校教師ミス・ヒルデガード・ウィザーズものの長編一作目。
ミス・ウィザーズの卓抜した行動力と、ニューヨーク市警のオスカー・パイパー警部との息のあったやりとりがおもしろく、楽しく読めました。コージー・ミステリの先駆けともいえるかも。
しかし、「推理小説」としての出来は良いとは言い難い。非常に重要な殺人犯の証拠の品を見逃すというオマヌケを警察にやらせているし、中盤から読者には「犯人はこの人しかいないだろ」とわかりきった状態なのにミス・ウィザーズもパイパー警部も気づかないし(特に二つ目の事件に関しては無理があると思う)、犯人がボロを出してやっと犯人特定にこぎつけるという有様。もっとも、これが著者のデビュー作らしいので、こんなものなのかもね。
ずっと教師をしてきた39歳の女性という設定にしてはミス・ウィザードの人間観察が甘いように感じられるのは、作者が男性だからかな。女性作家が書いていたら、もっと手厳しいキャラになっていたでしょうね。

ミス・ウィザーズものの長編は本書しか翻訳がないけれど、短篇はいくつか翻訳されているみたいなので、探して読んでみたいと思います。(クレイグ・ライスとの共作もあって、マローンとミス・ウィザーズが共演しているそうで、それも読んでみたいなー)

2006.08.28 23:45 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2006. 08. 28

ペンギンは焼いていた

スチュアート・パーマー 『ペンギンは知っていた』 (新樹社ミステリー)を読み始めたのですが、アマゾンでこの本を検索しようとしたところ、こんな商品を見つけました。

Amazon.co.jp で詳細を見るEUPA ホットサンドメーカー TSK-2021

ペンギン型のホットサンドメーカー。
かわいい…。かわいすぎる。
しかも、1280円というお値段。
家にすでにホットサンドメーカーがあるのでなければ、早速買っているところです。
このEUPAというメーカーは初めて知ったのですが、かわいらしくて安価な電気製品をいろいろ出しているみたいですね。電気ケトルが1180円とか安いなあ…。

2006.08.28 00:12 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

2006. 08. 27

『敵は海賊・猫たちの饗宴』 神林長平

Amazon.co.jp で詳細を見る神林長平 / ハヤカワ文庫JA (1988)
[ Amazon ]

「くび!」 ラテルは自分の耳を疑った。黒猫型宇宙人アプロだけでなく自分までが広域宇宙警察をくびになるとは。彼らがいるかぎり対海賊課の評判は落ちる一方、損害賠償は増える一方だというのだ。チーフ・バスターの紹介で出向いた再就職先で一匹と一人を待ちうけるのは稀代の宇宙海賊匋冥、その武器は人間でもコンピュータでも“猫”にしてしまうCATシステムだった! てんやわんやのアプロとラテルの活躍、好評第2弾!

対海賊課のお騒がせ刑事ラテルとアプロが主人公の「敵は海賊」シリーズ2作目。
最近「○○かわいい」という言葉が流行っていますが、黒猫型異星人アプロには「凶悪かわいい」という形容詞を進呈したい。食い意地は張ってるわ、口は悪いわ、海賊よりも凶暴だわでメチャクチャなんだけど、黒猫型というだけで、そんなところすらラブリーに思える(笑)。
前作 『敵は海賊・海賊版』 に比べてストーリーらしいストーリーはあまりないけれど、ラテル・アプロ・ラジェンドラ(対コンピューター戦闘用宇宙船)・マーシャ(見習い刑事)の4人のどつき漫才のような会話や宇宙規模でのドタバタっぷりを満喫できる作品。すべてを猫に変えてしまう幻想マシン「CATシステム」の存在も楽しい。

2006.08.27 23:15 | Comments(0) | Trackback(0) | 国内作品

2006. 08. 20

『でかした、ジーヴス! ウッドハウス・コレクション(5)』

Amazon.co.jp で詳細を見るVery Good, Jeeves! (1930)
P・G・ウッドハウス / 森村たまき 訳 / 国書刊行会
[ Amazon ]

前巻 『ウースター家の掟』 が積んだままになっているんですが、このシリーズは長編よりも短篇のほうが好きだし読みやすいので、先にこちらを読みました。全11篇収録の短篇集。
――ジーヴスの策士っぷりというか腹黒度がどんどん凶悪になっているような気が(笑)。「シッピーの劣等コンプレックス」「犬のマッキントッシュの事件」「ちょっぴりの芸術」あたりの、バーティーに対する情け容赦のなさがたまりません。
そのバーティーは……あいかわらず「懲りないひと」だなあ、と(笑)。「シッピーの劣等コンプレックス」のまるでコントなオチにはさんざん笑わせてもらいました。イギリスにも日本の黒板消し落としみたいないたずらがあるのね(笑)。
しかし、その一方で、翻訳がどんどん雑になってない? 「グリップをなくしている」「銀幕のエンターテインメントをエンジョイ」とかはまだしも、「ヒューマン・インタレスト・ストーリー」はちょっとひどいと思うんだけど。


ところで、これだけたくさんの短篇があると、登場人物が頭の中でごちゃごちゃになってきます。シリーズ全体の登場人物リストがあるといいんだけどな。海外サイトなら探せばありそうだけど、日本語版となるとないかなあ。うーん、欲しけりゃ自分で作るしかないんだろうか…。

※ 結局、自分で作りました… →ジーヴス・シリーズ登場人物リスト

* Tag : P・G・ウッドハウス  

2006.08.20 23:58 | Comments(4) | Trackback(0) | 海外文学-20世紀前半

2006. 08. 17

『砂漠で溺れるわけにはいかない』 ドン・ウィンズロウ

Amazon.co.jp で詳細を見るWhile Drowning in the Desert (1996)
ドン・ウィンズロウ / 東江一紀 訳 / 創元推理文庫
[ Amazon ]

無性に子どもを欲しがるカレンに戸惑う、結婚間近のニールに、またも仕事が! ラスヴェガスから帰ろうとしない八十六歳の爺さんを連れ戻せという。しかし、このご老体、なかなか手強く、まんまとニールの手をすり抜けてしまう。そして事態は奇妙な展開を見せた。爺さんが乗って逃げた車が空になって発見されたのだ。砂漠でニールを待ち受けていたものは何か? シリーズ最終巻。

『ストリート・キッズ』 から始まったニール・ケアリーシリーズもついに最終巻。とはいっても、「番外編」って感じでごくごく軽いノリなので(短いし)、こっちも「んまあ、あのニールくんが結婚するの!?」と近所のお姉さん(ちょっと年上、彼のことはまだ赤ちゃんだった頃から知ってます、的存在を想定)の感覚で、軽く楽しむのが良なんじゃないだろうか。
でも、この終わり方だと、まだまだ続編いけるような…。と思ったら、解説によれば、ウィンズロウは「そう遠くない未来にこのシリーズを再開するつもりでいる」と1999年のインタビューで答えているのだとか。ちょうど現在、一作目の映画化作品が製作中らしいので、これを機に…とかちょっと期待してみる(映画のほうは、どうなんでしょう…って感じですが)。ついでに、続編出すならシリーズ前半3作に並ぶクオリティーの作品だといいな、とずうずうしい期待もしてみる。

2006.08.17 23:27 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2006. 08. 12

読書中の本 『怪盗紳士ルパン』

小学生のときに子供向けのものを何作か読み、中高生になってから文庫でシリーズ作品の大半を読んだアルセーヌ・ルパン。
早川書房がルパンシリーズの新訳刊行を始めたので(といってももう一年前だけど。年2冊ペースで長編・短篇集合わせて全21冊刊行予定だとか ※ミステリ・マガジン2005年11月号「ルパン生誕百周年」より)、これを機に読み直してみることに。

新訳だとやっぱり読みやすい(翻訳者はアルテを訳している方ですね)。新鮮な気持ちで読めます。
基本的に「ルパンが誰に化けているか」という話が大半なのだけど(読者にはだいたい途中で見当がつく)、訳者あとがきで指摘されているように心理トリックが多用されていたことに驚く。ただの外見的な「変装」だけでなく、騙す相手の深層心理を利用したり、巧みな心理操作を行なったりして、相手が疑問を持たないようにしてしまうわけ。うーん、さすがルパン、頭脳派ですね。かっこいい。

ところで、本書の旧訳がポケミスに入っているのだけど、そのタイトルが 『強盗紳士ルパン』 …。「強盗」って時点で、「紳士」じゃないと思うよ(笑)



Amazon.co.jp で詳細を見る『怪盗紳士ルパン』
Arsène Lupin Gentleman Cambrioleur (1907)
モーリス・ルブラン / 平岡敦 訳 / ハヤカワ・ミステリ文庫

大西洋を行く客船プロヴァンス号に無線が入った。「貴船にルパンあり。一等船客、金髪、偽名はR…」。あの怪盗紳士がこの船に! いったい誰がルパンなのか? 船客たちは恐怖と興奮に沸きたつが――世界に知らぬ者なきヒーローが誕生した記念すべき「アルセーヌ・ルパンの逮捕」など、傑作九篇を収録。ルパンの前にルパンなく、ルパンの後にルパンなし。変幻自在、神出鬼没、快刀乱麻の怪盗の活躍を、最新訳で贈る第一弾。

2006.08.12 23:24 | Comments(5) | Trackback(1) | ミステリ&サスペンス

2006. 08. 10

『チョコレートコスモス』 恩田陸

Amazon.co.jp で詳細を見る恩田陸 / 毎日新聞社 (2006/03)
[ Amazon ]

幼い時から舞台に立ち、多大な人気と評価を手にしている若きベテラン・東響子は、奇妙な焦りと予感に揺れていた。伝説の映画プロデューサー・芹澤泰次郎が芝居を手がける。近々大々的なオーディションが行われるらしい。そんな噂を耳にしたからだった。同じ頃、旗揚げもしていない無名の学生劇団に、ひとりの少女が入団した。舞台経験などひとつもない彼女だったが、その天才的な演技は、次第に周囲を圧倒してゆく。

恩田陸版 『ガラスの仮面』? 「飛鳥、恐ろしい子…!(白目)」って感じで。(お約束)
『ガラかめ』 は中学生くらいのときに友達が文庫版を全巻貸してくれて、夢中になって読んだのだけど、ひとつだけ大きな不満を感じたのが、自分の役に没頭しきっているマヤが「舞台全体の調和」というのをまったく考えていないことだった。たとえばマヤが初めて舞台に立った学芸会、マヤは素晴らしい演技だったけれども、あれ、端役ひとりが悪目立ちしてしまってお芝居全体としてはグタグタでしょう(当時、「船頭多くして山に登る」みたいな演劇部の部員だったため、特にその点が気になったわけ/笑)。恩田陸も同じことを考えていたようで、飛鳥が初舞台で迫真の演技を見せたものの「芝居の雰囲気を壊した」と不評だった…という場面からそれがうかがえる。
全体としては、恩田作品にありがちな破綻部分がない代わりに平板に感じられて、最後まで作品世界にひきつけられるということがなかった。やっぱり演劇は実際に劇場で観るに勝ることはない、と思ってしまうなあ。演じる側・観る側の陶酔感というのは、文字で読んでもどうもピンとこない。

この本読んで、久しぶりに舞台を観に行きたくなったよ。東京に住んでいたときは、あちこちの劇場に行けてよかったなあ。今じゃ、チケット代よりも東京や大阪への遠征費用のほうがはるかに高くついてしまうよ…。

2006.08.10 22:15 | Comments(0) | Trackback(0) | 国内作品

2006. 08. 09

『ノックは無用』 シャーロット・アームストロング

Amazon.co.jp で詳細を見るMischief (1950)
シャーロット・アームストロング / 藤瀬恭子 訳 / 小学館文庫
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ニューヨークのホテル・マジェスティックの807号室に投宿したO・ジョーンズ一家。夫妻はパーティーに出席するため、エレベーター係エディーの姪ネルに9歳になる娘バニーのベビーシッターを頼む。やってきたネルは陰気な娘だった。一方、恋人と喧嘩してむしゃくしゃしていた812号室の青年ジェドは、窓から見えた向かいの部屋の若い女に興味を持ち、女の誘いにのって807号室へとやってきたが…。

精神異常のべビーシッターの若い娘と、彼女が引き起こす事件に巻き込まれた人々を描いたサスペンス。マリリン・モンロー(ネル役)とリチャード・ウィドマーク主演の1952年の映画の原作。
シャーロット・アームストロングの作品は、優れたもの(『毒薬の小壜』だとか)とあまりパッとしないものとにハッキリ分かれがちだと思うんだけど、これは後者。

数年前の小学館文庫って、アームストロングとかラインハートとかキャスパリとか、古めの女流サスペンスを何冊か出してくれたのはありがたかったんだけど、翻訳があまりよくないように思える。

2006.08.09 23:45 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2006. 08. 05

読書中の本 『グッドラック―戦闘妖精・雪風』

『戦闘妖精・雪風<改>』 があんな終わり方してるんじゃ続き読まずにはいられないでしょ、ってわけで、続けて 『グッドラック』 を再読中。

この続編も読み応えがあってとてもおもしろいのだけど、研ぎ澄まされた鋭さと冴えを感じさせる前作に比べると、ずいぶん饒舌に思える。



グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
神林長平 / 早川書房

突如、地球への侵攻を開始した未知の異星体ジャム。これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリイ星に派遣、特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へと転送する――もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機械の相克を極限まで追求したシリーズ第2作。

2006.08.05 23:00 | Comments(0) | Trackback(0) | 国内作品

2006. 08. 03

読書中の本 『戦闘妖精・雪風<改>』

只今、『戦闘妖精・雪風<改>』 を再読中。

初読時にその物語世界に引っ張り込まれたうえに引きずり回されたような衝撃を受けた作品ですが、今回読み返していて、「素晴らしい作品だなあ」という思いを新たにさせられています。
「人間と機械」だとか「自分と世界の関係」だとか、読んでていろいろ考えちゃうよ。
戦闘機のメカニック関連など、私にはまったくチンプンカンプンな専門用語が乱れ飛んでいるのだけど、そのあたりを理解できなくても十二分におもしろい。

「非人間的さ」が強調されている主人公・深井零ですが、上官かつ親友のブッカーとのやりとりなどを見ると、それほど「非人間的」だとは思えないんだよなー。特に、愛機・雪風への熱烈なラブっぷりはなんなのよ、もう。「雪風を見ながら経過する十五、六分は長くはなかった」とかさー、惚れ込みすぎですよ、深井中尉(笑)
(まあ、零には雪風しか信用し愛せるものがない、ということの裏返しでもあるんだけどね…)



戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)
神林長平 / 早川書房

南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける特殊戦の深井零。その任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情かつ冷徹なものだった―。発表から20年、緻密な加筆訂正と新解説・新装幀でおくる改訂新版。

2006.08.03 23:54 | Comments(0) | Trackback(0) | 国内作品

2006. 08. 02

『陶人形の幻影』 マージェリー・アリンガム

Amazon.co.jp で詳細を見るThe China Governess (1963)
マージェリー・アリンガム / 佐々木愛 訳 / 論創社
論創海外ミステリ25
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名門キニット家の跡取りである青年ティモシーは、最愛の女性ジュリアと婚約間近だったが、自分がキニット家とはまったく血のつながりがないことを知らされて衝撃を受ける。自分の出自を突き止めようと行動を始めたティモシーだが、行く先々で不可解な出来事が起こり…。

毎回「地味だ」「地味だ」と言いながら、なぜかついつい読んでしまうアリンガム。
でも今回、意外な展開を見せる終盤まで読んで、やっとアリンガムの魅力の一端がつかめたような気がした(もっとも「探偵小説」としてではなく「小説」として、だけど)。原題の "The China Governess (家庭教師の陶人形)" が予想外な意味を持って再登場し、またそれまでの登場人物たちの性格描写が伏線となっていたことがわかる、そのあざやかさにはハッとさせられました。
ただ、それまではティモシーが自分の出自を突き止めようとする普通小説の趣が強く、1963年に書かれた作品にしては時代錯誤な話だな、と思ってしまう(いくらイギリスが現在も階級社会だとはいえ…。ついでに、明らかになるティモシーの出自についてもなんともヴィクトリア朝小説風)。また、特権階級意識に凝り固まったキニット家の人々、押し付けがましくて騒々しいティモシーの元ナニーのブルーム夫人など、登場人物はうっとうしい人たちばかりで、唯一まともなジュリアの存在が清々しく感じられる。
ついでに、この作品、一応アルバート・キャンピオンものなんですが、例によって、キャンピオンはあっちへ行ったりこっちへ行ったりしているだけ。


刊行がのびのびになっていた国書刊行会の 『屍衣の流行』 は、9月に発売が決まったみたいですね。藤原編集室さんのところで表紙画像も見られるようになってる。またついつい読んでしまうことになるんだろうけど(笑)、「世界探偵小説全集」「代表傑作」ということでちょっと期待。

* Tag : 論創海外ミステリ  

2006.08.02 23:57 | Comments(4) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
[ 管理人 : Rie ]

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