* Caramel Tea *

Reading Diary

--. --. --

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- --:-- | スポンサー広告

2006. 05. 31

『その歌声は天にあふれる』 ジャミラ・ガヴィン

Amazon.co.jp で詳細を見るCoram Boy (2000) 
ジャミラ・ガヴィン / 野の水生 訳 / 徳間書店
[ Amazon ]

舞台は十八世紀の英国。望まれない赤ん坊をロンドンにある「コーラム養育院」に連れていく、慈善の仲買人として知られていた行商人オーティスには、実は恐ろしい裏の顔があった。残忍な仲買人の父と汚れなき魂を持つ息子ミーシャク、彼が天使と慕う少女メリッサ、過酷な運命の下、音楽家になる夢を追う少年たち…。様々な人物が織りなす愛と友情、絆と葛藤。物語を彩る音楽の描写が美しい余韻を残す、痛ましくも力強い群像劇。

1740年代のイギリスを舞台に、当時の子供たちを取り巻く過酷な実情(人身売買・命の軽視など)を、音楽を絡めて描いた作品。とはいっても、ことさらに告発的なものではなく、物語性を重視した話なので読みやすかったです。
帯の惹句には「文豪ディケンズを彷彿とさせる」とありますが、確かに 『オリバー・ツイスト』 にかなり似ている感じ。「勧善懲悪」というところは踏襲していないけれども。「懲悪」の部分は別にかまわないんだけど、2名ほど、報われてほしいのに報われずに終わってしまう登場人物がいるのは、あまりにかわいそうだ…。
18世紀イギリスの描写が、単なる雰囲気だけではなく、土台がしっかりしていて手堅く自然な感じがするところが好ましい。安心して物語世界に身を委ねることができるので、「18世紀英国」と「児童文学」、このふたつに関心がある人にはお勧めしたい作品です。

続きを読む »

スポンサーサイト

* Tag : 歴史/時代もの  

2006.05.31 23:15 | Comments(0) | Trackback(0) | YA&児童書

2006. 05. 30

『九死に一生ハンター稼業』 ジャネット・イヴァノヴィッチ

Amazon.co.jp で詳しく見るTo the Nines (2003)
ジャネット・イヴァノヴィッチ / 細美遙子 訳 / 扶桑社ミステリー
[ amazon ]

期限付きの就労ビザで働いていたインド人青年シンハが行方不明。コンピュータおタクだが真面目な彼を見つけるために、あたしはシンハの職場だったスロットマシン部品製造会社に赴いた。オーナー三兄弟の次男はかつて殺人容疑で告訴されたことがある、っていうのもなんだか怪しい。捜査を進めていくうちに、あたしのところには謎の花束と死体の写真、「鬼ごっこだよ。おまえが鬼だ」というメッセージが。こっちが標的になっちゃったの!? 危機一髪のシリーズ第九弾。

バウンティー・ハンターのステファニー・プラムシリーズ9作目(8作目との間に番外編 『お騒がせなクリスマス』 あり)。
なんだか最近の作品ではステファニー、一方的にやられっぱなしじゃない? まあ、レンジャーの助けを借りないと太刀打ちできないほど、ステフが相手にする連中がイカレてるってことなんだけど。(トレントン、どれだけ変態多いんだよ)
しかし、その他の部分ではあいかわらず抱腹絶倒、楽しかった~。ルーラはおかしなダイエットをやっているし、姉ヴァレリーはもうすぐ赤ちゃんが生まれそうだし、ステフとルーラとコニーの三人でシンハを追ってラスヴェガスへと珍道中を繰り広げることになるし。そして今回、ステファニーは車は壊しませんが、「あるもの」を次々と壊すことになるのでした。凄すぎるよ、ステフ(笑)

2006.05.30 22:59 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2006. 05. 23

『異色作家短篇集10 破局』 ダフネ・デュ モーリア

Amazon.co.jp で詳しく見るThe Breaking Point (1959)
ダフネ・デュ モーリア / 吉田誠一 訳 / 早川書房
[ amazon ]

収録作 : 「アリバイ」「青いレンズ」「美少年」「皇女」「荒れ野」「あおがい」

大好きな 『レベッカ』 (ヒッチコック監督の映画版も大好き)の作者、デュ・モーリアの短篇集。そういえば、デュ・モーリアの長編はいくつか読んでいるけど、短篇を読むのはこれが初めてだ。(『鳥』 は読みそびれてます)
短篇集というと収録作のうちのひとつが表題作となっていることが多いけれど、この 『破局』 というのは短篇集全体につけられた題名のようで、6篇すべてがその名のとおり、破局がゆっくりとしかし確実に迫ってくる話です。(原題の "The Breaking Point" だと「限界点」って感じだけど)
ストーリー自体はオーソドックスなものが大半なんですが(あと、寓話的な話が多い)、限界点へとじわりじわりと突き進んでいく主人公たちの心理が端正な文章で細やかに、かつシビアに描き出されているのは、さすがデュ・モーリアといったところ。「青いレンズ」の主人公が疑いと恐怖に徐々に追い詰められていく様子、「美少年」のヴェニスの幻想的な描写とそれに眩惑されていく中年男…。
でも、正直言うと、私はデュ・モーリア作品は短篇よりも長編のほうが好みだな…。

ところで、今回の復刊に際して追加された解説で、2004年6月刊行の 『レイチェル』 (創元推理文庫)にまったく触れていないのはどうしてなんだろう。「第二の『レベッカ』ともいえそうな『愛と死の記録』(三笠書房)」という記述はあるにも関わらず。それの新訳で文庫でもある 『レイチェル』 のほうが、ずっと入手が容易で読みやすいのに。

* Tag : ダフネ・デュ・モーリア  

2006.05.23 23:21 | Comments(2) | Trackback(0) | 海外文学

2006. 05. 20

『バビロンまでは何マイル』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

Amazon.co.jp で詳細を見る Amazon.co.jp で詳細を見る
Deep Secret (1997)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ / 原島文世 訳 / 東京創元社
[ Amazon:上 ] [ Amazon:下 ]

魔法管理官ルパート・ヴェナブルズは、内心うめき声をあげた。旧ユーゴと北アイルランドの平和に奔走して帰ったばかりだというのに、今度は担当世界のひとつコリフォニック帝国の非公開の法廷への立ち会いだ。いやなことは重なるもので、家に戻ったとたん、マジドの師スタンが死にかけているという知らせが…。てんやわんやのコリフォニック帝国と、地球での新人マジド選び、ふたつの世界での難題を同時に抱え込んだルパートの運命やいかに? 英国ファンタジーの女王が贈るとびきり愉快な物語。『花の魔法、白のドラゴン』(徳間書店刊)前日譚。

読了。

2006.05.20 23:12 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2006. 05. 16

ニール・ケアリーシリーズ最終巻

東京創元社メールマガジン 近刊案内(2006年7月刊行予定分)より

【創元推理文庫】(海外ミステリ)
◇『砂漠で溺れるわけにはいかない』 ドン・ウィンズロウ著/東江一紀訳
結婚式直前のニールにもたらされた任務とは? シリーズ完結編

あ、もう出るんだ。4作目と5作目の間は結構早かったですね。『ウォータースライドをのぼれ』 の解説によれば、「シリーズ完結編」というか後日談的な話のようだけど。
(※ 6月のメルマガの近刊案内によると、8月に発売が延びたみたい…?)

今読んでいる本は、同じ東京創元社のシリーズもので、これまた同じく朝倉めぐみさん表紙絵のリディア・チン&ビル・スミスシリーズ6作目 『春を待つ谷間で』 (S・J・ローザン)。
このシリーズは毎回、ニューヨークのあちこちでリディアがあれこれと食べまくっているのがとてもおいしそうなんですが、今回はビル視点、しかもニューヨークから離れた土地が舞台なのでした。(でも、ビルもいろいろとおいしそうなもの食べてるね・笑)

2006.05.16 22:27 | Comments(0) | Trackback(0) | 気になる新刊・近刊

2006. 05. 15

『ゴールデン・フライヤーズ奇談』 J・S・レ・ファニュ

Amazon.co.jp で詳しく見るThe Haunted Baronet (1871)
J・S・レ・ファニュ / 室谷洋三 訳 / 福武文庫
[ amazon ]

三方を山に囲まれた美しい湖畔の村、ゴールデン・フライヤーズ。そこでは名門マーダイクス家とフェルトラム家が代々栄えていたが、やがてフェルトラム家は零落し、その最後のひとりである若い女性をマーダイクス家の当主が湖での溺死に追いやったという噂が村では囁かれていた。それからおよそ100年後、ただひとりフェルトラム家の血を引く若者フィリップ・フェルトラムは、マーダイクス家の現当主ベイル准男爵に使用人としてこき使われる生活に甘んじていた。しかしとうとうベイル准男爵の横暴な仕打ちに耐え切れなくなり、ある嵐の夜、屋敷を飛び出してボートで湖へと出たフィリップだったが、湖に転落し、死んだ状態で屋敷に運び込まれる。数時間後、フィリップは突然息を吹き返すが、以前とはまったく違う人間になっていた…。

レ・ファニュの死の二年前に書かれた作品で、ノーサンプトン州の架空の村ゴールデン・フライヤーズを舞台にした3つの話(Chronicles of Golden Friars)のうちのひとつ。怪奇小説というよりも、名門マーダイクス家とフェルトラム家の昔話めいた因縁話かな。幻想的なシーンもいくつかあり、特に、フィリップに導かれて不気味な森の奥へと踏み入ったベイル准男爵が不思議な老人ふたりに出会う場面は、さながらファンタジー小説のよう。
全体としては、短篇小説を中篇に引き伸ばしたような感じでやや肩透かし、かつ、なんだかよくわからない話でした。現実と非現実の境があやふやで、いくつもの出来事について説明されずに話が進み、答えが与えられないまま唐突に終わってしまう。おまけに、「フェルトラム家の血筋を引く者で生き残っているのはフィリップだけ」なはずだったのに、途中でインドへ行っていた弟が登場したりと支離滅裂な部分もあるし。

* * * * * * * * * *

ところで以前、レ・ファニュの 『墓地に建つ館』 を読んだときに(本の感想はこちら)、「訳者あとがきに<1868年の作とされる『The Wyvern Mystery(ワイヴァーンの謎)』は、ブロンテ姉妹に影響を与えたとされる作品である>って書いてあるけど、1868年にはブロンテ姉妹は全員死んじゃってるよ。どうなってんの」という内容の文章を書いたのですが(この記事)、その後、白ぶーさんからそのことについてコメントをいただきました。
それによると、ブロンテ姉妹に影響を与えたとされるレ・ファニュ作品は、1839年発表の中篇 『A Chapter of the History of a Tyrone Family(タイローン州のある名家の物語)』 で、『Wyvern Mystery』 はレ・ファニュが晩年になってから 『タイローン州~』 を長篇化した作品、なんだそうです。
(コメント全文はこちらを御覧ください。白ぶーさん、ありがとうございました)
で、数日前に、『怪奇小説傑作集1』 (創元推理文庫)の巻末の平井呈一氏の解説を読んでいたら、そこにもそのことが書いてありました。「ある研究家によると、シャーロット・ブロンテは長編 『ジェイン・エア』 の構想をレ・ファニュの短編「タイローン州のある名家の物語」から得ているといい、また、エミリー・ブロンテの 『嵐が丘』 も、レ・ファニュの長編 『アンクル・サイラス』 の焼き直しだと言われています」とのこと。(『嵐が丘』 と 『アンクル・サイラス』 についてはちょっと納得しかねるが。そんなに類似点あったかなー?)
「タイローン州のある名家の物語」は 『レ・ファニュ傑作集』 (国書刊行会)に収録されているそうなので、そのうち読んでみたいと思います。

* Tag : レ・ファニュ  

2006.05.15 23:53 | Comments(6) | Trackback(0) | 海外文学-19世紀

2006. 05. 09

『ハイヒールの死』 クリスチアナ・ブランド

Death in High Heels (1941)
クリスチアナ・ブランド / 恩地三保子 訳 / ハヤカワ・ミステリ文庫
[ Amazon ]

新しい支店を誰が任されるか老舗ブティックは噂で持ちきりだ。筆頭候補は仕入部主任で才色兼備のミス・ドゥーンだが、実際に選ばれたのはオーナーの美人秘書。店員間では冗談まじりに秘書毒殺計画が囁かれたが、その直後、ミス・ドゥーンが毒殺された。この事件の担当になったのは美女に滅法弱いハンサムなチャールズワース警部。冷酷な毒殺犯は美女揃いのブティック内にいる!? 女流本格の第一人者の記念すべきデビュー作。

一年ほど前に 『はなれわざ』 (→感想)を読んで「クリスチアナ・ブランドの翻訳されている作品は全部読もう」と決意した私。未読のものを発表順に読破していくことにして(クリスピンでも同じことやってる最中です。一年に一作くらいのペースでのんびりと)、まずはデビュー作から読んでみたんですが…。
あんまりおもしろくなかった…。最後に大どんでん返しはあるのだけど、そこに至るまでがなんだか平坦。
そもそも、探偵役の若い男(この作品の場合はチャールズワース警部)が容疑者のひとりである女性に恋をし、たいした根拠もなく「彼女が犯人のはずがない!」とわめいて、冷静に捜査ができなくなる、っていうのが私は大嫌いなんだよ~!(この場合に限っては、ヴァン・ダインの「探偵小説二十則」の「恋愛を持ち込むな」という主張にものすごい勢いで同意したくなる・笑)

そういえば、今公開中の映画 「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」 は、クリスチアナ・ブランドが書いた児童文学が原作なんだそうですね。

2006.05.09 22:59 | Comments(2) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2006. 05. 04

『見つめる家』 トム・サヴェージ

Amazon.co.jp で詳細を見るThe Inheritance
トム・サヴェージ / 奥村章子 訳 / 早川書房(ミステリアス・プレス文庫)
[ Amazon ]

24歳の平凡な娘ホリーは、ある日突然、莫大な遺産の相続人となった。だが、彼女が訪れた壮大な屋敷には、叔父夫婦のほかに謎めいた老人や敷地内をさまよう女性がおり、不気味な雰囲気が漂っていた。やがて、ホリーが亡き生母の人となりを探るうち、恐るべき事実が明らかに…。『崖の家』の実力派が放つ、二転三転の展開、衝撃の結末のゴシック・サスペンス。

読了。

2006.05.04 23:27 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

2006. 05. 01

『死のバースデイ』 ラング・ルイス

Amazon.co.jp で詳しく見るThe Birthday Murder (1945)
ラング・ルイス / 青柳伸子 訳 / 論創海外ミステリ44
[ amazon ]

脚本家ヴィクトリアの再婚相手は、映画プロデューサー。二人の共同作業となる映画の企画も着々と進行し、順風満帆と思われていたのだが…。ヴィクトリアの誕生日当日の朝、夫は客間で死んでいた。死因は毒殺。同じく毒殺死を題材とする新作を書いた彼女に疑惑の目が向けられた。事件は、悲劇と呼ぶにふさわしい結末を迎える。古典五十傑にも選ばれた、本邦初紹介作家の傑作本格ミステリ。

訳のせいで、話の内容に集中できなかった……。訳が下手、というくらいなら読んでいるうちに慣れてくるけど、翻訳者の自己主張が激しすぎる訳文で、最後まで気になって気になって仕方がありませんでした。
何の脈絡もなくオネエ言葉や大阪弁をしゃべらされる登場人物が出てくるのはまだ序の口。「てにをは」が省略され、句読点でぶつ切りにされた会話文(特に主人公ヴィクトリアを始めとする女性陣)。自然な会話文を目指したつもりなのかもしれないけど、「~なんだけどな」「~じゃないかな」多用もあいまって、34歳のやり手の脚本家のはずのヴィクトリアが、まるで舌っ足らずの女子高生みたい。他にも「むかついた」などの若者言葉が使われている一方で、「会ってびっくり玉手箱」「よろめき」など、いつの時代だよ、と思ってしまうような言葉が出てくる。
とにかく、「軽快で読みやすい、いまどきの訳文に」と張り切った挙句やりすぎてしまった、という印象。現代のコージーミステリーとかならともかく、60年も前の作品なのだから別に「今っぽく」訳す必要なんてないのに。そもそも、論創海外ミステリを手に取る人たちというのは、カビの生えたような古めかしい訳文にも慣れきっているような人ばかりだろうしね……。

作品自体についての感想は書かないでおきます。他の翻訳者の訳で読んでいたら、作品のイメージ(特に登場人物たちのイメージ)が大きく異なっていたのではないか、と思えて仕方がないので。
この作品は、ロサンゼルス市警のリチャード・タック警部補を探偵役としたシリーズのなかのひとつで、他の作品も翻訳の予定があるらしいけど、その際には訳をどうにかしてください……。

* Tag : 論創海外ミステリ  

2006.05.01 23:54 | Comments(0) | Trackback(0) | ミステリ&サスペンス

* Site Info

読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
[ 管理人 : Rie ]

* Search

* Recent Entries

* Categories

* Tag List

* Archives

* Other


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。