2006年03月の記事一覧
- 2006-03-29 『白薔薇と鎖』 [ミステリ&サスペンス]
- 2006-03-25 『灰色の魂』 [海外文学]
- 2006-03-21 『トワイライト 1〜3』 [YA&児童書]
- 2006-03-15 『つきまとう死』 [ミステリ&サスペンス]
- 2006-03-10 「ベルガリアード物語 1〜5」 [SF&ファンタジー]
- 2006-03-08 新刊メモ [気になる新刊・近刊]
- 2006-03-02 『ヴードゥーの悪魔』 [ミステリ&サスペンス]
- 2006-03-01 気になる近刊 [気になる新刊・近刊]
2006. 03. 29
『白薔薇と鎖』
The White Rose Murders (1991)ポール・ドハティ / 和爾桃子 訳 / ハヤカワ・ポケットミステリ
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時は16世紀初頭、ヘンリー8世の御世。ロジャー・シャロットは絞首刑になりそうだったところを、ウルジー枢機卿の甥である旧友ベンジャミン・ドーンビーに助けられ、以後彼に従者として仕えていた。1517年、ベンジャミンは枢機卿から、ロンドン塔に監禁されている医師セルカークから話を聞きだすように命じられる。故ジェームズ4世の元侍医だったセルカークが、スコットランド王室にまつわる重大な秘密を握っているというのだ。ロンドン塔にはまた、スコットランドから逃亡中のジェームズ4世王妃マーガレットとその家臣たちが滞在中だった。そんななか、密室状態の独房でセルカークが毒殺され、後には白い薔薇と謎の暗号詩が…。90歳になったロジャーが語る、若き日の初めての冒険。
歴史ミステリの人気作家として名前だけはあちらこちらで目にしていたポール・ドハティ、やっと邦訳が出ました。他に、ヒュー・コーベットシリーズ(13世紀/エドワード1世時代)、アセルスタン修道士シリーズ(14世紀後半)などが有名らしいけど、これは密偵ロジャー・シャロットシリーズの最初の作品。
密室殺人が出てくるもののそれは添え物程度(トリックは単純で肩透かしな印象)、イギリス&スコットランド史ミステリ+冒険活劇といった感じで、陰謀だの刺客だの怪しげな尼僧院だの、かなり娯楽小説色が強い。最初のうちは大法螺&下ネタ炸裂のロジャーの語り口に辟易していたのですが、だんだんおもしろくなり、最後のほうはかなりのめりこんで読んでいました。
歴史ミステリ部分(スコットランド国王ジェームズ4世の死の謎)も楽しかったけれど、なんといってもいちばんだったのは、お人好しの天然に見えて実は一筋縄ではいかないベンジャミンと、主人の世間知らずぶりをカバーしようとして結局裏目に出るロジャーの、親友同士にして主従な名コンビぶり(主人公&語り手はロジャーだけど、謎を解くのは主にベンジャミン。ロジャーも単なるワトソン役で終わってはいませんが)。この二人の話がもっと読んでみたいので、続編もぜひ翻訳してもらいたいなあ。
ところで、ベンジャミンとロジャーが暗号詩の最初の部分の意味になかなか気づかないというのは、ちょっと不思議。……私が下世話すぎるのか、とも思ったけど、ロジャーより下世話ってことはないよな(苦笑)
* Tag : ポール・ドハティ(ドハティー)
2006. 03. 25
『灰色の魂』
Les Ames Grises (2003) フィリップ・クローデル / 高橋啓 訳 / みすず書房
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凍えるような冬の川辺に美少女の死体が上がった。戦下の小さな町を舞台に絡まりあう人間模様。フランス読書界を驚嘆させた哀切きわまりないベストワン小説。
読了。
2006. 03. 21
『トワイライト 1〜3』

トワイライト (1) 愛した人はヴァンパイア
トワイライト (2) 血は哀しみの味
トワイライト (3) 闇の吸血鬼一族
Twilight (2005)
ステファニー・メイヤー / 小原亜美 訳 / ソニーマガジンズ
雨と霧の街フォークスに転校してきたイザベラは、異彩を放つひとりのクラスメートに惹かれていく。だがその美しいゴールドの瞳には、恐ろしい秘密が隠されていたのだった…。ヴァンパイア・ロマンスシリーズ第1弾。
読了。
2006. 03. 15
『つきまとう死』
And Death Come Too (1958)アントニー・ギルバート / 佐竹寿美子 訳 / 論創社
論創海外ミステリ39
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弁護士アーサー・クルックは、疑惑の渦中の人物としてルース・アップルヤードの名を三度聞いた。一度目は実父から毒殺未遂で訴えられた被告として、二度目は不審な事故死を遂げた男の未亡人として。そして今度は嫌われ者の大金持ちの老女の話し相手に雇われ、老女が親族を差し置いてルースに多額の遺産を残そうとしたとき、再び事件が起こった。果たしてルースは殺人者なのか、それとも限りなくクロに近いシロなのか…?
アントニー・ギルバート(男性名だけど女性作家)の弁護士探偵アーサー・クルックもの。
世界探偵小説全集の 『薪小屋の秘密』 がなかなかおもしろかったので、これも読んでみようと思ったんですが……あーあ、私の嫌いな方向へ行っちゃった…。要は「ルースはクロか、それともシロか」という話で、ギリギリまでその尻尾を掴ませないところはさすがなんだけど…。
【以下、ネタバレにつき反転】
全体的に、『薪小屋の秘密』 とよく似た印象を持ちました。事件が起こるまでの人間関係の描写に物語の約半分を費やしているあたりとか、一つの言葉に二重の意味を持たせているところとか、中年独身女性に対してはキッツイところとか…。
とりあえず、ここまで「殺されても自業自得だ」と思える被害者というのは、最近読んだ推理小説のなかでも珍しい。
* Tag : 論創海外ミステリ
2006. 03. 10
「ベルガリアード物語 1〜5」

『1.予言の守護者』 『2.蛇神の女王』 『3.竜神の高僧』
『4.魔術師の城塞』 『5.勝負の終り』
The Belgariad (1982-1984)
デイヴィッド・エディングス / ハヤカワ文庫FT
とりあえず5巻全部読んではみたけれど…最後まで話にのれずに終わってしまった。
とにかく、作者と相性が合わなかった、それに尽きると思う。ストーリー展開、登場人物の人物像、人間や物事に関してのものの見方、どれをとってみても。ただそれだけ。
あ、読みやすいことは読みやすかったです、とても。各巻冒頭についているプロローグ以外は。
2006. 03. 08
新刊メモ
天使の渇きミッシェル・フェイバー / アーティストハウスパブリッシャーズ
本屋で見かけた本。
ミッシェル・フェイバーは以前 『祈りの階段』 を読んだことがあります。
“「擬似ヴィクトリア朝小説」の超大作”だとか。なんと全845ページ(うひゃ)、中の字もとても小さいうえに二段組だったから、かなり読みでがありそうです。
ただ、こういう作品って 『五輪の薔薇』 がまったく好みではなかった経験があるし、自腹では手を出しにくいなあ…。図書館頼みか。
2006. 03. 02
『ヴードゥーの悪魔』
Papa Là-bas (1968)ジョン・ディクスン・カー / 村上和久 訳 / 原書房
〔ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ〕
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19世紀半ばのアメリカ、ニューオーリンズ。そこで英国領事を務める男の元へ相談が持ち込まれた。「娘の様子がおかしい。“ヴードゥー・クイーン”に魅せられているようだ。なにかの事件に巻き込まれなければいいが」と。その最中、警告を発するように、外から人間の首を思わせる瓶が部屋へ投げ込まれた。走る馬車からの人間消失、衆人環視のなかの謎めく死、銃撃、そしてすべてを見透かすような「犯行予告」には“パパ・ラバ(悪魔)”と署名が…。巨匠が描く歴史ロマン溢れるミステリ長編。
カーの「唯一の未訳長編」だったそうで、そういうのは他のカー作品をあらかた読み終えてしまってからのお楽しみにとっておいたほうがいいかと思い、今の時点ではスルーするつもりだったんですが、図書館の新着棚に並んでいたのを手にとってみたら、舞台設定に惹かれたうえにおもしろそうだったので、つい借りてきてしまいました(笑)
ミステリ部分に関しては、謎(馬車からの人間消失・衆人環視下での転落死)が魅力的なのに比べるとその解答が尻すぼみな印象。犯人も比較的わかりやすいと思う。
でも、それを取り囲む「物語」、南北戦争前夜(1858年)のニューオリンズを舞台にした歴史ものとしておもしろかった。白人・黒人・ムラート・クワドルーンなどの様々な人種が入り混じった賑やかさ&騒がしさ、仮面舞踏会、デルフィン・ラローリーやマリー・ラヴォーなどの実在の人物や事件、そしてヴードゥーの怪しげな雰囲気。ニューオリンズと言えば、ジャズ、最近ではハリケーン被害のイメージが強いですが、本文中の文句を借りると「歓楽と幽霊の街」なんだとか。
それと、主人公の英国領事リチャード・マクレイとその恋人となる女性が、とても好感の持てるカップルで、読んでいて楽しかったです。これまで読んだカー作品に登場するなかで、いちばん好きなカップルかもしれないな。
2006. 03. 01
気になる近刊
トリノオリンピックも終わったし、真面目に更新頑張ろう…。
(ものすごく今更って感じですが、荒川さんおめでとう!)
▼ 3月刊行予定の本のメモ
ダイアナ・ウィン・ジョーンズが2つにウッドハウス…。楽しみな作品が目白押しで、ウハウハです。
早川のDWJは前の仮題 『復讐は魔女の仕事』 のほうがよかったと思うんだけど、何か訳でもあるんだろうか?
バロネス・オルツィは、歴史冒険活劇の 『紅はこべ』 は大好きだけど、短篇ミステリの 『隅の老人の事件簿』 は好きじゃない。婦人警官が主人公の 『レディ・モリー』 はどうかな?
▼ それともうひとつ
本屋さんで、SFマガジン4月号をパラパラと立ち読みしていたら、なんと、神林長平さんの 『戦闘妖精・雪風』 の第三部の新連載が始まっているじゃありませんか!
本文は読まなかったけど、前作 『グッドラック』 の続きなのかな?
早く単行本でまとめて読みたい。今からすごく楽しみだ〜。
(ものすごく今更って感じですが、荒川さんおめでとう!)
▼ 3月刊行予定の本のメモ
- 『バビロンまでは何マイル 上』
『バビロンまでは何マイル 下』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ / 東京創元社 (23日) - 『ウィルキンズの歯と呪いの魔法』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ / 早川書房 (22日) - 『ウースター家の掟 ウッドハウス・コレクション(4)』
P・G・ウッドハウス / 国書刊行会 (17日) - 『白薔薇と鎖』
ポール・ドハティ / ハヤカワ・ミステリ (中旬) - 『レディ・モリーの事件簿』
バロネス・オルツィ / 論創海外ミステリ (20日頃) - 『青チョークの男』
フレッド・ヴァルガス / 創元推理文庫 (23日)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズが2つにウッドハウス…。楽しみな作品が目白押しで、ウハウハです。
早川のDWJは前の仮題 『復讐は魔女の仕事』 のほうがよかったと思うんだけど、何か訳でもあるんだろうか?
バロネス・オルツィは、歴史冒険活劇の 『紅はこべ』 は大好きだけど、短篇ミステリの 『隅の老人の事件簿』 は好きじゃない。婦人警官が主人公の 『レディ・モリー』 はどうかな?
▼ それともうひとつ
本屋さんで、SFマガジン4月号をパラパラと立ち読みしていたら、なんと、神林長平さんの 『戦闘妖精・雪風』 の第三部の新連載が始まっているじゃありませんか!
本文は読まなかったけど、前作 『グッドラック』 の続きなのかな?
早く単行本でまとめて読みたい。今からすごく楽しみだ〜。
