2006年02月の記事一覧
- 2006-02-28 『ひよこはなぜ道を渡る』 [ミステリ&サスペンス]
- 2006-02-26 『警視庁幽霊係』 [国内作品]
- 2006-02-24 『看護婦への墓碑銘』 [ミステリ&サスペンス]
- 2006-02-22 近況 [未分類]
- 2006-02-12 模様替え & ベルガリアード物語 & トリノ [未分類]
- 2006-02-11 『ローリング邸の殺人』 [ミステリ&サスペンス]
- 2006-02-09 『魔王の足跡』 [ミステリ&サスペンス]
- 2006-02-07 『ジェイン・オースティンの読書会』 [海外文学]
- 2006-02-05 『エムズワース卿の受難録』 [海外文学-20世紀前半]
2006. 02. 28
『ひよこはなぜ道を渡る』
Your Neck in a Noose (1942)エリザベス・フェラーズ / 中村有希 訳 / 創元推理文庫
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旧友のジョンに請われて、彼の屋敷を訪れたトビー・ダイク。屋敷の様子に不審を抱き、邸内に侵入したトビーが目にしたのは、書斎でこと切れている友の姿だった。部屋には弾痕や血痕、争ったあともある。だが、その後判明したジョンの死因は“自然死”だった…? 〈死体なしの殺人〉と〈殺人なしの死体〉を巡る、切れ味鋭い本格推理。名コンビ 《トビー&ジョージ》 最後の事件。
トビー&ジョージシリーズ5作目にして最終作。とはいっても、フェラーズが続巻を書かなかったというだけで、何らかの終止符が打たれているわけではありません。
「約4年ぶりの翻訳新刊」「シリーズ最終作」ってことで楽しみにしていたんですが、その期待にしっかり応えてくれるおもしろさでした。このシリーズの作品って、提示される殺人現場が奇妙で突飛かつユニークなものが多く(今回は「どう見ても殺人があったとしか思えない状況下で男が心臓発作で死んでいる」というシチュエーション)、事件の全体像がなかなかつかめないうちに話が進んでいって、最後の最後に黄金期本格らしい解答が示されて一気に片がつく、という感じなのでミステリとしての感想はちょっと書きにくいんですが、とりあえず、何気ない会話に伏線がさりげなく隠されているところがやはり巧いし、事件の真相・犯人の意外性も十分。
また、女性登場人物たちの描かれ方が魅力的で、特にジョンの妻・リリと元カノのコンスタンス、この二人の女性が実に好対照になっている様がとても素敵でした。(リリがトビーを罵る場面は、訳者の中村さんの本領発揮って感じだなあ・笑)
トビー&ジョージシリーズがこれでもう終わりというのは残念だけど、フェラーズは他にもおもしろそうなシリーズをいくつも書いているようなので、そっちも読んでみたいなあ。是非是非お願いします>東京創元社さん、中村有希さん
※ 東京創元社のエリザベス・フェラーズ紹介ページ
http://www.tsogen.co.jp/wadai/0602_04.html
2006. 02. 26
『警視庁幽霊係』
天野 頌子 / 祥伝社 (2005-10)[ Amazon ]
事件の被害者の幽霊と話ができる柏木雅彦警部補が、彼に憑いている女子高生幽霊・結花に助けられながら、老婦人転落死事件などに取り組んでいく、コミカル・ミステリーの短篇集。
幽霊への事情聴取という連日連夜の仕事のストレスによる胃痛のために牛乳が手放せない柏木、妻と娘を溺愛する先輩・清水刑事、ダンディな上司・渡部、守銭奴の霊能力者・三谷など、キャラクターはなかなかおもしろいし、文章も読みやすい。
しかし、ミステリーとしては捻りがなさすぎて、軽く楽しむにしてもちょっと物足りない。
ちなみに、表紙絵は坂田晴子さんです。
* Tag : 短編集
2006. 02. 24
『看護婦への墓碑銘』
Epitaph for a Nurse (1958)アン・ホッキング / 鬼頭玲子 訳 / 論創社
論創海外ミステリ35
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セント・ヒラリー病院の主任看護婦ジェシカ・ビッグズ。非常に優秀ではあるが、もうすぐ四十歳になる彼女は将来の生活に対する不安から結婚をあせっていた。やっとおとずれた結婚のチャンスをものにするために資金が必要となったビッグズが思いついたのは、病院で見聞きした情報を利用して患者たちを恐喝し、大金を巻き上げることだった…。
比較的短くて、どちらかといえば地味な話なのに、もやもやと妙に嫌な読後感の残る作品でした。著者が結婚をあせるビッグズ看護婦に向ける情け容赦のない冷ややかな視線と、若いカップルたちに対するぬるさとの温度差が、いちばんの原因かな。
前半は将来への不安から恐喝に手を染めていく看護婦の姿を描いたクライム・ノベル風、そして中盤でビッグズが何者かに撲殺され、後半はスコットランドヤードのオーステン警視による犯人探し。しかし、事件の真相・犯人を示す伏線がほとんど張られておらず、「本格推理」という印象は薄いです。
* Tag : 論創海外ミステリ
2006. 02. 22
近況
オリンピックのフィギュアスケートを観るのに忙しくて、ブログの更新サボっちゃってます。
さすがにリアルタイムで観るのはきついので、早朝の生中継を録画しておいて夜に観るという形。(いちばん楽しみにしていた男子シングルだけは3時に起きて観た)
でも、残すところ女子シングルフリーとエキシビションだけとなりました。
私は男子シングルとアイスダンスが好きなんですが、今回はこのふたつでとても嬉しいことがありました。
ひとつめは男子シングルで、ジェフリー・バトルが銅メダル取ったこと! ずっと応援し続けてきた選手なので、本当に嬉しい。EXも楽しみ。
もうひとつは、アイスダンスのドロビアズコ&ヴァナガス組の復帰。この二人の演技をまたオリンピックで見ることができるとは、嬉しい驚きでした。
読書のほうは、3巻目まで読み終わった「ベルガリアード物語」を一旦中断して、ミステリを何冊か読む予定。
この「ベルガリアード」、なぜかいまいち話に乗れません…。せっかくだから4巻と5巻も読むつもりですが。お気に入りの登場人物でもいれば違ってくるかもしれないけど、そういうキャラもいないしねえ…。
さすがにリアルタイムで観るのはきついので、早朝の生中継を録画しておいて夜に観るという形。(いちばん楽しみにしていた男子シングルだけは3時に起きて観た)
でも、残すところ女子シングルフリーとエキシビションだけとなりました。
私は男子シングルとアイスダンスが好きなんですが、今回はこのふたつでとても嬉しいことがありました。
ひとつめは男子シングルで、ジェフリー・バトルが銅メダル取ったこと! ずっと応援し続けてきた選手なので、本当に嬉しい。EXも楽しみ。
もうひとつは、アイスダンスのドロビアズコ&ヴァナガス組の復帰。この二人の演技をまたオリンピックで見ることができるとは、嬉しい驚きでした。
読書のほうは、3巻目まで読み終わった「ベルガリアード物語」を一旦中断して、ミステリを何冊か読む予定。
この「ベルガリアード」、なぜかいまいち話に乗れません…。せっかくだから4巻と5巻も読むつもりですが。お気に入りの登場人物でもいれば違ってくるかもしれないけど、そういうキャラもいないしねえ…。
2006. 02. 12
模様替え & ベルガリアード物語 & トリノ
いつまでも賀正テイストなのを使っているのもなんなので、ブログのテンプレートを変えてみました。
去年の年末に「今年はファンタジーをあまり読めなかったので、来年はちょっと長めのシリーズ作品に手を出してみたい」と書いたのですが、それを実行すべく、デイヴィッド・エディングス「ベルガリアード物語」の1冊目 『予言の守護者』 を読み始めました。
かなり評判のいいシリーズのようなので期待大。
でも、トリノオリンピックが始まったので、これから半月ほどはテレビ観戦するのに忙しくて、本を読む時間があまりとれなくなっちゃうかも…。
去年の年末に「今年はファンタジーをあまり読めなかったので、来年はちょっと長めのシリーズ作品に手を出してみたい」と書いたのですが、それを実行すべく、デイヴィッド・エディングス「ベルガリアード物語」の1冊目 『予言の守護者』 を読み始めました。
かなり評判のいいシリーズのようなので期待大。
でも、トリノオリンピックが始まったので、これから半月ほどはテレビ観戦するのに忙しくて、本を読む時間があまりとれなくなっちゃうかも…。
2006. 02. 11
『ローリング邸の殺人』
In the First Degree (1933)ロジャー・スカーレット / 板垣節子 訳 / 論創社
論創海外ミステリ34
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病気休養中のケイン警視のところへ一人の男が訪ねてきた。ファラデーと名乗ったその男は、友人のアーロン・ローリングに対し周囲の人々が陰謀を企んでいるので助けてやってほしいという。ケインは話を信用せずにファラデーを追い返すが、「HELP ME」とメッセージが書き込まれたアーロンの蔵書が小包で届いた。関心を抱いたケインは、陰気な古い屋敷ローリング邸に下宿人として潜り込む。病気で臥せっているアーロンを取り囲むのは、彼の若く美しい妻、その姉、主治医、不気味な老執事と、怪しげな人物ばかりだった…。
ロジャー・スカーレットのこれまで未訳だった最後の作品。ボストン警察のノートン・ケイン警視もの。
以前読んだ 『エンジェル家の殺人』 (→感想)よりおもしろかったし、本格ミステリとしての出来もこちらのほうが上なんじゃないかなあ。容疑者の数が少ないうえに使われているトリックはよく見かけるものなんですが、私はケインが犯人を指摘するまでわからなかった。屋敷のなかという狭く閉鎖的な空間、そしてごく限られた登場人物と、ややもすれば弱点となってしまいがちなこの手のお屋敷ものの特徴を、逆に巧く利用しています。また、ローリング邸の不気味さというゴシック的なサスペンスを盛り上げる数々のエピソードが、後で事件の真相の伏線として利いてくるところも見事(その理由がよくわからないままで終わってしまう部分もいくつかありますが…)。
『エンジェル家の殺人』 と並べてみると、ロジャー・スカーレットって、古いお屋敷の不穏な雰囲気を作り出すことに命懸けてます!って感じがするなあ。これでもかこれでもかとばかりに畳み掛けてくる。そして、そのためならば多少不自然な部分が生じてもかまわないという潔さ(?)みたいなものがあるというか…。
最後の二階堂氏の解説は…御自分のサイトにでも書いててください。
* Tag : 論創海外ミステリ ロジャー・スカーレット
2006. 02. 09
『魔王の足跡』
The Footprints of Satan (1950)ノーマン・ベロウ / 武藤崇恵 訳 / 国書刊行会
世界探偵小説全集43
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1855年2月8日、悪魔が英国に降り立った。デヴォン州の各地で不可思議な蹄の足跡が多数目撃されたのである。それからおよそ100年後のある雪の朝、田舎町ウィンチャムに再び悪魔の足跡が出現した。スミス警部を始めとする住人たちは、新雪の上に突如現れた謎の足跡を追って、野原の真ん中にたつオークの木にたどり着く。その大枝には首を吊った男の死体がぶらさがっていた…。
突然現れてまた忽然と途切れ、ある場所では建物を通り抜ける、人間の仕業とは到底考えられない雪の上の不可解な足跡…という謎とその解答はかなり魅力的でした。しかし、その他の部分がいまいち。話の進め方がなんだかぎこちないし、素人怪奇現象研究家のミス・フォーブズの長々と続く心霊現象についての演説には辟易。犯人の正体とその動機も早い時点に見当がついたので、どうやって足跡がつけられたのか、その不可能犯罪のトリックに対する興味だけで最後まで読み進めたのだけど、それには350ページ余というのはちょっと長すぎでした…。
(あと、ラストシーンのスミス警部と某人物の「悪魔」についてのやりとりは興醒め。私は犯人の感情は人間として自然なものだと思うし、我田引水&こじつけすぎるよ…)
* Tag : 世界探偵小説全集
2006. 02. 07
『ジェイン・オースティンの読書会』
昨日読み始めた 『ジェイン・オースティンの読書会』、1回目の読書会の章を読んで、投げ出してしまった。
オースティンファンの女性五人+SFマニアの男性一人が、毎月ひとつずつオースティンの六つの長編を読んでいくという読書会を開き、それと並行して、「この6人の身に起こる様々な事件と悲喜こもごもの人間模様」が語られる。後者がメインっぽいのだけど、等身大のアメリカ人って感じの参加者たちの人間ドラマには全く興味が持てないし、読書会の内容は「私、登場人物の○○って大嫌い」「あら、私は好きよ」レベルのありきたりな感想のやりとりに終わっていてつまらない。もっと深く踏み込んだオースティン論議を読めるかと思っていたのに…。
巻末に作家や評論家たちの過去二百年間に渡るオースティン批評の抜粋があって、そこだけは興味深かった。著者ファウラーによるオースティンの全6作品のあらすじ紹介もあるけれど、結末まで書いてしまっているうえにファウラーの恣意がかなり混じっているので、未読者にはあまりおすすめできるものじゃないな。
『ジェイン・オースティンの読書会』
カレン・ジョイ・ファウラー / 白水社
オースティンファンの女性五人+SFマニアの男性一人が、毎月ひとつずつオースティンの六つの長編を読んでいくという読書会を開き、それと並行して、「この6人の身に起こる様々な事件と悲喜こもごもの人間模様」が語られる。後者がメインっぽいのだけど、等身大のアメリカ人って感じの参加者たちの人間ドラマには全く興味が持てないし、読書会の内容は「私、登場人物の○○って大嫌い」「あら、私は好きよ」レベルのありきたりな感想のやりとりに終わっていてつまらない。もっと深く踏み込んだオースティン論議を読めるかと思っていたのに…。
巻末に作家や評論家たちの過去二百年間に渡るオースティン批評の抜粋があって、そこだけは興味深かった。著者ファウラーによるオースティンの全6作品のあらすじ紹介もあるけれど、結末まで書いてしまっているうえにファウラーの恣意がかなり混じっているので、未読者にはあまりおすすめできるものじゃないな。
『ジェイン・オースティンの読書会』カレン・ジョイ・ファウラー / 白水社
* Tag : ジェイン・オースティン
2006. 02. 05
『エムズワース卿の受難録』
P・G・ウッドハウス選集 2The Misgivings of Lord Emsworth
P・G・ウッドハウス / 岩永正勝・小山太一 編訳 / 文藝春秋
[ Amazon ]
綿菓子のようなスローな頭脳の持ち主、第九代エムズワース伯爵。美しい庭と平穏な暮らしを何より愛する老伯爵に、今日もトラブルが容赦なく襲いかかる。不肖の息子に鉄血の妹。腕はいいが頑固な庭師。騒動に揺れる伯爵の領地に平和は戻るのか? 世界で高い人気を誇るエムズワース卿シリーズの全短編に加え、巻末にアントニイ・バークリーによるウッドハウスのパロディも収めた第2巻。
読了。
* Tag : P・G・ウッドハウス 短編集
