* Caramel Tea *

Reading Diary

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2009. 02. 05

読了メモ 『わが愛しき娘たちよ』

78~84年発表の12篇を収めた短篇集。日本で最初に刊行されたウィリス本でもある。昔の私ったら、『リンカーンの夢』 じゃなくてこっちを先に読めばよかったのになー。(※この記事参照)
コメディタッチのものもいくつかあるけど、シリアス中心。原書の表題作にもなっている「見張り」は、『ドゥームズデイ・ブック』 や 『犬は勘定に入れません』 と同じタイムトラベルのシリーズ。キヴリンやダンワージィ教授が登場します。

最近翻訳されたウィリスの短篇集2冊ではそんなことなかったんだけど、時代を感じさせる作品がいくつかあった。アメリカやイギリスにミサイル撃ち込んだり爆弾投げ込んだりするのが、ロシアや共産主義者なんだもんなあ。
また「わが愛しき娘たちよ」も、ショッキングでいろいろ考えさせられる作品ではあるけれども、「超問題作」として論争を引き起こすほど過激な内容か? と今となっては思ってしまう。
……ってなんだか文句言ってるみたいになっちゃったけど、どの短篇も内容が古びているわけでは決してないし、むしろ、これまでに日本で出たウィリスの短篇集3冊のうちでは質・量ともにいちばんだと思う。



わが愛しき娘たちよ (ハヤカワ文庫SF)
Fire Watch (1985)
コニー・ウィリス / 大森望 訳 / 早川書房
1992-07

寄宿舎惑星の女子寮、その男子禁制の聖域でなにが起こったのか? 性と生殖が切り離された未来のセクシュアリティを描破して、スキャンダルをまきおこした超問題作「わが愛しき娘たちよ」。大空襲下のロンドンを訪問した時間旅行者の冒険を描いてヒューゴー、ネビュラ両賞を受賞した傑作「見張り」。アメリカSF界きっての人気女性作家が幅ひろい作風で、優しく怜悧に、そして過激に読者の知性を挑発する話題爆発の作品集。 (裏表紙より)
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2009.02.05 23:41 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2009. 01. 13

読了メモ 『茨文字の魔法』

二つの物語が一つになるところが見事で、また「茨」や「文字」というモチーフの使い方が素晴らしく、作品世界にどっぷり浸かりながら読んだ……のですが、飽くなき侵略欲をみせる皇帝アクシス、そして彼の横でその欲望を満たし続けてやる魔術師ケインに、不気味な戦慄を感じずにはいられなかったので、あの結末にはちょっとモヤモヤ……。



茨文字の魔法 (創元推理文庫)
Alphabet Of Thorn (2004)
パトリシア・A・マキリップ / 原島文世 訳 / 東京創元社
2009-01

レイン十二邦を統べる王の宮殿。その下にある王立図書館で、捨て子だったネペンテスは育った。ある日、魔法学校の学生から預かった一冊の本。そこに茨のような謎めいた文字で綴られていたのは、かつて世界を征服した王と魔術師の古い伝説だった。おりしも年若い女王の即位に揺れるレイン十二邦は、次第に運命の渦に巻き込まれていく。名手マキリップが織りなす、謎と伝説の物語。 (裏表紙より)

* Tag : パトリシア・A・マキリップ  

2009.01.13 19:01 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2009. 01. 11

『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』 スザンナ・クラーク



Jonathan Strange & Mr. Norrell (2004)
スザンナ・クラーク / 中村浩美 訳 / ヴィレッジブックス 2008-11
[ Amazon:I巻 ] [ Amazon:II巻 ] [ Amazon:III巻 ]

「ふたりの魔術師、イングランドにあらわれん。ひとりはわれを恐れ、いまひとりはわれを求める」――かつて、英国では魔術が栄え、伝説の大魔術師・大鴉の王(またの名をジョン・アスクグラス)が北イングランドを統治していた。いつしか魔術は失われ、それから300年余り経った19世紀初頭。ヨークシャーの田舎に長年ひきこもって魔術書の研究を続けていた有閑紳士ギルバート・ノレルは、英国魔術を復活させるため、ロンドンにやって来る。ミスター・ノレルは弟子に迎え入れた青年紳士ジョナサン・ストレンジとともに、魔術を駆使し、対ナポレオン戦争でのイギリスの勝利に貢献するが……。

人間を異界に攫っていく気まぐれで残酷な妖精、19世紀の作家たちを思わせる文章など、「英国の伝統」的なものがふんだんに織り込まれた幻想文学。

2004年に原書が刊行されて話題になっていた(ヒューゴー賞・世界幻想文学大賞・ローカス新人賞を受賞、その他さまざまな賞にノミネート)ときから4年、翻訳が出るのをずっと待ち続けていたのだけど、その甲斐はあった。
何と言っても、文章のおもしろさ。オースティンやディケンズ、サッカレーなどの作家を思わせる、ユーモアと皮肉と風刺のきいたキャラクター造形と人物描写(その筆頭が狭量な小男のミスター・ノレル。またジョナサン・ストレンジも矛先を免れてはいない)、ゆるやかな物語展開で、19世紀英文学が好きな私には直球ストライク。これだけでご飯三杯はいける……いや、この場合は厚いハードカバー3冊いける(笑)。他にも、アン・ラドクリフへの言及があったり、バイロンが登場して、諧謔のネタにされていたりもする。(錯乱状態のストレンジをバイロンが嬉々として観察している場面に大ウケ/笑)

薄暗い雰囲気に覆われた「幻想」の部分も、負けてはいない。第一部(I巻)ではノレルが英国魔術を復活させてイギリス中に知らしめ、第ニ部(II巻)ではその弟子となったストレンジが魔法を使って、ナポレオン軍相手の戦場で活躍する。しかし、第三部(III巻)を読み始めると、それらは前座であったことがわかる。ノレルが復活させた魔術はほんの序の口に過ぎず、真の魔術がイギリスによみがえるあたりの描写は圧巻。イギリスのあちらこちらに妖精界につながる道ができるというところが好きだなあ。あと、物語の序盤、ヨークの大聖堂でノレルが人前で初めて魔術を実践してみせる場面が印象的で、ここでぐっと物語に引き込まれた。

それから特筆すべきは、章ごとにつけられた膨大な量の脚注。最初はこれも古典文学のパロディのように思えたけれど、ここで語られる古今の魔術師のエピソード、民間伝承、書物の引用などによって、英国魔術の世界とその歴史が見えてくるという仕掛け。
さまざまな趣向が凝らされた力作で、堪能しました。

* Tag : 歴史/時代もの  

2009.01.11 23:45 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 12. 15

読書中の本 『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』

以前このブログで話題にした、スザンナ・クラーク 『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』 を、数日前から読んでいます。
全3冊のうち、一冊目を読み終わったところですが、これ、おもしろい~。
ストーリーのおもしろさっていうのとは違って、文章のおもしろさ。私の好きなタイプのイギリス文学なんです。
多少カリカチュアライズされたキャラクター造形と、ユーモアと軽い皮肉のきいた人物描写で、19世紀英文学の作家たちを連想させます。
今はまだ表面には出てきませんが、背景に見え隠れしている幻想部分もいい感じ。
読む前は「3冊? 長いなー」と思っていたけれど、これからまだ2冊分残っていると考えると嬉しくなる。
ゆっくり楽しみながら残りの2冊を読んでいきたいと思います。


そう言えば、同じヴィレッジ・ブックスから、「テメレア戦記」の二冊目が今月の20日に出るみたいですね。
こちらも、ナポレオン戦争時代のイギリスが舞台の歴史ファンタジー。ローカス賞新人賞を獲っているところも同じ。
ナポレオン軍をファンタジー的手段(『ジョナサン・ストレンジ~』では魔術、「テメレア戦記」ではドラゴン)で撃破しようとする、という同じ素材を、二人の作家がそれぞれどのように捌いているか、読み比べてみるのもいいかも。

2008.12.15 23:41 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 10. 12

『マーブル・アーチの風』 コニー・ウィリス

コニー・ウィリス / 大森望 編訳 / 早川書房 (プラチナ・ファンタジイ)
2008-09
[ Amazon ]

毎年恒例の大会に出場するため、妻とともに20年ぶりにロンドンを訪れた男。地下鉄に乗ろうとした男が、駅の構内で突然感じた爆風とは……(ヒューゴー賞受賞のシリアス中篇「マーブル・アーチの風」)。いんちきチャネリングで荒稼ぎしていた女ニセ霊媒師に憑依したのは、オカルト詐欺を糾弾し続けた実在のジャーナリスト、H・L・メンケンの霊だった……というヒューゴー賞受賞のユーモア中篇「インサイダー疑惑」など、ここ十年ほどの間に発表された5編を収録した、日本オリジナル編集の中短篇集。

楽しかったー。堪能しました。
コニー・ウィリスの短篇は、長編のおもしろさとはまた違う魅力があって好きです。いわゆる普通の人々の日常生活的なコメディが、いつの間にかSFに繋がっているようなところが。それと、クリスマスのニュースレター作りに悩まされているヒロインのコメディが侵略SFになっていく「ニュースレター」や、女霊媒師とオカルトを嫌悪する懐疑主義者の霊の「インサイダー疑惑」みたいに、「どうしたらコレとアレをくっつけてみようなんて考え付くんだ」と思ってしまうような、組み合わせの妙。
収録作のなかでいちばん気に入ったのは、「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」。近未来を舞台に、顧客の家庭のクリスマスの飾り付けや準備を請け負うクリスマス・プランナーの女性が主人公のドタバタラブコメ。シェイクスピアやE・M・フォースターなど、いろんなネタが詰め込まれているのが楽しい。「他人がやったことのないようなクリスマスを!」と独創性を追及するあまり、クリスマスとまったく関係ないテーマの数々を持ち出してくる客たちの姿には笑ってしまうけれど、でも、どのテーマも結構おもしろそうだったり(笑)。ノーウォールの仕返しディスプレーの凄まじさにもウケた。あそこまでいくと、かえって楽しそう(笑)。

* Tag : コニー・ウィリス  

2008.10.12 21:39 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 09. 03

『チェンジリング・シー』 パトリシア・A・マキリップ

The Changeling Sea (1988)
パトリシア・A・マキリップ / 柘植めぐみ 訳 / 小学館ルルル文庫
2008-09
[ Amazon ]

海で父を失った少女ペリは、海に執着する王子キールに出会い、どこか親近感を覚える。ある時ペリがキールに頼まれるまま、見よう見まねの「呪い」を海に流すと、黄金の鎖をかけられた海竜が現れた! さらには、その騒ぎの中に現れた謎の魔法使いリョウの魔法から、思いもよらぬ出来事がおこり…!? さまざまな形で海に心を捕らわれた少年少女たちの解放を描く幻想ファンタジー。 (裏表紙より)

海や光の幻想描写には相変わらずうっとりさせられるし、おもしろかったんだけど、どこかモヤモヤっとした気持ちなのはどうしてなんだろう……うーん、自分でもよくわからない。思ったよりもあっさり終わったなーとか、結末に納得は出来るけど(暗示させるような記述はそこかしこにあったので)やっぱり唐突でしょ~とか、その辺かな?
魔法使いリョウがわざわざ若者設定なのは何か裏があるのかなーと思いつつ読んでいたんだけど、あー、なるほどそっち方面の需要でしたか……(笑)。彼については、もう少し来歴とか背景とか読みたかったな。
(ペリが海竜に言葉を教えるエピソードが微笑ましくて良かった。もっとも、彼がキールと同い年であることを考えると、微笑ましいと言うには「育ちすぎ」って感じがしないでもないが……)


【原書】
The Changeling Sea
by Patricia A. McKillip

* Tag : パトリシア・A・マキリップ  

2008.09.03 19:22 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 08. 25

『緑のヴェール』 ジェフリー・フォード

The Beyond (2002)
ジェフリー・フォード / 国書刊行会
2008-06
[ Amazon ]

薔薇色の山猫や沈黙の民といった奇怪ないきものたちと出会いながら、楽園と贖罪を求めたクレイの螺旋状の旅はついに終焉を迎える…。奔放なイマジネーションと諧謔奇想が横溢するモダン・ゴシックの傑作「白い果実・三部作」、最終篇。

『白い果実』 『記憶の書』 に続く、三部作完結編。
一作目序盤では「最悪主人公ランキング」にランクインしそうなほどだったクレイが、変われば変わるもんだよねえ……としみじみしつつ読んでいたら……さ、最後にやられた……。
二者択一なんだろうけど、どちらを選んでも「そんなのありですか…orz」って感じだ……。なんかもっと別の終わらせ方がなかったのか?という気がしないでもない。おもしろいことはおもしろかったけど。

ちょっと調べてみたら、ジェフリー・フォードは今年春に新作長編出してるのね(これ)。1960年代が舞台、少年が主人公で、ファンタジーではなさそう。私はフォード作品は幻想寄りなのが好みなんだけど、どんどん現実寄りになっていってるっぽいなあ……。


【原書】
The Beyond (The Well-Built City Trilogy)
by Jeffrey Ford

* Tag : ジェフリー・フォード  

2008.08.25 23:39 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 07. 03

『トレマリスの歌術師(1) 万歌の歌い手』 ケイト・コンスタブル

Amazon.co.jp で詳細を見るThe Singer of All Songs: The Chanters of Tremaris book1 (2002)
ケイト・コンスタブル / 浅羽莢子・小竹由加里 訳 / ポプラ社
[ Amazon ]

三つの月に司られる世界・トレマリス。そこでは、かつて「歌による魔法」が広く行われ信じられていたが、今は忘れられようとしていた。トレマリスの国々のひとつ、氷の壁に囲まれた小国アンタリスは月の女神タリスに仕える巫女たちの国。巫女たちは氷の歌術で壁を強め、外敵の侵入を防ぎ、山中にひっそりと暮らしていた。ある日、見習い巫女のカルウィンは、何者をも通さぬはずの氷壁の内側に、見知らぬ外地の若者が大怪我をして倒れているのを発見する。ダロウと名乗るその若者は、砂漠の帝国メリツロス出身の鉄芸師(鉄芸を操る歌術師)だった。徐々に回復するにつれ、ダロウはサミスという邪悪で強力な歌術師に追われていること、そしてサミスは九つの歌術すべてを修め、全トレマリスの帝王になる野望を抱いていることを話す。カルウィンは、ダロウを助けるため、禁じられている氷の壁の外に出て、仲間とともに、サミスの野望を阻止する旅へ出ることになる――。 (カバー折込より)

「歌術」という歌う魔法が使われている世界・トレマリスを舞台にした三部作の一作目。
サミスを追いつ追われつつ、行く先々で仲間を得つつ世界中を駆けずり回るって感じで、ストーリーをこなしていくのが精一杯でなんだか忙しない話だった……という印象です。私の好みからすれば、もっと登場人物や背景世界の描写を細かく書き込んでほしかったなあ。
カバーイラスト&挿画は萩尾望都さん。そのせいか、カルウィンとダロウの恋愛(結構年の差カップル?)が余計に少女漫画っぽく思えてきたり……。

訳者に故・浅羽莢子さんの名前が出ていますが、途中まで翻訳したあとで亡くなられ、もう一人の訳者の方があとを引き継いだんだそうです。


【原書】
The Singer of All Songs (Chanters of Tremaris Trilogy)
by Kate Constable

2008.07.03 23:38 | Comments(2) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 04. 15

『風の妖精たち』 メアリ・ド・モーガン

Amazon.co.jp で詳細を見るThe Windfairies (1900)
メアリ・ド・モーガン / 矢川澄子 訳 / 岩波少年文庫
[ Amazon ]

風の妖精たちに踊りの秘術をならった娘の話、悪い妖精に声をぬすまれた少年の話、土の精と知恵くらべをする農夫の話など、民話風な7つの短編。ゆたかな想像力と人生への深い愛情にあふれた、フェアリー・テイルの傑作です。 (裏表紙より)

童話や民話のようなフェアリー・テイル7編が収録された短篇集。
作者メアリ・ド・モーガンは、友人だったウィリアム・モリスやバーン・ジョーンズの子供らに自分の創作した物語を話して聞かせるのが得意だったそうで、この本に収められているような物語の数々だったら、私も作者本人からもっといろいろ話して聞かせてほしいと思っちゃうなあ。
舞台となる国も時代も定められていない話ばかりですが、19世紀イギリスの風潮がちらりと窺える(ように思われる)話もあります。「池と木」がそれで、荒れはてた広野の真ん中に一本の木と、その根元に小さな池があり、木と池はお互いを愛しく思いあっていました。しかし、珍しい花や植物を探しにやってきた旅人たちが、たいへん珍しい木だというので、その木を根ごと掘りおこして、遠くの庭園に植えるために持っていってしまいます。木と離れ離れになってしまった池は嘆き悲しみ……というお話なのですが、17~18世紀頃からヨーロッパには世界のあちこちへ出かけていって珍しい植物を探して持って帰ってくるプラントハンターという人たちがいて、特にヴィクトリア朝の大英帝国で盛んだったようなんですよね。「池と木」にはそんな背景があるのかなー、なんて、ちょっと穿ちすぎか。

2008.04.15 23:35 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

2008. 04. 07

児童文学ファンタジー2冊

またまた、最近読んだのを2冊まとめて。
両方とも石井桃子さんの訳だなあ、なんて思っていたら訃報が…。ご冥福をお祈りします。

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Amazon.co.jp で詳細を見るまぼろしの白馬 (岩波少年文庫 142)
The Little White Horse (1946)
エリザベス・グージ / 石井桃子 訳 / 岩波書店

古い領主館にひきとられた孤児の少女マリアは、館にまつわる伝説に興味をいだき、その謎を解こうと大はりきり……。活発で明るいマリアは、暗い館の生活を一変させ、周囲のおとなたちを事件にまきこみます。ロマンチックな物語。 (裏表紙より)

ヴィクトリア朝が舞台。この時代の孤児の物語と言うとつらい目に遭わされたり、さびしい思いをしたりするのが定番ですが、この作品の主人公マリアはみんなに大事にされ、お姫さま扱いです。このマリアの「人徳」みたいなもので話が進んでいくところが、個人的にはあまり好きではなく……。


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Amazon.co.jp で詳細を見る砂の妖精 (福音館文庫)
Five Children and It (1902)
イーディス・ネズビット / 石井桃子 訳 / 福音館書店

ロンドンから遠く離れた、田舎の一軒家に移り住んだ四人の兄弟姉妹は、ある日、サミアドという、砂の中に住む不思議な妖精に出会います。目はカタツムリ、耳はコウモリ、体はクモのようにずんぐりした妖精は、一日に一回ならば、なんなりと子どもたちの望みを適えてくれるというではありませんか……。 (裏表紙より)

打って変わって、こちらは主人公きょうだいたちのあまりの悪ガキっぷりに、思わず噴き出した(笑)。
そこそこ良い家柄の子供たちみたいなんですが、他人の家から食べ物をとるわ、配達途中のパン屋の小僧さんに喧嘩をふっかけるわ。そして、サミアドにお願いして大量の金貨を出してもらうのは、まあ子供なら誰でも考えそうなことだからいいとしても(店で買い物をしたときに金貨のおつりを出してくれないので子供たちは怒るんだけど、金貨はいくらでもあるんだから、おつりなんてもらえなくても構わないだろうと私は思うんだ……)、間違ったお願いの仕方のせいで巨人になってしまった兄弟のひとりを、お祭りに連れて行って見世物にしてお金を稼ごうとするのには唖然。どんだけ、がめついんだよ(笑)。おまけに、四六時中、食事のことを考えている。一食抜いたぐらいで餓死なんてしないってば!
サミアド(子供たちにうんざりしつつあるのが笑える)は一日にひとつだけ何でも願い事をかなえてくれるんですが、子供たちのお願いは考えなし(もしくは考えすぎ)なせいで、いつも裏目に出て困ったハメにおちいってしまうのがおもしろかったです。なんか「ドラえもん」みたいだ。

2008.04.07 18:55 | Comments(0) | Trackback(0) | SF&ファンタジー

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読んだ本の感想メモ、気になる本の情報など。翻訳小説が中心です。特に好きなのは、海外古典ミステリと19世紀イギリス文学。
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